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異世界からの闖入者  作者: マッチポンプ
第八話S 魔界の四天王
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魔界の四天王Ⅵ

「なっ……なんでニオが」


「術による支援はここからでも行えます!」


 術を乱射されればニオの命も縮まる。そう考えていても、カイトは縋ろうとした。


「……前みたいに敵味方を判別する事は?」


「この距離ならおそらくできます。でも、誰かが防御してくれた方が安心ですね」


「その役はワシが買おう。この《封魂手甲》は術の無効化に特化している。調整して味方を守るくらいは造作もない」


 即興の独断行動だけに協調は望めないが、一方的にそれらの帳尻を合わせれば通用しかねない戦術である。


「《導力》の供給はあたしに任せな。《縛魂腕輪》は無限の《導力》を供給する神器だから、あんたに分け与えても問題はないって事よ」


 アカリは自ら名乗りを上げ、協調する姿勢を取った。一見すれば素晴らしい行動だが、彼女の場合は自分の面倒を他人に押し付けようとしている感がある。


「どの道、攻め入るならば今しかないな。無茶ではあるが最終突撃で手を打つ」


 ダーインの声が聞こえたと思うと、色とりどりな光の縄が蠍の魔物の動きを封じ、僅かながらも時間が生まれた。


「兵の統率は《幻惑の魔女》の洗脳に一任する。一糸乱れる動きで後退をすれば、犠牲者は一人として出ない」


「勝手に決めないで欲しいわ……まぁ、いいけど」エルズは呟く。


 この場に、五カ国同盟全ての同類が集結する。


 これ以上長期戦が図れず、敵の体力を奪い取ってきたと自負しての最終攻撃だけに手札の出し惜しみはしていない。


「《不死の仕事人》はニオ氏への導力供給を、手甲のヴェルギンは先の通り全軍の防御。カイト氏とガムラオルス氏は敵本体に接近、一斉攻撃の先陣と締めを任せる」


 数分も掛からず作戦は決められ、すぐさま全員が配置についていった。


 ニオ含め、最上級術を使える術者は《魔導式》の展開を開始し、近接兵達はエルズの洗脳を一部施された状態で自律行動を開始する。


 光の縄が引きちぎられた途端、ダーインは作戦決行を告げた。


「全軍突撃!」


 精鋭などに分別されていない、完全な全兵力三十万人が一斉に押し寄せ、蠍の魔物へと攻撃を放っていく。


 ガムラオルスに胴体を掴まれたカイトは蠍の魔物の頭に着地した後、圧縮の一撃を何度も打ちこんだ。


 己の役目を終えたガムラオルスもまた、飛翔の為の光に攻撃性を含め、光線系統の攻撃として蠍の魔物へと着実に攻撃をぶつけていく。


 全方位の攻撃だけに攻撃対象を見失い、鋏は乱雑に振り回された。ただ、そうして大雑把に放たれる薙ぎならば、対処のしようもある。



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