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異世界からの闖入者  作者: マッチポンプ
第八話S 魔界の四天王
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魔界の四天王Ⅱ

 敵の本拠地である事から、敵の総数は明らかに増加の一途を辿っていた。


 鈍色の魔物が標準格にまで押し上げられ、藍色が複数体存在するという状況。幸いながら、紅色の魔物は確認されていない。


 この戦いはカイトなどの強力な使い手が先導し、弱った相手を多くの兵隊で叩くという方式が取られた。


 天の国はカイトら第一陣と同格の攻撃順に並べられ、後方から高火力の術を打ち込む役目を持たされている。


「冒険者ギルドは各個撃破、それに続いて各国の近接兵が支援を行え。水の国は回復系統を使える者を後方に早急に送るように」


 ダーインの指揮は的確だった。


 元々集団戦を得意としない冒険者ギルドは運用に難あり、という非常に扱いの悪い部類である。


 ただ、ダーインはそうは考えず、突破力や単一戦闘の経験を前面に押し出し、自立機動型の一番槍を任せたのだ。


 この作戦の追加は不満こそ出たものの、実際の運用に関しては何の問題もなく、戦力の基礎向上に一手を買う。


 さらに、ダーインは光属性の術者に分別される存在ながらも、明らかに知っている知識の量が多すぎた。


 一から百まで、全ての技術や戦法、術に至るまで知り尽くしている。故に、五カ国同盟の軍はパズルのピースがはまったかの如く、円滑な動きが取られていた。


 そして、彼の提言があったからこそ、本来使いづらい広域攻撃型のニオにも出番が与えられる事になる。


「《火ノ二百五十五番・最終隕爆撃(ラストメテオ)》」


 その攻撃が対象にするのは敵陣の遥か後方、味方に被害が出ない位置に向って高火力広範囲の術が撃ち込まれていくのだ。


 ニオが敵の戦力を削ぎ、弱った敵をカイトら一陣が叩き、残った個体を冒険者が各個撃破、それでも生き残った相手を最終第二陣が討つ。


 物量と戦略、それらが一国のものとは桁違いであり、ほぼ全属性が揃っている事で戦闘環境は明らかに改善されていた。


 傷つけば治癒され、遠距離攻撃が多い為に十全の敵とは戦わずに済む。兵の死亡確率は零に近づき、負傷でさえ最低限にまで減らされていた。


 進軍自体は容易に行われ、紅色の魔物と遭遇した際にもダーインが的確に命令を組み替え、各国の指揮官にその伝達を任せている。


 大抵が戦闘に特化している同類の中で、彼の場合は指揮を得意としていた。だからこそか、ここまでの無茶な有象無象をまとめ切れているのだろう。



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