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異世界からの闖入者  作者: マッチポンプ
第六話S カルテミナ大陸攻略戦
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カルテミナ大陸攻略戦Ⅶ

 カルテミナ大陸の攻略を終えたカイトだが、肝心の操縦方法が分からないものを処理する事もできず、操作室と思われる部屋の入り口を破壊する事で機能停止とした。


 誰も入る事が出来なければ問題はない、簡単かつ単純な意見ではあるが、的を射ている。


 そうして無事に攻略戦は成功に終わり、全軍は一時帰還をする事となった。


「それで、ライカ姫が攫われたと」


「ああ、俺がもう少し向えていればどうにかなったかもしれなかった」


 自室に戻ったカイトは、部屋で待つニオへと今回の戦いについて話している。


「攫われたって事は、何かしらの利用価値があるってことですし、急いで向えば助けられますよ。きっと」

「俺もそう思うんだけどね……なんというか、不甲斐なくもあるよ」


 言っても仕方がないと分かっていただけに、カイトは切り替えた。


「それにしても、シアンとミネアが仲直りできてよかった」


「シアン姫は海上指揮、ミネア姫は陸上戦に復帰。二人が会うのはまた先になりそうですけど、きっと心は繋がっていますよね」


 ――この戦争さえ終われば、全てが上手く行く。元に戻る。


 やるべき事、なすべき事、カイトはそれを一度として忘れていなかった。


 ただ、今は終戦を目指す事だけに意識を集中させている。自分の知る限りの人達を守る為、その為の戦争終結。


 二人から受け継ぎ、自身で決めたその考えは未だとして変わらずそこにある。


「カイトさんはこれからどっちの部隊に?」


「王様曰く、しばらくは陸上だってさ。いくら海上が安全になったっていっても、戦力の回復も怠れないしね。元気な僕はみんなが回復するまでお仕事さ」


「お疲れ様です」


「はは、それはそれで満足だからいいけどね」


 ニオと話し終えた後、カイトは城下町に戻った。


 重税が僅かだが緩和され、敵の主戦力を攻略したという事もあり、人々の顔からは活力が漲ってきている。


「カイト、噂は聞いたぜ」


 城下町の見回りをしていたベアが話しかけてきた。


「これで平和に一歩近づいた、ってところかな」


「自慢より先に大局的な感想とはな、大物って感じだ」


「そんなそんな、俺がやれたのは偶然さ。勝つのは必然だったかもしれないけど」


 その発言に偽りはなく、カイトが攻略を完了してすぐにおぞましい量の味方が現れた。まさか早期に決着がついていたとは思っていなかったらしく、すぐに撤退していったのだが。


「話は変わるけど、城下町の調子はどうなの?」


「前よりはましって感じかな。少し前は警備隊側に文句を言いに来る人も多かったそうだぞ。そのせいで俺みたいな兵士がこっちに回されているんだが」


 苦労話を聞いたカイトは笑い、ベアの肩を叩く。


「苦労はお互い様だね。戦争終結まではまだまだかかるだろうけど、頑張ろうじゃないか」


「言われるまでもないぜ」


 二人は握手を交わすと、それぞれが己の役目を果たす為に歩み出した。



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