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異世界からの闖入者  作者: マッチポンプ
第六話S カルテミナ大陸攻略戦
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カルテミナ大陸攻略戦Ⅴαβ

 ――その頃、シアンとミネアは。


 第一撃目、船を直接砕きに来るような体当たりを放ってくるが、ミネアの上位術で吹き飛ばされた。


「一回の失敗も許されないって事ね」


「そうとも言い切れませんよ。ミネアちゃんは一人じゃないのですから」


「そう……そうよね。あたしが滑ったときは、シアンちゃんに頼むわ」


 舞を踊りながらも、ミネアはシアンに自分の背を任せ、術の発動に意識を集中させる。


 単発の火の玉、不規則に放たれる複数の火の玉、石壁にすら穴を開けるほどに鋭さを持った炎弾。


 怒濤のように紡がれていく術の連打は止まる事を知らず、次第にその威力も増していく。


「《火ノ百二十七番・超炎射クロスバーナー》」


 途轍もない攻撃性の炎が直進していき、魔物の皮膚を焼き抉るように傷を蓄積させていった。


 その攻撃を受けて鯨型の魔物は吹き飛ばされるが、すぐさまミネア達目掛けて海を進む。


 この術も溶かす事を是としている為か、海水に逃げられた途端に威力は低下し、明確な効果があるかどうかは断定に至らない。


 それでも上級術に達した時点で魔物に通じる威力となり、行動抑止どころか、明らかな仰け反りを生んでいた。


「シアンちゃん、ここからはどうする?」


「現状はこのままでお願いします。攻撃を止めず、可能な限り破壊力を高めてください」


 術の性質を知っているだけに、シアンは攻撃の続行を命じる。そうしなければ舞の効果が軽減されてしまうと分かっての行動だろう。


「分かったわ。今は止めない」


 鯨型の魔物は幾度となく吹き飛ばされても行動を中断せず、攻撃を続行する。


 これに対してミネアはその物量的な破壊力の嵐で対抗し、真正面から打ち込んでいくのだ。


 これ自体、ミネアにしかできない物理的突破策。それにだけに、攻撃は通っても、倒すには至らない。


「やっぱり、海上戦じゃ不利ね」


 ミネアは理解していた。相手が藍色の瞳を持つ個体なのだと。


 そうであれば、勝利藻難しくないとも。


 しかし、根本的にこの場が良くなかった。水がある為、火属性の発火による継続的な破壊は行われず、攻撃命中の際の威力しか還元されない。


 全属性でいえば三番目に上げられる火属性も、単純破壊力だけでいえば雷属性や天属性に見劣りするのだ。


「シアンちゃん、何か手は!」


「まだどうにかしてください!」


「なんでいつもみたいに冴えた作戦を出してくれないのよ!」


「どうしてこれくらいの時間を稼いでくれないのですか!」


 共に言い争うが、ミネアはその言葉に逆らう事もなく、攻撃を続行する。



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