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異世界からの闖入者  作者: マッチポンプ
第五話S 受け継がれる精神
154/359

受け継がれる精神Ⅶβ

 ――数日前、旗艦内にて。


「私にカイトの説得をしろ、と?」


「はい。ライアスさんが言ってくだされば、カイトも目を覚ますかもしれません」


 シアン直接の頼みと言う事もあり、ライアスは断るような雰囲気ではなかった。


 しかし、だからといって快諾するわけでもない。


「せめて理由をお聞かせ願いたい。あのようなへたれた男を使う必要はないと考えているのだが」


「魔物との戦いにおいて防具が無意味。命も一薙で消えていく。大切になってくるのは、多数の力を集約した一人なのですよ」


「それがあの男だと?」


「はい、それは間違いありません。精神的な脆さは散見されますが、それでも実力は今までの実績からみるに明らかです」


「なるほど、さすがは司令官様――抜け目がない」


 皮肉とも尊敬とも取れる呼称を述べるライアスに対し、シアンは表情一つ変えずに答える。


「いえ、節穴ですよ。ライアスさんの言うとおり、カイトの運用は合理的ではありません。ですが、それはミスティルフォード全体での事。水の国としての国益を捉えれば、確実に必要となってきます」


 抜け目がない、というライアスの評価通り、シアンは彼の好みそうな餌を垂らした。


「祖国の為……それに偽りは」


「当然、ありませんよ」


「フ……ならば従いましょう。我が主」


 そうして、ライアスはシアンに要求された通りに説得を図った。結局、カイトの心を動かす事になったのは、死の間際に告げた彼の本心だったわけだが。


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