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異世界からの闖入者  作者: マッチポンプ
第二部 終焉の戦争
113/359

終焉の戦争Ⅴ

抜けていたので振替え投稿しました。

 シアンの読み通り、闇の国の侵攻部隊は水の国へと攻撃を仕掛けて来たが、こちらは無事に反撃が行われた。


 フォルティスまで被害が及ばなかった事もあり、盤面としては勝利したと言える。


 しかし、実情としては精鋭部隊に大きな被害が発生してしまったのだ。さらに、怪物達も現在進行形で周囲を闊歩している。


「カイト、御苦労さまです」


「ねぇ、本当にあれで良かったのかな」


「はい。闇の国としては対人戦力での完全敗北を喫しているわけですし、今後は回数が減るかと思われます」


 目的は最初からこの一つに絞られていた。


 怪物単体に標的を向けるべき状況ながらも、相手が攻める隙を生んでしまえば本末転倒。それを防ぐべく、シアンはこの重要な第一戦目で完全防衛を果たし、侵攻優先度を大幅に下げてきたのだ。


「そうじゃないよ! 魔物の大多数は未だにこの国の周辺を歩き回っている……これじゃあ――」


「具体的な協力体制が築かれる前ですから、敢えて他国の領地に逃がした方が効率的だと思いました」


「シアン、君はまさか……」


「第一接触点である光の国が取り逃した分で、あれほどの数がいたのですよ。水の国単体で全てを迎撃する事は初めから不可能でした」


 カイトはシアンの戦術を高く評価していたが、こういった実践的な、捨て駒を含めたように聞こえる作戦には賛同しかねている。


「水の(・・・)としてはこれで十分ですよ」


「……水の国、としては?」


「そうです。ここからは冒険者ギルドも独自に討伐を開始するはずですので、ティアちゃんなどの協力を間接的に得られます」


 その戦力こそは知られていないが、少なくともミネアと同じ《星》の一人の少女。カイトの認識ですら高い水準に含まれてくる以上、その数値は誤差ではない。


「西方に向えばライカちゃんが、南方に向えば……ミネアちゃんも居ます」

 ミネア、という個人の名前を出す寸前、シアンは僅かばかり表情を曇らせた。


「みんなで協力して戦うって事だね」


「はい、現状水の国として出しうる《選ばれし三柱(トリニティア)》はカイトさんだけですし、他の《選ばれし三柱(トリニティア)》への救援を求めるとなれば、こうする他にありませんでした」


 同類として認識しているそれは、カイトからすれば信頼に値する実力者達である。


 とある事情でその多くと一同に会する事があっただけに、カイトはその知っている者達、未だ知らない者達に期待していた。


「それはそうと、カイトはどうでした? 魔物との初戦は」


「だいぶ厳しいね。俺だけはそれなりに戦えてたけど、それ以外の人達は苦戦するばっかりで」


「初めに説明した通り、今回の戦いでの主力はカイトさん含め、《選ばれし三柱(トリニティア)》となります。ですから、出来るだけ早く慣れてくださいね」


「分かったよ」


 自室に戻っていく最中、カイトは魔物と交戦する少し前の事を思い出す。


 異形の怪物《魔物》の話、自分の重要性、シアンの事。


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