修練の間
のんびり気長に書きます、はやく読みたい人の方にはすみませんがのんびり方針なのでしょうがないです。
小説家に「ここにゃ」
シエルは部屋をでてすぐの場所で止まった。そこは畳2畳分くらいの広さのある空間だった。
「ここは…、何にもないな」
「キミの目は節穴なのかにゃ?足元を良く見るにゃ」
地面にはここへ来た時に書かれていた魔法陣とは違う魔法陣が書かれていた。
「これは転移魔法陣といってキミを呼んだ召喚魔法球の数段下位の魔法にゃ。これを使えばこの部屋以外の9つの部屋に行けるにゃ、本来はこれを使うためには魔力が必要ににゃるのだが、この魔法陣を使うための魔力は別の部屋にある魔力制御室から送られてるのにゃ、まあ、この上に乗ってみるにゃ」
俺は言われるがままに魔方陣の上に乗った。
ついた場所はただ広いだけの場所だった。広さは約東京ドーム1個分程度だった。一人で訓練するには十分すぎるほどの広さだった。
「それじゃあ、まずは自分のステータス確認と【適正】を調べるにゃ」
「ステータス?どうやるんだ」
正直ステータスなどはライトノベルやゲームの知識を持つ俺は左上にそういうアイコンがあるのかと思ったがそういうものはなかった。だとすれば、どうやって?っというのが思ったことだ。
「にゃにしてるにゃ、こっちくるにゃ」
シエルは壁にあるボタンのうちの一つを押した。すると部屋の壁が忍者屋敷のようにくるりと端から壁が変わっていった。その壁の一つに大きな水晶が埋め込まれたものがあった。
「これは?」
「これがこの世界でステータスや【適正】を調べるためのマイナーな道具にゃ、まあ、普通のよりも高価なものだから冒険者のギルドのところにも置いてないにゃ」
今、凄いこと言った。ギルドか、いよいよ異世界らしいな。
「これでいいのか?」
俺は手を水晶の上にのせると水晶が輝いてその次に文字が出てきた。日本語ともう一つは読めない、たぶんこの世界の言語だろう。
そこには俺の名前と技術基礎数値が書いてあった。
書いてあったのはこうだ。
名前:九重九重
種族:人間 年齢15歳
技術:1
体力:100
魔力:200 魔力属性:混沌
攻撃力:30
防御力:80
すばやさ:40
固有スキル【根暗な魔王勇者】
スキル:正義感 召喚されし者 王の器 魔族の信頼 亜人の信頼 人族の信頼
以上のらしい。いや、待て、固有スキル【根暗な魔王勇者】ってなんだ、どっちなんだ?
「いやはや、予想外にゃ、面白いにゃ」
シエルは驚嘆の顔をしていた。
「シエル、この【根暗な魔王勇者】ってなんだ?」
「それはあっちにも判断つかないにゃ、それに魔法属性の混沌とか、魔族や亜人たちの信頼ってなんなのにゃん」
いやはや、思ってた以上に想定外ですね、あの魔法球はたしかに規格外のものを呼ぶためのものでしたが、ここまで規格外とは、魔王にも勇者にもなれる存在ですか、やっかいですね。
いや~、あの魔法球はもともと規格外の存在を連れてくるように設定してたんだけどまさかこれほど規格外とは、驚きです。
「九重にはとりあえず、この世界の魔法について教えるにゃ、九重の魔法は5大魔法以外だからそのほかにある希少魔法、生命魔法、オリジナル魔法のどれかにゃ」
シエルは歩き出しながら部屋の中央に行き手をかざした。手からバスケットボールくらいの玉が出た。
「これが魔力にゃ、ところで九重、魔力はどこにあると思うにゃ?」
「うーん、そうだな、心臓とか?」
「半分正解半分不正解にゃ」
「どういう意味だ?」
「魔力は心臓つまり血の中にあるものだにゃ、だけどどうして血の中にあるかというと呼吸によって空気中から得ているからにゃ、ああ、でも勘違いしにゃいでおくれよいくら魔力が空気中にあるといっても人の体には一定量の魔力しかはいらないにゃ、それは人それぞれにゃ、レベルが上がればすべてのステータスも上がるから魔力も段々あがっていくにゃ、ここまでで質問はあるかにゃ?」
「何もないが俺はそれを使えるのか?」
「大丈夫にゃ、九重は魔力を普通の人以上にもってるにゃ、魔力はレベル1だと普通体力の2分の1から3分の1くらいしかないにゃ、にゃのに九重は2倍もあるにゃ、これは異常といっても過言じゃないにゃ」
「そいうもんかね?」
「そういうもんにゃ、九重には今からこの魔力だけを使って玉を作ってもらうにゃ、この玉を作れにゃいと今日は寝れにゃいよ?」
シエルはにゃはっと笑うとこっちに来るようにと手を振った。
(やべ~、ただのほら吹きの猫にしか見えない)
「お、おう」
「魔力はイメージと意識力が大事にゃ、まずどんなものを作りたいかイメージまたは出来るまでの過程を思いながらそれを強く願うにゃそうすればおのずと出来てるにゃ」
やってみるにゃとシエルはいって壁際にあった箱の一つ上に乗った。
俺はまず深呼吸をし普段は気にしない血液の流れを気にした。そして血の流れを手に送るようにイメージしたのだが何も起きなかった。
「おい、なにも起きねえじゃねえか」
「そう簡単にできたらこっちがへこむにゃ、普通一発でできると思わないにゃ」
「そうだよな、俺じゃあ才能がないかもしれないもんな」
「いやいやいや、へこみすぎだから、キミはきちんと才能はあるから、まだ感覚をつかんでにゃいだけだからね?それに呼吸も大事にゃ、さっきは血循環をきにしただけなんでしょ?呼吸をしながらじゃにゃいと意味ないにゃ」
「そうか、さっきは呼吸を止めていたから出来なかったのか」
(扱いやすいのか扱いづらいのかはっきりしてほしいですね)
呼吸と血液の循環これを同時に意識しながら空気をそのまま右手に集めるようにかな?
九重が集中するとともに右手に薄紫色の雰囲気が出てき始めた。それは九重が呼吸するとともに大きくなっていった。
(思ったよりも早かったですね、普通はこの感覚を覚えるまでに最低5日はかかるのに、なんか負けた感がして悔しいですがこのことは教えない方がいいでしょう)
シエルことセシルは早くも九重の才能に確信を持っていた。
九重がこの行動を初めてからかれこれ一時間が経過したころようやく手のひらサイズの魔力の玉が出来ていた。
「ようやく出来たけどシエルのよりも小さい……なんか悔しいな」
「いやいや、普通に考えてレベルも魔力も違うあっちに勝つなんておかしいからにゃ?まあ、今日はゆっくり休むにゃ、続きは明日にゃ」
シエルは箱から降りると、寝床に向かった。
次話は少し異世界について書こうと思います。