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DB一刃異世界奮闘記  作者: 鈴神楽
出会い編
7/14

決意の恋心

今回の話しは、お馴染みのハジメが居る世界

「怯むな!」

 ウヘイの言葉に、邪竜を囲んだ戦士達が一斉が攻撃を始める。

『人間が!』

 邪竜がブレスを放つが、ミガキ達、巫女達の複合結界が邪竜のブレスすら防ぐ。

『我は邪竜なり! たかが人間に滅ぼされる存在では無い! ドラゴンブラッドファイアー』

「護符を信じろ!」

 ウヘイの言葉を信じ、護符を握り締める兵士達。

 邪竜の力に特化した護符が邪竜の竜魔法を防ぐ。

「ブン! 止めを刺せ!」

 ウヘイの命令に従い、十六歳のまっすぐな瞳をした少年、ブン=セが邪竜用、ドラゴンスレイヤー(剣)で邪竜の首を薙いだ。

 倒れいく邪竜を油断無く見つめるウヘイ。

 そして完全に動かなくなった時、後方から拍手が聞こえる。

 ウヘイ達、邪竜殲滅作戦のメンバーが振り返るとそこには十六歳になったばかりの黒髪の少年、一刃が居た。

「大したもんじゃないか。保険に俺なんて要らなかったんじゃないか?」

 一刃の言葉に邪竜殲滅メンバーの最古参にもなるマモルが不機嫌そうに言う。

「単独で邪竜を倒せるお前に言われても嫌味にしか聞こないぞ」

 苦笑する一刃。

「俺達と一緒にするのが間違いだよ。俺達は竜を殺すための生き物なんだからな」

 そんな一刃に責任者にあたるウヘイが言う。

「最初の様な失敗は出来ないからな。出来るだけ君が同行し、万が一の時に対応して貰える様願いたい」

「まー俺はお金稼げるから良いけどな。中学も卒業して、自活も考えてるからなー」

 軽い口調の一刃。

 そこにミガキが邪竜の浄化作業を抜け出して来て言う。

「どうせなからカズバにやってもらえれば楽だったんじゃないの?」

「そん時は、料金も高くなるぜ」

 一刃の言葉にミガキが馴れ馴れしく、肩を寄せて言う。

「もーお得意様なんだから少しは値引きしてよねー」

「駄目に決まっています」

 邪竜の浄化作業を終えたハジメが二人の傍に来て言った。

「どうして?」

 そう言いながら必要以上に引っ付くミガキ。

 ハジメの眉が微かに上がる。

「何時もカズバに頼れるとは限りません。ですからカズバ無しでも邪竜を倒せないといけないからです」

 それに対してミガキが一刃に言う。

「いっそのこと、こちらの世界に移住しちゃえば」

 一刃は少し考える表情をして言う。

「それも悪くないが、俺としてはアニメが見れないのは問題だからな」

 オタクな一刃。

「つまらない」

 口を膨らませるミガキ。

「撤収するぞ」

 ウヘイの言葉に、全員が撤収準備を始める中、仲が良い筈のハジメとミガキの間に嫌な空気が流れ始めていた。



 邪竜が封じられていた神殿の側の町の食堂。

「ハジメ怒ってる?」

 ミガキの言葉にハジメは自分では何時もと同じように答える。

「怒っていません!」

 傍目には間違いなく怒ってる。

「やっぱカズバの事が好きなの?」

 ミガキの言葉に慌てて首を横に振るハジメ。

「そんな事はありません。カズバには最初に助けて貰った時の借りが残っているだけです」

 ミガキが探るように言う。

「でもあれって、ヤヤさんの口添えでチャラになったんでしょ?」

 首を横に振るハジメ。

「いいえ、例えそーゆー事で返さなくてもいいとなっても、私には借り返す義務はあります」

 ミガキは少し考えてから言う。

「だったらあたしが、カズバとそーゆー仲になっても良いよね?」

 驚き、慌てて聞き返すハジメ。

「どうしてそうなるんですか?」

 ミガキは恥ずかしそうに答える。

「だってカズバってカッコイイじゃん。前回、邪竜が天井を壊した時、潰されそうになったあたしを助けてくれたの。やっぱ男は強くなくちゃ」

 必死に考えてハジメは否定的な意見を出す。

「でも、カズバは、女の人に節操ないですよ」

 ミガキは胸を誇張して言う。

「あたしは自分の魅力でカズバを独占してみせる」

 そうこの頃さらに大きくなった胸を見せるミガキを見ながら、ハジメは溜息を吐く。

「応援してくれるよね?」

 ミガキの友情を壊さないという確認の為の問い掛けにハジメは作り笑顔で答える。

「それだけの自信あるんでしたら。がんばって下さい」



 その夜、ハジメは寝付けず、外で星を見ていた。

 そして改めて自分の胸を見る。

「やっぱ大きい方が良いのかしら?」

 呟いた直後に自分がおかしな事を考えている事に気づき、頭を大きく振る。

 後方から人の気配がした時、何故かハジメは身を隠した。

「わざわざ夜中に何の用だ」

 二人の人影の一人は一刃だった。そしてもう一人は、

「邪竜殲滅隊を率いるものとして聞きたい。邪神竜の復活は阻止出来るのか?」

 ウヘイだった。

 一刃は少し考えた後答える。

「もうあんただけには言っても構わないな。ミヤロンに帰って、カネモにでも確認してもらえば解るが、少ないが既に封印から開放されている邪竜もいる。俺はどっちかと言えば、そんな邪竜の退治を任されてるよ」

 その言葉に驚くハジメ。

 しかし、ウヘイは納得したような顔をする。

「だからこそ、危険が多い邪竜退治を、君抜きでやる事が有ったのだな」

 頷く一刃。

「まー対処が早いから幾分遅れているが、このままのペースで行けば一年以内に復活するな」

「詰まり、今の戦いは、邪神竜が復活した後の戦いの為の訓練なのだな?」

 ウヘイは質問と言うより、確認する様に聞く。

「ああ、邪神竜が復活したら間違いなく、大量の邪竜が発生する。霧流の伝承が間違いじゃなければ、邪神竜は通常の竜も邪竜に変える能力を持っているらしいからな」

 さすがにその一言には言葉を無くすウヘイ。

「下準備には七華にも手伝ってもらっているし、一応秘密兵器もあるからいきなり滅ぼされる可能性は低いだろうよ」

 その言葉をウヘイは自分の中で処理して言う。

「前に聞いた君のお父さんに応援を頼めむ事は可能か?」

 一刃は肩を竦める。

「親父は親父で、邪神竜より性質が悪い魔神竜が率いる魔竜軍団の相手をしてるから、こっちに関れる程、余裕はないさ」

 ウヘイは拳を握り締めて言う。

「やはりこの世界は自分達の手で守るしかないんだな」

「まー、俺も手伝うさ」

 軽く言う一刃に、ウヘイはまっすぐ目を見て言う。

「君は仕事だから戦っているんだろう?」

 一刃は頷き言う。

「言いたいことは解るが、それは侮辱だぜ。仕事だからって命を懸けてない訳じゃない。この仕事は俺達の誇りだ。生き残るために逃げたりはしない」

 その言葉にウヘイは首を横に振る。

「仕事でやっている以上、君は百%の力しか出せない」

 その言葉に不思議そうな顔をする一刃。

「百%以上を求めるのは戦いじゃ間違いだと思うぜ」

「しかし、今度の戦いは百%でも勝てない。そんな予感がする。だからこそ最初にいっておく。君があくまで仕事として戦うのなら、邪神竜が復活するまでにするんだ」

 一刃が複雑な顔をする。

 そんな一刃の顔を見て、ハジメは、もしかしたらカズバと会えなくなると考え、胸を押さえる。

「あんたが言っている事は間違っていない。自分の手に負えない仕事はするべきじゃないな」

 一刃の言葉に、ハジメの胸が激しく痛む。

「でも俺は、邪神竜と戦うさ」

 その言葉に驚くハジメ。

「どうしてだ。君は自分の誇りだけで判断を誤る人間だとは思えないが」

 ウヘイの言葉に一刃は頬をかきながら言う。

「俺はハジメを護りたいのさ」

 ハジメの胸の痛みが高鳴りに変わる。

「初めてあいつに会った時、悲壮なまでな思いに捕らわれていたあいつを解放してやりたいと思った。あいつの村を襲った竜を退治したが、あいつは、変わらなかったよ。だから出来るだけの事はしてやりたいんだよ」

 その言葉にウヘイが大きく頷く。

「最後に言っておく、護りたいものがあるのなら、自分の命を犠牲にすることは考えるな。それは相手を不幸にするだけだ」

 一刃は余裕の笑みを浮かべて答える。

「何、当然な事を言っているんだよ。俺はDB一刃だぜ」

 そしてその時、建物の入り口の方から物音がした。

 一刃が振り返るとそこにはミガキが居た。

「そうだよね、あたしなんかより、ハジメの方が良いんだよね」

 そう呟いて、逃げるように駆け出すミガキ。

「ミガキさん!」

 その後を追って走り出すハジメ。

 状況が飲み込めない一刃にウヘイが言う。

「もてる男は辛いな。早く行ってやれ」

 一刃はまだ理解してないが、嫌な予感がしたのでハジメを追いかける。



 ハジメはミガキに追いかけながら言う。

「ミガキさん待って下さい!」

 その言葉に反応してミガキの足が止まる。

 ハジメが追いつくとミガキが涙を流しながら叫ぶ。

「ハジメは解ってたんでしょ、カズバが自分の事を好きな事!」

 ハジメは首を大きく振る。

「そんな事は無いです。あれは……そう同情しているだけです」

 ハジメの言葉にミガキが振り返った時、一刃の声がする。

「勘違いするな! 同情で命懸けられる程、俺の命は安くないぞ」

 ハジメが振り返るとそこには一刃が居た。

「ヤヤ姐さんに目を付けられてるから無理やりは無理だが、俺はハジメとエッチをしたい」

 一刃らしいストレートな言葉。しかしストレートな分気持ちがはっきりと解る。

「俺はハジメの事が好きだ。文句あるか?」

 ミガキが涙を拭って一刃に見つめて言う。

「あたしじゃ駄目なんですか?」

 その言葉に一刃が当然な顔をして言う。

「俺は別に二人でも構わないんだが、ハジメはそーゆーの駄目だろ?」

「何で私に聞くんですか?」

 ハジメが困惑した表情で言うと一刃ははっきりと答える。

「俺のハーレムには、お前が必要不可欠だからだ」

 その一言に顔を真っ赤にするハジメ。

「ハーレムなんて言うな、オタク男!」

 何処からともなく現れた七華が突っ込む。

「ハーレムは男の夢だ」

 拳を握り締めて力説する一刃。

「もうお兄ちゃんは」

 そして七華の後ろからマモルとブンも来る。

「何がどうなってるんだ!」

 叫び、顔を真っ赤にするハジメと涙を流すミガキを見たマモルは一刃に詰め寄って文句を言う。

「お前何やった!」

「まだ何もやってないぞ」

 その一言にマモルが切れて槍を振り回すが、一刃はあっさり避けていく。

 その間にブンも七華の隣に来て言う。

「君速いね。さすがはカズバの妹だけはあるね」

「当然ですよ。常人と競ったら負けません」

 平然と断言する七華。

 そんな少し揺るんだ雰囲気の中、それが現れた。

『霧流はここだな!』

 それは邪竜、一匹や二匹ではなかった。総勢十一匹の邪竜が、一刃達の上空に居た。

「嫌な予感の正体はこれかよ」

 そう舌打ちする一刃。

『死ね! ドラゴンバーストフレイム』

 邪竜達は一斉にブレスを放つ、隙間無く迫りそれは、とても人の作る結界等では防げる物では無かった。



 一刃達が居た周囲を圧倒的な熱量で昇華させた邪竜達は、上空を旋回し、完全に消滅したのを確認しようとしていた。

『少しやり過ぎたか、これでは死体確認も出来ない』

 比較的若い邪竜の言葉に、リーダー格の邪竜が言う。

『相手は霧流だ、これでも不十分な可能性がある。次の攻撃の準備をしておけ』

 その言葉に若い邪竜達は苦笑した。

 どんな凄い人間、いや竜であろうと今の熱量を防ぐ方法は無い筈だからだ。

 しかし、現実は、人や竜の想像を超えていた。

 熱で発生した蒸気が四方に散り、その中央には不思議な宝玉を掲げた七華が居た。

『冗談だろう、どうやって防いだ……』

 言葉を無くす若き邪竜達。

『霧流だったら、ありえるのだ。行くぞ』

 リーダー格の邪竜がそう言って、複雑な竜魔法の準備に入る。

 慌てて、牽制に入る若き邪竜達だったが、遅すぎた。

「気を下に向けすぎだぜ」

 一刃は竜角槍をリーダー格の邪竜の額に突き刺す。

『ドラゴンブラストサンダー!』

 先程の熱量にひけをとらない熱量を発する、雷がリーダー格の邪竜に直撃する。

 そして墜落する、リーダー格の邪竜に視線を向けていた若き邪竜達。

『馬鹿が早く散れ!』

 熟練した邪竜の言葉が若き邪竜に届く事は無かった。

 下から伸びる強力な結界が、若き邪竜達の動きを封じ、一刃の竜角槍が確実に止めを刺していった。

『霧流を嘗め過ぎおって』

 残った邪竜の中でも、最強の個体がそう言いながら、残った二体と共に油断無く一刃を囲み込み、ブレスと竜魔法で牽制する。

『相手の大きさを考えろ、どれだけ強くても、体力で我等に勝る訳が無いぞ!』

『オウ!』

 他の二匹もそれに続く。

 一刃はそれを竜角槍でそらしながら舌打ちする。

「邪竜の癖に頭が回りやがるって事は、真邪竜か、かなり面倒だぜ」



 上空での激突を見て、少し考えた後、七華は手に持った宝玉をハジメに渡す。

「これ渡しときます」

 ハジメが驚く。

「預かれません。それは大切な物なんですよね?」

 七華が頷く。

「お父さんが倒した万年竜の目玉を特殊加工して作った宝玉で竜眼玉リュウガンギョクって言います。お兄ちゃんは、その材料をお父さんから譲り受けるのに、ここ一年の報酬全て使いましたから。その上、お母さんに加工してもらう為に、家に入れるお金も倍額にした位です」

 一刃の報酬を知っている一堂が驚く。

「カズバの報酬って言えば、一回で四人家族が平気で十年暮らせる金額だぞ、それを一年分ってどんな金額だ」

 マモルの言葉に七華があっさり答える。

「城を使用人込みで、買える金額です」

 さらに慌てるハジメ。

「尚更、預かれません!」

「預かる訳ではないです。それはお兄ちゃんはハジメさんの為に手に入れた物ですから。細かいことは本人から聞いてください」

 そう言いながらも七華は竜牙刀に力を溜め込む。

「私の為に」

 ハジメはそう呟き、竜眼玉を見つめる。

 そして一刃が邪竜の一匹を叩き落とす。

 落とされた邪竜もすぐさま体勢を取り直すが、七華迫る。

『ドラゴンフニッシュ』

 その邪竜は大ダメージを受けた。

『まだ居たか!』

 邪竜の気がそちらにそれたその瞬間、一刃は二匹の邪竜を捉えられる位置に移動していた。

『ドラゴンスクライド』

 一刃の必殺の突きが残った邪竜を貫き殺した。



「ナナカちゃん大丈夫?」

 ハジメがそう言うと、残ったメンバーは力の使いすぎでふらふらする七華に近づく。

「大丈夫、少し休めば、直ぐに体力戻ります」

 その時、七華の一撃を食らった邪竜が最後の力を込めて尻尾を振り上げる。

『小娘、お前だけでも殺す!』

 七華は咄嗟に急所をカバーする事しか出来なかった。

 そして七華が弾き飛ばされた。

 地面に叩きつけられた七華はすぐさま、元自分が立っていた場所を見る。

 そこには竜の尻尾に押しつぶされていたブンが居た。

 最後の力を込めて尻尾を弾き飛ばし、七華が倒れ込むようにブンに寄り添い言う。

「何考えてるの! あちきだったらあの位大丈夫なのに!」

 涙を浮かべる七華に重傷のブンが笑顔で言う。

「これでも男だからな、女の子を護らないとな」

「馬鹿!」

 七華が泣きながら叫ぶ。

 そこに一刃が降りてきて、邪竜に止めを刺してから言う。

「そいつだって鍛えてるんだから、その位の怪我だったらお袋に頼めば大丈夫だぞ」

 なおもぐずぐずしてる七華。

 そこにハジメが来て、竜眼玉を差し出して言う。

「これは何なんですか。あの邪竜達の攻撃を受け止めたり、動きを封じたり出来るなんてとんでもない力を秘めています」

 一刃は竜眼玉を一度受け取って言う。

「お前の竜に対するトラウマを解消してやりたい。その為には俺の傍に居て欲しいんだ。俺の傍に居るのは危険な事だから、自分の身を守れるアイテムが必要だったんだよ」

 それを改めてハジメに差し出して一刃が言う。

「受け取ってくれるか?」

 その言葉にハジメが戸惑う。

「どうしてそこまでしてくれるんですか?」

 その言葉に一刃が溜息を吐いてから言う。

「惚れた弱みだよ。巫女である事に一生懸命なお前と一緒に動いてるうちに好きになった、これで良いか?」

 一刃がそっぽを向くとハジメは涙を流す。

「おいおい、泣くほど嫌なのかよ」

 ハジメは首を横に振る。

「嬉しいんです。私もカズバの事が好きだから」

 ハジメは竜眼玉を受け取って言う。

「ずっと傍に居させて下さい」

 そして二人の顔が近づき、唇が触れる直前、

「何こんな時にラブコメしてるの! 早くお母さん連れてきてよ!」

 べそかいてる七華がぶち壊す。

「お前な、せめてあと少し位待てなかったのかよ!」

 一刃の言葉に七華も力いっぱい抗議する。

「ふざけてるのはそっち。ブンさんが死にかけてるんだよ!」

「男が何人死のうが知るか!」

 毎度の兄妹喧嘩だが、最後に七華が大泣きしたので、一刃が折れて二人の母親八子を呼びに行った。



 負傷の治療をするブンの横では、ハジメの傍にミガキが来て言う。

「二人の絆の強さ解ったよ」

 その顔には辛さはまったく無かった。

 そしてハジメは少し考えた後言う。

「カズバだけは、譲れません」

 二人が笑顔で微笑みあった時、一刃が言う。

「俺はハジメが居れば二人でも構わないぞ!」

 ハジメの額に青筋が走る。

「カズバの馬鹿!」

 竜眼玉の結界魔力が固まりになって、一刃を吹き飛ばした。

「とんだねー。あたしも別に構わないけど」

 のんきなミガキを睨むハジメにミガキが言う。

「巫女のミガキ様の予言聞かせてあげる。きっとハジメは未来永劫、カズバの浮気性に悩まされるよ」

「そんなこと無いです」

 そう言って立ち上がり、吹っ飛ばした一刃の元に向かうハジメの方を向いてミガキは呟く。

「そうずっとずっとハジメはカズバと一緒。あたしと違ってね」

 少し寂しそうな顔をしながらもハジメの後を追うミガキであった。



 この日を境に、邪竜の復活のスピードが速まる事になったまるで、一刃に対抗する為とも思えるように。

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