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DB一刃異世界奮闘記  作者: 鈴神楽
出会い編
4/14

竜と人との共同生活

今回の話しは、近代産業革命後位の科学力を持つ世界

 その子供は、美形だった。

 そしてその瞳には強い意志が感じられた。

 短く切りそろえられた金髪がカッコイイその子供の名はセンリ。

 センリは元々はただのストリートチルドレンだったが、ある男を偶然助けて、その男と一緒に暮らす様になった。

 男は何故かそこそこのお金も持っていた為、男と二人での生活を続けていた。

 謎の男に疑問が沸いてもセンリはその男から離れる気はしなかった。

「俺もお人よしだよなー」

 そう言いながら、町を歩いている時、昔の自分にそっくりな集団が一人の少女を囲んでいるのを見つける。

「馬鹿なガキだな!」

 そういいながらも手近の石を拾い、駆け出すセンリであった。



「お兄ちゃんなにしてるんだか」

 十一歳に成ったばかり黒髪の少女、七華は一人町を歩いていた。

 年齢より小さく見える外見で、可愛いので、独りで町を歩いていると自然と視線が集まる。

 蒸気機関の車が横を通り過ぎるの感じながら七華は、この町を見る。

「竜って科学が発展した世界では長生き出来ないって言うのが通説だけど、この世界位の科学力だったら、大丈夫なのかな?」

 首を捻る七華。

 今回は、七華は見学というより、手伝いとして一刃に引っ張られてきた。

「人化の魔法を使える高位の竜を探し出して退治するのがお仕事だけど、今回の一番の問題は隠れている竜を探す事なんだよね」

 そういって町を歩く人達を見る。

「この中に、竜が紛れ込んでるんだ」

 その時、数人のストリートチルドレンが七華を囲む。

「嬢ちゃん、俺達と一緒に遊ぼうぜ」

「なあなあ、俺、こーゆーロリ、大好きなんだが、売る前に一発やっちまって良いか?」

「馬鹿、初物じゃないと高く売れないんだろうが。やるんだったら後ろでやれ!」

 眉を顰める七華。

「どうして男子ってこんなんなんだろう」

 その時、石が飛んでくる。

 ストリートチルドレンが怯む。

 そこにセンリが駆けて来る。

「逃げるぞ」

 センリは、七華の手を握りストリートチルドレンの囲みを突破した。

「待ちやがれ!」



 ビルの影に隠れて激しく呼吸をしながらセンリが言う。

「世間知らず、もう少しで売られる所だったぞ!」

 七華は自分が少し理不尽な怒りを受けてる気がしたが、形式上は助けられた相手に頭を下げる。

「どうもありがとうございました」

「口先だけの礼はいらねえよ」

 センリはそう言って、その場を離れようとした時、目の前にさっきのストリートチルドレンが現れる。

「暫く姿見なくなったと思ったら小奇麗な格好してるじゃねーかよセンリ!」

 半歩さがるセンリ。

「へへへ俺は前からお前狙ってたんだよな」

「お前そっちの趣味があったのかよ?」

「後だったら、男も女も大差ねえさ」

 センリが七華を庇うように立ち言う。

「お前は逃げろ!」

 だが、七華はセンリより前に出て言う。

「最初に言っておくけど、対人戦は未熟だから死んでも知らないよ」

「何言ってやがる!」

 そう腕を伸ばしてくる少年の腕を引っ張り体勢を崩すと、足払いを食らわして、空中で回転させ、地面の落ちる前に顔面に手を置き、地面に押し付ける。

 その一撃で、その少年は小刻みに体を痙攣させる。

 ストリートチルドレン達が一斉に引く。

「もう一度言うよ、あちきはヤヤ姐さんに対人技習ってるけど、ヤヤ姐さんみたいに慣れてないから、殺さない様な技の出し方出来ないよ」

 その言葉に、もう一度地面で鼻骨を陥没させている少年を見てからストリートチルドレン達は、お互いを見て、頷き合うと逃げていく。

 センリは驚いた顔をして言う。

「お前強いんだな?」

 七華は首を横に振る。

「強くないよ、ヤヤ姐さんやお兄ちゃんだったら、あんな連中一瞬で戦闘不能にしてるもん」

「へーお前の兄弟って強いんだな。まあいいや、俺んちに来いよ。お茶くらい出すぜ」

 センリの言葉に少し躊躇した後、急げる仕事じゃ無いと判断して七華が頷いた。



「ここが俺達が住んでるアパートさ」

 センリが案内したのは普通のアパートだった。

 そして七華が案内されるまま、部屋に入るとその奥には一人の年齢が解らない男がベットで横になっていた。

「ただいま! ドーラ、俺の友達連れてきたぞ」

 センリが帰りの挨拶そこそこに七華を紹介する。

「センリくんの友達か、どんなこだい?」

 ベットで寝ていた男が上半身を上げて七華を見る。

 七華もドーラを見る。

 二人は視線でお互いの存在を理解した。

 七華はセンリの方を向いて、どう切り出そうと迷っていると、ドーラは財布を取り出して、センリにお金を渡す。

「すまないけど、お菓子を買ってきてくれないか?」

「いいけど、七華、お前はどうする?」

 センリがお金を受け取る尋ねる。

「あちきは、ドーラさんと話してます」

 笑顔で七華が答えると、センリはドアを出て行く。

「直ぐ、戻ってくるからな」

 ドアが閉まり足音が聞こえなくなった所で、ドーラが言う。

「霧流ですね?」

 七華は頷く。

「追っ手が来ると思いましたが、今頃になってとは、意外でした」

 それには七華が首を横に振る。

「あちき達は、この世界に紛れた人の姿に化ける竜の退治を頼まれただけ」

 その言葉に、ドーラが大きく溜息を吐く。

「あまり、騒ぎを起すつもりは無かったのですが。やはり暮らしていくにはお金が必要だったんですよ」

「あの強盗は貴方なんですね?」

 頷くドーラ。

「竜の力を持ってすれば、人間の警戒は無意味です」

 七華は首から提げてるアクセサリーに手をかける。

「あちき達も仕事だから」

 ドーラもベットから起き上がり、七華と視線をぶつかる。

「おーい、ワッフルでよかったか?」

 そこにセンリが帰ってきた。

 どちらとも無く頷くと、ドーラが言う。

「それは美味しそうですね」

「あちき、ワッフル大好き」

 そして三人(?)でワッフルを食べた後、七華は部屋を出て行く。

 そんな七華に頭を下げるドーラ。



 ランプ街灯に火がつき始める頃、センリが言う。

「俺ってドーラに世話になりっぱなしだよな」

 センリの突然の言葉にドーラは慌てて、首を横に振る。

「そんな事ありません。センリが傷ついた私を看病してくださったからこうして生きられるんですよ。今だってろくに外に出れない私の代わりに色んな用事を押し付けています」

「でもお金を出させてばっかりだろ」

 ストリートチルドレンをやっていたセンリにとって、無償でお金を出して貰っている現状はどうしても納得出来なかった。

 しかしセンリは何故かドーラを信用してしまった。

 だからこそ、対等に成りたかったのだ。

「気にしないで下さい」

 その時、ドアが開き、黒髪の十四歳くらいの少年、一刃が現れる。

「おいドラゴン大人しく死んで俺の報酬に成れ!」

「お兄ちゃん駄目、せめてセンリが居ないところでやって!」

 七華が一刃の足にしがみつき、止めようとする。

「おいナナカ、何だそいつ?」

 センリの言葉に七華が作り笑顔で答える。

「あちきのお兄ちゃん。ちょっと危ない妄想入ってる人だから。気にしないで」

 それに対して一刃が言う。

「お前なー、こんなガキに気を使っていてどうする。そこのドラゴンは美術館を襲って宝石を強盗したあげく、警備員を殺してる。ほっとけば被害は増えるだけだぞ」

 その言葉にセンリがドーラの方を向く。

「ナナカの兄貴が言っているのは、ドーラの事なのか?」

 竜と言う知識が無くてもドーラが強盗をしたという理解は出来た。

 そして、何故か大金を持っていた理由にも合点がいく答えであった。

「センリ気にしないで、ほら帰ろうよ」

 必死に押し留めようとする七華だったが、一刃は、七華を振り払い、

『血の盟約の元、一刃が求める、戦いの角をここに表せ、竜角槍』

 アクセサリーが変化した一本の槍、竜角槍を構えて、詰め寄る。

 その時、ドーラが竜に戻る。

 ドーラが竜の姿に戻る事で部屋が崩れる。

 そして飛び上がる竜の手の中にはセンリが握られていた。

『この人間を殺されたく無かったら、この場は引け!』

 突然の展開に驚き声も出ないセンリ。

 一刃は余裕の笑みを浮かべて言う。

「舐めるなよ」

 一刃は、槍を振り上げる。

「駄目!」

 慌てて止めに入る七華だったが、七華が到着する前に、一刃の槍が振りおろされる。

『ドラゴンスライサー』

 その一撃はドーラを腕と翼を切り落す。

 一刃は超人的な運動能力で、センリを空中でキャッチした。



 地面に落ちた竜の周りにはたくさんの人垣が出来ていた。

 そしてセンリが近寄ろうとした時、ドーラが叫ぶ。

『我は邪悪な竜なり、人を嘘で騙し利用し、最後には盾にする。所詮人間など、我等竜にとってはチリカスの存在だ!』

 周囲から一斉に投石される。

 センリが足を止めた。

 その横に一刃が来て小声で言う。

「奴は、お前に嫌われたがってるぜ」

 その言葉にセンリが一刃の方を見る。

「どういうことです?」

「俺はお前の盾にする事も考えて一撃を放ったんだ。お前を盾にしようと、確実に翼を切り落せる場所にな」

 肩を竦めて一刃が続ける。

「しかし奴は避けなかった。それどころか、お前万が一にも当らないように腕でガードさえしなかった」

 駆け寄ろうとするセンリの肩を掴む一刃。

「行かせろ。俺はあいつに言わないといけない事があるんだ!」

 センリが叫んだ時、七華が後からタックルをかける。

「センリ行って!」

 そしてセンリは、ドーラの側に行く。

『ガキが近づくな焼き殺すぞ!』

 口の中に炎が生まれる。

「俺はドーラに言いたいことがある」

 センリは涙を流しながら続ける。

「俺はただお前と一緒に居たかっただけだ。お金が無いんだったら二人で稼げば良かっただろ」

 その言葉にドーラは先程までの荒々しい雰囲気が消えた。

『私もセンリと居られて良かったです。センリに少しでも良い暮らしさせたかったんです。でも間違って居たんですね』

「ああ間違ってたよ!」

 センリとドーラが視線が合う。

 沈黙を破りドーラが言う。

『もし生まれ変われるのなら、今度は人間に生まれてきたいですね。センリと一緒にずっと暮らせる人間に』

 そしてドーラの目が閉じた。



「大丈夫?」

 七華が心配そうに言うが、センリは胸をはって言う。

「安心しろ元々ストリートチルドレンだったんだ。それにドーラには読み書き教わったから、ちゃんと仕事出来るさ」

 その笑顔に七華は少し頬を染めて言う。

「うーん心配だからまた来るね?」

 それに対してセンリも頷く。

「ああそうしてくれ、同性の友達は初めてだから歓迎するぜ!」

 その言葉に、七華は止まる。

「どうしたんだ?」

 首を傾げるセンリ、そこに一刃が着て言う。

「よセンリ、お前将来美人になりそうだな、大きくなったら俺とエッチしないか?」

 センリがそっぽを向き言う。

「誰がドーラを殺した奴とエッチするかよ」

 硬直する七華に、一刃が言う。

「お前まさかセンリが男だと思ってたのか?」

 その言葉に七華は涙を必死に堪えて言う。

「それじゃあ又ね!」

 元の世界に戻る七華。

「本気でどうしたんだナナカの奴?」

 それに対して一刃が笑いを堪えながら言う。

「気にしなくっても良いさ」

 一刃も戻っていく。

 そしてセンリはガッツポーズをとって言った。

「よし俺は生きて、子供を作るんだ。そして子供の名前は……」

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