第一話 日常
完全なる日常パートです。ありがちな展開ですが小説執筆の練習なので…ご指摘ありましたらぜひお願いします。
放課後、授業が終わったにも関わらず俺、木ノ下歩、は外を眺めていたのだが……
「相変わらずだね~。あかりん困ってたじゃん」
という声を聞き、窓とは反対側の自分の隣の席を見る。
そこにはセミロングの黒髪で、目鼻立ちのはっきりしたそこそこの美少女と言った容貌の幼なじみがいた。
俺は
「桜香、お前こそ相変わらずわかりきったことを言うんだな」
と、素っ気ない返事を返す。
しかし、
「けど、そんな調子だと中学の時みたいに『格言bot』だの『歩く哲学書』だの、いいんだか悪いんだかよくわからないあだ名つけられちゃうよ?」
幼なじみ-楠桜香-は尚も食い下がってくる。
面倒ながらも、中学生のころから当たり前に繰り返している受け答えを発しようとした瞬間、
「相変わらずリア充してるね、お二人さん!」
と俺の前の席から声が割り込んできた。
俺は顔をしかめながらその声に答える。
「誰がリア充だ、誰が…それにそんな死語を話すのお前くらいだぞ」
「え?そうか?」
キョトンとしてる男子生徒は矢城神威。俺の中学時代からの悪友である。
「まぁ、いいや。二人がリア充かどうかはおいといてさ。桜香ちゃんは知ってるでしょ?歩は省エネなんだよ。」
酷く不本意な説明なため、俺は思わずつっこむ。
「だからリア充ではなく、幼稚園前からの知り合いってだけだ。それに『省エネ』とかどこのアニメの主人公だよ。俺は効率的に過ごしているだけだ」
「まあまあ。落ち着いて。神威君も必要以上に歩をからかわないで」
「は~い」
神威がボケて、俺がつっこみ、桜香がたしなめる。この中学時代からの会話の流れでのみ俺は「格言引用」を控える。
長年の付き合いのせいか、この二人には本心を見抜かれ易いからだ。
「でも、歩、授業はもう少し真面目に受けたほうがいいんじゃない?」
幼なじみからのありがたい忠告に俺はつい格言で切り返す。
「アインシュタイン曰く『教育とは、学校で習ったすべてのことを忘れてしまった後に、自分の中に残るものをいう』だそうだ。俺は『効率的』に過ごすために今後の人生に役にたたないことは学ぶ気がないだけだ」
桜香は、そんな俺をジト目で睨みながら、
「ホンットに相変わらずだね…」
と脱力する。
「そういえば桜香ちゃん、今日は剣道部に顔出すの?」
話題が一区切りしたところで、神威が話題の転換を図る。
こいつの言葉からわかる通り桜香はよく剣道部に顔を出す。ただし桜香は剣道部の部員というわけではないが。
「今日はちょっと」
桜香は言葉を濁しながらカバンと竹刀袋を背負う。
「そろそろ私と歩は帰るね。神威君、また明日!」
「なるほど、デートでしたか。お幸せに~」
「だから、違うと何度……」
実際、俺と桜香は付き合っているわけではなく、単に家の方向が一緒なのと、とある事情から一緒に帰るだけだ。
しかし、桜香と神威の言葉から俺が桜香と付き合っていると他のクラスメート達には思われている。
桜香はそこそこ綺麗な上に、気さくな態度も相まって、わずか1週間でクラスの人気者だ。
狙っている男子も多いらしく、殺意の視線が背中に刺さる。
この誤解が俺の効率的な高校生活を壊さないように祈るばかりだな、と考えながら俺は桜香と一緒に学校を出た。
以上日常パートでした。次回はバトルパートです。更新はいつになるかわかりませんorz主人公が最近京アニで始まった、「氷●」に似ていないか?という疑念がわくかもしれませんが気にしないでくださるとなによりです…
【質問】15禁や残酷な描写があるなどの注意はどうやって設定するのでしょうか?