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ユメウリ  作者: 風猫
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真相




部屋の扉が開かれた。 そこには、スーパーの袋を片手に舞が立っていた

「あははは、ごめん、頭冷やして帰ってきました。もう、キンキンです」

「冷やされたんだったら、もう少し静かにしろよ、な?」

そーの言葉など気にもかけず、ドカッと自分の位置に座った。


「って、お前またなんか買ってきたのか?」

「うん、これだけお菓子があって、飲み物がないのはおかしいって思って、

そこのスーパーで買ってきた」

と言うと、袋から紙コップと1.5Lサイズのコーラを取り出した。

「あ、コップなら私が…」

「良いって、良いって。あんまりご家族さんに迷惑かけたくないしね」

そう言って、そこに座る全員に紙コップを配るとコーラを注ぎ始めた。

全員分に注ぎ終わると、自分の分を持ち、コホンと一つ咳払いをし、言った。

「じゃあ、全員の成績向上を願って乾杯」

「「「「乾杯」」」」

なぜ、乾杯をするのかよくわからないまま、一同は紙の盃を上げ、飲み干した。


その時だった。

「あの、橋田さん。そろそろ勉強会の続行を提案致したいのです……が…」

須藤の体がぐらりと倒れた。

「須藤さん」

野沢が駆け寄ろうとしたが、体が突然重くなり、同じように倒れこんでしまった。

「く…。これ…は…」

瞼が重い。意識が、白濁していく。

古川の後ろで野沢も耐え切れず倒れこんだ。


「うん、成功だね」

舞が、誇らしげに笑った。

「なぁ、舞。やっぱ、これやり過ぎだったんじゃないか?さすがに

自白剤を紙コップに仕込むとかマズイって。しかも、下に親御さんいるんだぜ」

「だいじょうび、だいじょうび。もしもの時は、私が全部何とかするから」

クスクス笑うと、舞は倒れこむ須藤の元にしゃがみこんだ。

「ねぇ、須藤さん。何で私たちを誘ったか、理由教えてくんない?

ももにアンタ達のこと調べてもらったんだけどさ、アンタ達全員確かに若月第二高校だわ。

けど、全員クラスも違うし、

全員接点なんてあるはずない。例え、気まぐれで集まったグループだとしてもね…

どうして、私たちに触れるのか、私たちに気安く話しかけれるのか不思議だったの。

私たちは、学校の敵なのに。覚えてるでしょ。あの校長の演説。

少しドタバタすれば化けの皮剥がれるかと思ったけど、ダメだったのでプランBってことで。

って、まぁ関係ないか。さて、本題」

舞は、須藤の耳元に口を近づける。

「何で、私たちを勉強会なんてのに誘ったの?」


「あ‥あ…」

しかし、須藤から言葉は出てこなかった。


「あ、そっか。この薬、イエスかノーでしかダメなんだったっけ?

じゃあ、質問。私たちを勉強会に誘ったのは、何かの同情?」


須藤の首が小さく横に振られた。


「同情じゃないなら…何か、本当の企みがあったって事?」


須藤の首が一度縦に振られた。


「なるほど、私たちを何か嵌めて学校を追い出そうとしたんだ」

首が横に振られる。


「だったら、先公共に何かを頼まれた」

首が横に振られる。


「じゃあ、誰かに指示されてやったんだけど、理由はわからない…とかどうですか?」

………。

反応がない。

「ちょ、自白剤の効き目が薄れてきたのかな。おい、おーい」

舞は、パチパチと須藤の頬を軽く叩いてみた。


パチ、パチ…


…ガッ!


舞の手首が、力いっぱいに握られた。

さっきまで寝ぼけ眼だった須藤の瞳が目一杯に開かれ、舞を見ていた。

「な‥何!?」

思わず舞の口から素っ頓狂な叫びが漏れた。

しかし、目の前の須藤は動じる事はなかった。

「あぁ、そうですわ。私たちは指示されたのです。あの方に」

「あの方?まさか、黒幕がいるって事?」

「えぇ、黒幕ですわ」

「ちっ!そいつは、誰なんだ!?」

そうが、舞の腕を握る須藤の手を掴み、詰め寄った。

(な、こいつの手固…)

舞は須藤の手を引き剥がせずにいると、須藤が奇妙な笑みを浮かべながら話しだした。

「うふふふ。知りたいですか?黒幕。

黒幕は、どこにいるんでしょうか。

どこでこの光景をニタニタ笑いながら見てるんでしょうか」

「知らないわよ」

舞は、須藤を睨みつけながら呟いた

「うふふ…正解。知らないが正解ですわ。黒幕なんて嘘です。全て自演です

私一人で全てを実行していたのです。この3人を操ってね。

なぜ、貴方達に近づいたのか?なぜ、貴方達でなければならなかったのか?


……まぁ運が悪かったって事で諦めてください!!!」


須藤は、舞の腕を離すとゆらりと立ち上がった。

それに呼応したかのよう古川と野沢も、だらりと体をくねらせながら立ち上がった。

「え?何、こいつらキモッ」


三人はその場に立ちすくんだまま、動けずにいた。

いや、動きたくても動けなかった。まるで何かにその場に囚われてしまったかのようだった。


須藤達が一歩一歩近づいてくる。

「くっ、ヤベェぞ。舞」

「分かってるって。今、黒服共呼び出すから」

「早くして下さい。舞さん。ヤバイです」


須藤達が、突然手のひらを澄香達に向けた。

それは、一瞬の出来事だった。

今度は、彼女たちがその場に崩れ落ちた。

もう意識はない。深い深い眠りへと落ちていった。




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