混乱の放課後
放課後の教室は、まひるの“助けたい暴走”によってすっかり整然としていた。
机や椅子は完璧に一直線に並び、ノートや筆箱は規則正しく配置され、窓際の光も計算されて差し込む。
雨宮くんは少し恥ずかしそうにしつつも、その光景にほっとしたような笑顔を見せる。
ひなたは後ろの席で頭を抱え、ため息混じりに小声で呟く。
(……もう止められない……日常侵略、加速中……!)
そのとき、教室のドアが開き、生徒会長・西岡が颯爽と入ってきた。
「雨宮、また二階堂と一緒にいるのか」
その声は冷静だが、背筋の緊張とわずかな苛立ちが隠せない。
内心では、まひるが雨宮くんに向ける無邪気な愛情に、少しずつ嫉妬の炎が燃えていた。
さらに副会長・小早川美咲も登場。
彼女は冷静に西岡の肩に手を置き、小さく笑う。
「西岡……落ち着いてください。まだ状況は把握できます」
副会長は西岡の嫉妬を理解しており、時折軽くツッコミを入れつつ、その焦りを楽しんでいる節もある。
クラスのモブたちもざわざわし始める。
木下玲央はペンをいじりながら眉をひそめ、佐伯ののかは興奮気味に目を輝かせて囁く。
「生徒会長まで……巻き込まれるなんて……!」
「やっぱり、二階堂先輩……危険人物だわ……でも笑える……!」
双子の図書委員・海斗と澄人は、まひるの整頓された机の周りで小さく本を落とし、思わずツッコミ。
「まひる先輩……やりすぎですって!」
「でも……なんか面白い……」
まひるは無邪気な笑顔で雨宮くんを見つめ、机やノートを微調整する。
「雨宮くんが快適なら、生徒会長さんも副会長さんも安心して見守ってくださると嬉しいです♡」
西岡は眉をひそめ、机の上のノートをちらりと見ながら心の中で焦る。
(……二階堂、相変わらず手がかかるな……
でも……雨宮に向ける笑顔は……くっ、嫉妬……!)
顔がわずかに赤くなるのを、副会長・美咲はすぐに察して、くすりと笑う。
「西岡……顔が赤いですよ?まひる先輩に嫉妬してるんですか?」
「なっ……うるさいっ!」
西岡は必死に冷静を装うが、まひるの無邪気さに翻弄されるばかりだった。
さらに、窓際の席に座る別クラスの女子、平田まなみも教室を覗き、ざわつく。
「二階堂先輩……やっぱりすごい……」
その様子を見た木下玲央は小さくため息。
「……もはや日常侵略の達人……」
雨宮くんは少し赤面しながらも、微笑みで答える。
「ありがとう、二階堂……本当に助かってるよ」
まひるはにっこり微笑み、胸がドキドキする。
(雨宮くんが喜んでくれる……もっと頑張らなきゃ……♡)
ひなたは壁際で頭を抱えつつ、小声で心の中で叫ぶ。
(友情、嫉妬、愛情、日常侵略……
クラスも生徒会も巻き込む完全カオス……!
放課後がこんなに長く感じるなんて……!)
教室の空気は笑い、混乱、そして少しの胸キュンに満ちて、
まひるの無邪気で暴走気味な愛情は、モブ、生徒会長、副会長、雨宮くんを巻き込み、放課後のカオスを作り上げるのだった。




