小さな事件、再び
放課後の教室。まひるの“助けたい暴走”は日常化しつつあった。
机や椅子は完璧に整列し、ノートも筆箱もきちんと並んでいる。
その光景に、クラスメイトたちは微妙にざわついていた。
「な、なんか……教室がやたら整ってる……?」
木下玲央は小さくつぶやき、佐伯ののかに肩を押されて顔を赤らめる。
「玲央くん、あれ見て!二階堂先輩、またやってる……」
ののかは興奮気味に教室を観察し、誰よりも情報を楽しんでいた。
ひなたは後ろで頭を抱える。
(また……暴走が……でも、少し笑える……いや、怖い……!)
そんな中、事件は突然起きた。
雨宮くんの筆箱が棚から落ちそうになり、瞬間的にまひるが手を伸ばす。
「雨宮くん、大丈夫です……♡」
スルリと筆箱を受け止めるまひる。
だが、その瞬間、机の下で居眠りしていた双子の図書委員・海斗と澄人が、まひるの動きに驚いて机をひっかける。
「うわっ!すみません!!」
「えっ、何これ……!?」
教室は一瞬、小さなパニックに包まれる。
「大丈夫です♡ みんなも安全で……快適ですから♡」
まひるは微笑みながら、さっと乱れた筆箱や本を直す。
その無邪気な笑顔に、クラスメイトたちは笑いと困惑の入り混じった表情。
「もはや暴走というか……侵略レベルだな……」
ひなたは後ろの席で呟き、頭を抱える。
雨宮くんは少し赤面しながらも笑顔。
「ありがとう、二階堂……助かるよ……」
その様子を見て、木下玲央は小さくため息。
「……ま、まあ……ちょっと面白いかも……」
ののかは満面の笑みで小声。
「次はどんな事件が起こるのかな~♡」
教室は笑い、ざわめき、そしてほんの少しの恐怖に包まれ、
まひるのメンヘラ暴走は、モブたちを巻き込んで日常侵略を加速させるのであった。




