真面目子ちゃんの朝は早い( ¯꒳¯ )ᐝ
スカイハイ高校の朝は早い。
だが、その中でもとびきり早いのが──二階堂まひる。
今日も6時50分。
校門をくぐるのは、ほぼ教師か二階堂。
風紀委員長の腕章をきゅっと締めて、
完璧な姿勢で校舎へ向かう。
「おはようございます。
廊下の掲示物、少し曲がっていますね……あとで直しましょう」
誰に言うでもなく、淡々と仕事を積み上げていく。
彼女の朝は「気になったら即行動」で構成されている。
・靴箱の砂ほこりチェック
・廊下の落し物回収
・階段の危険な濡れ跡を拭く
・開きっぱなしの教室の窓を閉める
・ついでに隣のクラスのプリントを整理する(なぜ?)
ここまでの時間、まだ7時05分。
「……よし。今日も気持ちよくスタートできます」
まひるは満足そうに微笑む。
それは“世界は正しくあるべき”という
強固な信念の表れだった。
そこへ、同じく早登校していた親友・ひなたが到着する。
「まひるー! また朝から働いてんじゃん!」
「ひなた、おはようございます。今日は風が強いので、外の掲示板が倒れないように固定しておきました」
「固定……? あれ鉄製だよね?」
ひなたのツッコミは朝の日課。
まひるは首を傾げる。
「転んだら危ないので、つい……」
「いや、女子高生がやる仕事じゃないからね!?」
「でも危険ですし……」
そんな会話をしながら教室へ。
7時40分。
生徒が徐々に登校してくる中、
まひるの視線は自然と教室の後ろ、窓側の席へ。
そこに、まだ来ていないある男子の席。
雨宮そら。
遅刻常習犯の、ゆるふわ男子。
「……今日こそは、間に合うといいのですが」
優しくて、ほんの少し心配そうな声。
だが、この時点でまひるはまだ知らない。
今日、雨宮が発したひと言によって
自分の人生が一ミリも予定通りに進まなくなることを。
そして、
真面目子ちゃんの完璧な朝は、
この日を最後に二度と戻らない──。




