雨宮くん、ついに気づく?
ある日の放課後、校舎の一角で雨宮くんはふと立ち止まった。
「……あれ?なんか最近、二階堂がやたら俺の周りにいるような……」
その無自覚な疑問は、ほんの小さな違和感に過ぎなかった。
しかし、まひるの行動は日に日に加速していた。
授業中も、部活中も、放課後も、雨宮くんの身の回りを整え、守り、観察し続ける。
机や椅子の角度、ノートの順番、カバンの置き方まで――
そのすべてを管理する姿は、もはやプロの護衛レベル。
「ふふ……これで雨宮くんは快適……♡」
にこにこと笑うまひる。
しかし、その笑顔の裏で、ひなたは絶望していた。
(やばい……もう誰も止められない……
完全に日常侵略モード……!)
雨宮くんは、少しずつ状況に気づき始める。
授業中、ふと自分の筆箱やノートが完璧に整えられていることに気づき、首をかしげる。
「……え、これって……二階堂?」
でも、どうしてこうなったのか、まだ理解できない。
さらに、部活中もまひるは無邪気にサポートを続ける。
「ここでボールが来るはず……♡」
ボールの方向や部員の動きを細かく計算し、雨宮くんがミスをしないように手助けする。
ひなたは遠くから心配顔。
(やっぱり……雨宮くんもそろそろ気づくか……
でも理解したらどんな反応するんだ……!?)
その時、雨宮くんはついに気づく。
「……ま、まさか……ずっと俺のこと見てたの……?」
完全に驚きの声。
まひるは無邪気に笑う。
「ええ、だって雨宮くんが困らないように……♡」
雨宮くんの顔が真っ赤になる。
(……え、助かるけど……なんか……怖い……!?)
その複雑な表情に、ひなたは壁にもたれ、頭を抱える。
(あーもう、笑うしかない……いや、泣きたい……!)
まひるは雨宮くんの反応を見て、さらに胸が高鳴る。
(……気づいた……♡
だったら……もっと助けたい……!)
放課後の校舎には、笑いと戸惑い、少しの恐怖が混ざり合い、
真面目子ちゃんのメンヘラ力が一層加速する瞬間だった。




