誤解と暴走
放課後、校内は静かだった。
だが、まひるの“雨宮くんサポート暴走”は、今日も止まらない。
「……雨宮くんのカバンの向きが少し傾いてます……♡」
まひるはそっとカバンを直し、後ろで見ていたひなたをドキッとさせる。
しかし、その行動は他クラスの生徒に目撃されていた。
「あれ……二階堂先輩、雨宮くんのことずっとつけてる……?」
噂は瞬く間に広がり、誤解が生まれる。
ひなたは後ろで慌てる。
(やばい……また誤解されてる……
“監視狂”って噂になるパターン……!)
まひるは何も知らず、にこにこと笑いながらさらに行動をエスカレート。
机の引き出しの整理、ペンの位置の微調整、ノートのページ順まで確認する。
「これで雨宮くんが困らない……♡」
雨宮くんは無自覚で、ただ感謝する。
「ありがとう……二階堂、助かるよ」
その言葉に、まひるの胸は再び熱くなる。
(……助かった……♡
だったら……もっと助けたい……!)
誤解したクラスメイトたちは、こそこそ噂話をするが、
まひるはまったく気にせず笑顔。
「雨宮くんが安全なら、みんなも笑顔ですよね♡」
ひなたは壁にもたれ、深く息をつく。
(……誰も止められない……
このままじゃ、学校全体が巻き込まれる……!)
しかし、まひるにとっては誤解も何も、すべて“雨宮くんの安全と快適”のための行動。
その無自覚の暴走が、さらにクラスを混乱に巻き込み、
ひなたは今日もひとりで頭を抱えるのだった。




