エピローグ
それからすぐに二人は結婚した。
信頼できる数少ない人が呼ばれただけの、小さな式だった。でも二人は誰よりも幸せだった。
ユルゲルトは何度か攫われて、返り討ちにしたり、ライラが助けに来たりした。
ライラは何度も戦場に行き、ユルゲルトはついていって夜は抱きしめた。
ライラは戦場でようやく眠れるようになった。
ユルゲルトは魔道具開発に本気を出した。
そして国境の警備を底上げする魔道具を作成して、隣国は迂闊に攻め入ることができなくなり、戦争は激減した。
ネームドたちは何人かが立て続けに結婚した、らしい。
二人の間には双子が生まれた。
魔力量の極めて多く、何度も軍の人間が二人の元を訪れた。
二人は全力で子供達を守った。
時には隣国へ亡命するぞと脅しをかけたりもした。
その時には、お互いを気遣うあまり、本音を隠す二人はいなかった。
双子たちの後にさらに二人の子供を産んで、子供たちはそれぞれ縛られることなく自由な将来を選択した。
その頃には戦争はなく、平和な国になり、ライラとユルゲルトは晩年静かな街に家を買い、死ぬまで二人きりでゆっくりと過ごした。




