表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/37

第十六章② 妖精の泉と妖精女王

 ようやく湖へたどり着いたレオンたちは、その神秘的な光景に息を呑んだ。

 湖は青白く輝き、宙には小さな光の粒が舞っている。その中心に立つのは、長い銀髪を持つ気品ある妖精女王だった。

「ようこそ、異邦の旅人たちよ」

 女王の優雅な声が響く。

「私は妖精の王、セレスティア。この泉を護りし者」

 レオンは少し緊張しながらも、一歩前に進み出た。

「はじめまして。俺はレオン。旅の途中で妖精たちに出会って……ここに来ました」

 女王は静かに微笑む。

「ふふ、聞いているわ。あなたたちは精霊と縁深き者。妖精たちがここまで案内するのは、あなたに何かしらの可能性を感じたからでしょう」

「可能性……?」

 レオンが首を傾げると、妖精たちがくるくると舞いながら彼の周囲を囲んだ。

「あなたたちには、妖精の祝福を授けましょう」

 妖精女王が手を掲げると、湖の水がふわりと浮かび、光の粒となってレオンたちへと降り注ぐ。

「うわっ、暖かい……」

 身体の内側から、心地よい風が吹き抜けるような感覚がした。

「これは……妖精の祝福?」

「ええ。風と精霊の力を少し分けてあげましょう。あなたたちは、この世界にとって大切な存在。だからこそ、さらなる加護を与えるのです」

「なんかすごいな……」

 レオンが呟くと、フェンリルもじっと女王を見つめていた。

「がぅ……俺たちは何か試されているのか?」

 妖精女王は微笑みながら、静かに首を振った。

「いいえ。ただ、あなたたちの旅の助けになればと思って」

「……ありがとう」

 女王は軽やかに笑い、妖精たちが祝福の光を降らせながら楽しそうに舞っていた。

「それと、お土産にこれをあげましょう」

 女王が手をかざすと、ふわりと現れたのは、美しい刺繍が施された小さな袋だった。

「これは?」

「妖精の秘薬。傷を癒し、疲れを取り除く特別なエリクサーです。妖精の加護が込められており、使用すると身体だけでなく心まで軽くなると言われています」

「すごい! こんな便利なものをもらっちゃっていいの?」

「ええ、あなたたちならきっと役立ててくれるでしょう」

 妖精たちはくるくると飛び回りながら、「また遊びにきてね!」と楽しげに手を振る。

 こうして、レオンたちは妖精たちと親交を深め、新たな力と贈り物を得て旅を続けることになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ