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第十六章 妖精のいたずら大騒動

 食事を終えたレオンたちは、再び旅路を進んでいた。そんな中、ふとした瞬間にレオンの背中に何かが飛びついた。

「わっ!」

「きゃはは! 人間の子供、見つけたー!」

 透明に近い小さな羽を持った妖精たちが、レオンの周りをくるくると飛び回る。

「な、なんだこれ……?」

「妖精族だな。気をつけろ、いたずら好きな連中だぞ」

 フェンリルが警戒するが、妖精たちは楽しそうに笑いながらもふもふたちの上に飛び乗った。

「ふわふわだー!」

「にゃあ!」

 ルナがびっくりして跳ね上がる。

「きゃはは! この龍、風を出せるの? すごーい!」

 シルフィードがくすぐったそうに鳴く。

 こうして、レオンたちは妖精たちのいたずらに振り回されることになるのだった——。


 妖精たちのいたずらに振り回されたレオンたちだったが、次第に彼らと打ち解けていった。

「仕方ないなあ……君たちいいところに連れて行ってあげるよ!」

 妖精のリーダーらしき存在が、にこっと笑って言う。

「いいところ?」

「うん! せっかくここまで来たんだから、妖精の泉に案内してあげる!」

 レオンたちは妖精の導きで、美しく輝く湖へと向かった。

 

 妖精の泉へ向かう途中、妖精たちは相変わらず悪戯好きだった。

「ぷくくっ、こんなのどう?」

 小さな妖精が手を振ると、フェンリルのふわふわの毛が急に虹色になった。

「……な、何だこれは」

「わわっ、フェンリル、カラフルで可愛いよ!」

「がぅ……やめろ、元に戻せ」

「えー、似合うのに!」

 妖精たちはくすくす笑いながら、フェンリルの姿を元に戻した。そんなことをしている間に、ルナは何やら甘い匂いに釣られてふらふらと森の奥へ。

「にゃあ?」

「ルナ、どこ行くの!?」

 レオンが慌てて追いかけると、ルナは妖精の作ったふわふわの花のベッドの上で丸くなっていた。

「気持ちよさそうだね……って、また妖精たちの仕業?」

「えへへ、ふわふわ好きなんでしょ?」

「うん……まぁ、悪くないかも」

 妖精たちは楽しそうに飛び回りながら、道案内を続けた。

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