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第十三章 古代遺跡と猫の導き

 アルシェの家を後にしたレオンたちは、再び旅を続けていた。

「さて、次はどこに向かおうか?」

 レオンが地図を広げて考えていると、猫のもふもふ「ルナ」が、ふわりと静かに木の上へと飛び乗った。そして、まるで何かを見つけたように、小さく鳴いた。

「にゃーん」

「ルナ、何かあるの?」

 ルナの視線を追うと、森の奥にひっそりと佇む古びた石の門が見えた。蔦が絡まり、長い間忘れ去られたような雰囲気を漂わせている。

「これは……遺跡?」

「ふむ、どうやら古代の神殿のようだな」

 フェンリルが静かに呟く。

「にゃ!」

 ルナはまるで「ついてこい」と言わんばかりにしなやかに門をくぐると、奥へと進んでいく。

「待って、ルナ! 一人で行っちゃ危ないよ!」

 慌ててルナを追いかけるレオンたち。しかし、ルナは迷うことなく細い通路を進み、まるでこの遺跡の構造を知っているかのようだった。

「……ここ、知ってるみたいな歩き方してるな」

「本当に……ルナ、前に来たことあるの?」

「にゃーん♪」

 ルナは尾をふわりと揺らし、壁に刻まれた模様を眺める。レオンもその模様に目を凝らすと、何かの文字が描かれていることに気がついた。

「えっと……『月の導きに従い、影の道を歩め』?」

「にゃん!」

 ルナが鋭く鳴くと、彼女の足元にあった石がかすかに光り始めた。

「えっ!? なんか光ってる……?」

「どうやら、月に関する仕掛けのようだな」

 フェンリルが説明すると、ルナはもう一歩前に進み、柔らかな足取りで床を踏んだ。すると、カチリと音を立てて壁の一部が動き出した。

「すごい! ルナが正解を見つけたんだ!」

「にゃん!」

 ルナは得意げに胸を張る。

「……どうやら、この遺跡はルナのような猫の敏捷さや知恵を試す場所だったようだな」

 フェンリルの言葉に、レオンは驚きながらも納得した。

「じゃあ、ルナがいなかったら、ここは進めなかったかもしれないね……!」

「にゃん♪」

 ルナは自慢げに毛づくろいをし、レオンはそんな彼女を優しく撫でた。

「ありがとう、ルナ。君がいてくれてよかった!」

 その後、ルナの案内で遺跡の奥へと進んだレオンたちは、月の魔力を宿した不思議な輝石を手に入れることができた。

「これ、持っておけば何かに使えるかもね」

「にゃーん♪」

 ルナは誇らしげに尻尾を揺らしながら、レオンの隣に寄り添ったのだった。

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