第十一章 果樹園の発見
旅の途中、もふもふたちが茂みの向こうから嬉しそうな鳴き声を上げた。
「どうしたの?」
レオンが駆け寄ると、そこには広がる果樹園があった。たわわに実った果実が輝き、甘い香りが漂っている。
「すごい! こんなにたくさんの果物!」
「もふもふ!」
だが、その中でも一匹、好奇心旺盛な狐のもふもふ「コン」が興奮した様子で尻尾を揺らしていた。
「コン、そんなに慌ててどうしたの?」
「こんっ!」
コンは素早く木に飛び乗り、枝の間を器用に飛び移ると、一番高いところにある黄金色の果実を見つけた。キラキラと光るその果実を見つめ、コンは慎重に足場を確保しながら枝を揺らした。
「わっ、落ちてくるぞ!」
レオンが慌てて両手を広げると、コンが素早く果実をくわえて降りてきた。
「こんっ!」
得意げにレオンに果実を差し出すコン。それを見て、フェンリルが鼻を鳴らした。
「ふむ、その果実はただの果物ではないな……」
「えっ?」
レオンが果実を手に取ると、ほんのりと温かく、優しい光を帯びていた。
「この果実……もしかして、魔力を持ってるの?」
「そうかもしれん。コン、よく見つけたな」
「こんっ!」
コンは自慢げに尻尾をふわりと揺らした。どうやらこの果実は特別な力を持っているらしい。
「じゃあ、ちょっと食べてみようかな……」
レオンが果実を一口かじると、ふわっと体が温まり、疲れがすっと取れるのを感じた。
「すごい! なんだか元気になったよ!」
「こん!」
もふもふたちも興味津々で果実を味わう。甘くてジューシーな果汁が口の中に広がり、皆の顔が幸せそうにほころんだ。
「コン、よく見つけたね!」
「こんっ!」
こうして、旅の疲れを癒す魔法の果実を見つけたレオンたちは、しばらくの間、果樹園でのんびりとした時間を楽しんだのだった。




