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第十章 迷子のもふもふ
エルフの森を抜け、新たな道を進む途中、ふさふさのウサギの「モコ」がいなくなっていることに気づいた。
「モコがいない!」
レオンの声に、みんながざわめく。
「どこかで迷子になったのか?」
「心配だな。すぐに探そう!」
フェンリルが鼻を利かせてモコの匂いを追い始めた。レオンとほかのもふもふたちも手分けして森の中を探す。
「モコー! どこにいるのー!」
レオンの声が森に響くと、かすかに「ぴーぴー」という音が聞こえた。
「この音は……!」
音のする方へ駆け寄ると、そこにはモコがいた。しかし、モコは倒れた木の枝の下敷きになってしまい、動けなくなっていた。
「モコ、大丈夫!?」
「ぴょ、ぴょん……」
レオンはすぐに枝を持ち上げ、モコを助け出した。
「よかった、無事だね」
モコは涙目でレオンにしがみついた。
「一人にしてごめんね。でも、みんながいるから大丈夫だよ」
フェンリルとほかのもふもふたちもモコを囲み、安堵の声を上げる。
「これからは気をつけるんだぞ、モコ」
「ぴょん!」
こうして、モコは無事に戻り、レオンたちの絆はさらに深まった。




