第一章 森の中の出会い
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深い森の奥、ひんやりとした空気の中に、小さな少年が座り込んでいた。ぼろぼろの服を纏い、痩せ細った身体を抱きしめるようにして縮こまっている。名前はレオン。人間の村から捨てられ、この森に迷い込んだ。
「……お腹、すいた……」
独り言のように呟いたレオンの声は、すぐに木々の間に吸い込まれていった。しばらくすると、どこからかふわりとした気配が近づいてくる。
「くぅん?」
ふわふわの白い毛並みを持つ大きな狼が、レオンの目の前に現れた。金色の瞳が優しく揺れ、レオンをじっと見つめている。
「……おおかみ?」
「くぅん!」
その瞬間、レオンの横から別のもふもふが飛び出してきた。今度は、耳の長いふさふさのうさぎ。そして、もこもこの猫、ふわふわの狐、まんまるのハリネズミまでが次々と現れる。
「え、なにこれ……?」
レオンは目を丸くする。すると、白狼がぺたりとレオンの隣に座り、そっと頭を擦り寄せた。
「お前、ひとりなのか?」
「……しゃべった!?」
「当然だ。我は聖獣だぞ」
白狼――その名をフェンリルと言った――は、レオンをじっと見つめる。そして、ふんわりと微笑むように言った。
「お前はもう独りじゃない。我らが共にいる」
こうして、レオンともふもふたちの旅が始まった。