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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ただ、違っただけ…。

作者: 沖田 楽十

「せんせぇ! “正しい”とはなんですか? 」



 たずねる生徒に、私はなんって答えればイイのか悩んだ。【正しい】は、他人ひとによって違うと考えているから…。



「そうだなぁ……。例えば、“これは間違ってる”と思うもの以外で、自分が責任を取れるものだと思うなら、正しいんじゃないのかなぁ? 」



 われながら、イイ回答だったのではないかと思う。【正解】は、ぐにわかるものもあれば、時間がってから判る事もある。かと言って、曖昧あいまいな回答も違う気がするから、自分なりの“答え”をつたえると、生徒はしばし考える素振りを見せて、


「まぁ、そう答えるのが無難ぶなんだよね」

 と言った。


 それに私が呆気あっけに取られていると、生徒は話を続ける。



「せんせぇ。人間はね、生きてるんだよ。時間は無限じゃなくて有限なの。つまり、選択の連続なんだよ」


「えっ……あっ……うっ…、うん…」


「つまり、【正しい】をえらそこねる事だってあるわけで……。ソレを、自分なりの【正しい】に持っていかなきゃならなくなる」


「そっ…そう、だね……」


「責任が取れる如何どうこうとかいってたら、行動出来ない事が多いわ! 責任なんか、いちいち取っていられないわよっ!!! 」


「………」



 私はある事に気が付き、黙った。それに生徒は満足した様子で、私の前から立ち去っていく。


 ーー会話が成立しない…


 色んな人がいるから、考え方が違って当たり前。わかってる。解ってるケド……こんなに、自分の意見をこうから否定されると、流石さすがへこむ。

 責任が取れる事を大前提にしてたら行動出来ない事が多くなるって意見は確かにそうなのだが、後先考えずの選択(ゆえ)に後悔はしたくないのだ。だから、後悔しても“自分が責任取れる”選択をしたい。


 ーーあの子とは、あまり関わりたくないなぁ…


 職業的に、エコ贔屓ひいきは駄目だが、必要最低限の距離感はたもちたいと思った。気が合わないとか、そーゆうのじゃなく、もっとこう……いや、めとこう。

 ただ、価値観が違っただけ。違っただけ、なんだから…。











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