〜平民、貴族、王族関係無い。相談したいことがあるなら話に来い〜
正直なところ、俺自身この仕事をやりたかったのかと問われればそうでもない。
誰が好き好んで他人に時間を使いたいと思うものか…
…だが、生きていく関係上、金は必須のものだ。
それは、放浪者である俺も例外じゃ無い。
飲み食いするにも、どこかに泊まるにも金金金金…
…
…いやまぁ…慈善事業じゃ無いからな…
…これは仕方がないことなのはわかっている…
だけど、どこかで働くというのも無いと思った。
なぜなら、“そんな不自由が嫌”で放浪者になったようなもんだからな…
でも、金が必要なのは事実…
必要なら稼ぐしかない…だが、俺にも譲れないものがある…
そこで考えた結果が、この相談屋で金を稼げばいいって考えな訳だっ!
…
…ん…
仕事舐めるな?
そんなの開いたって誰も来ねーよって?
いいんだよそれで…変に人が来て人気とかになると、逆にやめづらくなんだろ?
人に関しては…まぁ何とかな…
…こう見えても、俺色々と顔は広いんだ。
「……」
“ガサっ…”
外からそんな音が聞こえた。
どうやらお客さんが来たようだ。
そして、ゆっくり中に入ってくるお客さんに向けて俺はこういう。
「ようこそ、無関係の相談屋へ。ここでは身分、立場、事情は関係ない…とりあえず、そんなの気にせずに話せるなら…相談にはのるぜ?」