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対米工作


退院して一週間も過ぎた頃には、赤坂宮の外見が目立って変わってきた。それまでの鬼気迫る表情が消え、頬に肉が付き。血色も良くなり会う人間が感じる威圧感もかなり小さくなっていた。

倒れた理由を正しく理解している者はほとんどいなかったが、大半は過労という理由をそのまま受け入れられる結果だったと言えよう。

組織らしい組織にしていなかった幕府が赤坂宮がいない状態で機能するのかは赤坂宮本人にもよく分からなかったが、結果から言えば問題は何も無かった。

ほとんどのことは始終赤坂宮に付き従っていた瀬島が知っていたからである。言わば将軍の側用人としてちゃんと機能したわけだ。赤坂宮にはそんな意図はまるっきり無かったのだが。偶然置かれた立場が人を育てた例であろう。

逆に言うと瀬島は、与えられた環境に順応し、見事に適応できることを証明して見せたとも言えた。かつての秀吉や光秀のようにもう手元に置く段階は過ぎたと判断した赤坂宮は瀬島を外に出すことに決めた。

ちょうどその頃、オーストラリアにいるジューコフの元へ樺太に集められていたおよそ一万人にも及ぶ元の政治犯達が次々と到着していた。

そしてジューコフには連邦政府に彼らを政治難民として亡命を受け入れるように申し入れをさせたのである。

頑なに白豪主義を掲げる連邦政府は、日本人に対しては滞在ビザまでは出しても移民として受け入れる姿勢は崩していなかったが、こちらを拒む法的な根拠は全く無かった。なにしろ全員コーカサシアンであり、ボルシェビキからの迫害を逃れてきたことは間違いないのである。

これがニュースとしてオーストラリアで流されると、果たしてオーストラリアの世論は、移民受け入れに対する賛成一色になった。

ライオンズ首相も議会で拒む理由はどこにも無いと表明し、彼らがオーストラリア市民として認められることはすぐに決まった。

かくてジューコフは、元同胞の労働力を大量に獲得できたのである。

パースの町はさらに拡大され、製鉄所や関連施設の建設ピッチは上がった。

港もさらに拡大され、常に日本との間を結ぶ客船、輸送船、そして日本の遣外軍の艦船で賑わうことになった。最近ではさらにそれに加えて、イギリスへ鉄を運ぶ船、イランから原油を運ぶタンカーまでもがパースに来ていた。

その頃、モスクワのすぐ西では独ソの戦線が両軍とも多大な損害を出しながらの膠着状態を続けていた。新造された戦車が揃い、指揮が一新されたソ連軍はもはや逃げ回るだけの存在では無くなっていた。ドイツ軍は至るところで完全に前進を阻まれた。しかしそれでも後方からの物資は届いており、簡単に敗走するほど弱体化もしていなかった。

春の訪れとともに天候が回復する日が増えると両軍ともに攻勢をかけるのだが、結局双方とも戦力を削るだけで前線を動かせないという状態が続いた。

ようやくソ連側の航空兵力がドイツに対抗できる状態になると、前線部隊の直接被害以上に補給線そのものが狙われてドイツ軍の物資不足がまた深刻化していった。

戦力の削り合いは同程度だったはずなのだが、補給に優るソ連軍が徐々に戦力を大きくしていったのである。

ドイツ軍が攻勢に出る回数よりもソ連軍が攻勢に出る回数の方が増え始めていた。

ドイツ軍はまともに攻勢をかけようにもそれに必要な戦力をかき集められないのである。

ドイツ本国では前線からの膨大な数の兵器生産要求に困惑していた。工場を拡張でもしない限り必要な数は揃えられないのである。一方、イギリス空軍の空襲は一向に止まず、既存工場の百パーセント稼働も難しくなっていた。

そこで既存の兵器を大量に作るのではなく、数が少なくても敵を圧倒できる超兵器とも言える新兵器開発に鞭が入れられることになった。量では無く質で相手を圧倒しようと言うのである。

ヒトラーはこの時点で既にスターリンの量に勝てなくなっていたのである。

いまや人員、兵器数量、燃料、食料、すべての面でソ連側がドイツ側の量を圧倒し始めていた。

両軍とも多大な損害を出し続けながら、どちらがそれを上回る回復力を見せつけられるか、という勝負になっていたのである。

その姿は蒋介石に巧妙に誘い込まれた中国大陸での日本軍に近い。

戦略的に言えば、かのモルトケ伯の言う絶対にやってはいけないとされた「同時に二正面で敵を迎え撃たない」をやらかしてしまったドイツの失敗であり、巧妙にそれを避けたスターリンの成功だった。

見かけ上動いていなかったのは独ソの最前線の位置だけだったのである。

そして戦線が動かない限り、この現象は世界の誰にも観測されず、事実として認められないものだった。従って当事者の独ソ両軍の指揮官も、ヒトラーもスターリンも、そしてチャーチルもルーズベルトも赤坂宮にもまだ事実としては認識していなかったのである。

赤坂宮は単純に確信していただけだった。

一進一退は、決して力が互角だとか、戦力が拮抗しているとかを表す言葉ではないのだ。

とにかく一見するといつもと同じ状態が続く世界だったが、常に次を見据えて動く赤坂宮がじっとしているわけはなかった。

東条首相を自室に迎え、アメリカについての報告を聞いていたのである。

同席を許しているのはいつも通り瀬島だけだ。

「ワシントンからの報告がまいりました」

「野村大使がハル国務長官と交渉をしているんだったか……。その報告は外交電なのか」

「さようですが、何か?」

「うむ、さぞかし高度な暗号が施されてはいるのだろうが、どうやらアメリカ側には筒抜けらしいよ、その暗号は。うちのスタッフがそんなことを言ってる。外務省が何かを指令するとすぐアメリカ軍やアメリカ大使館からも一斉に何某かの発信がなされるそうだ」

「そんな、では早速暗号を変えて……」

「いや、そんな余計な手間はかけんでいい。バレてると我々が認識していれば大事はない。そうだな、いっそのこと、平文のまま打電したらどうだ? 反応が面白そうだ」

「それは、いくらなんでも……。現場の規則やら士気やらにもいろいろと良からぬ影響が……」

「うむ。確かに首相の言う通りだ。それに平文使えば相手もかえって警戒するか。ま、当面はこのままでいいよ、本当に大事なことができたら使者を立てるまでだし、こちらの大事を世界中の大使に知らせる必要は元々大してない。軍の方もたぶん読まれているんだろうが、今は戦争をやっているわけでもない。それで何と言ってきた?」

「くず鉄と石油をもっと買え、ということのようです」

「ほう、ずいぶんとまた商売を前面に出してきたものだな。そんなに困ってるのか?」

「野村大使の説明では鉄と石油の相場がかなり軟調で関連企業が人員整理、失業が問題になっているとか。それで合衆国政府も無視しえなくなったということのようです」

「瀬島、アメリカの、一番鉄に大きく依存している町はどこだ?」

赤坂宮は東条の後ろに控えていた瀬島に突然言葉をかけた。

「は、はい。おそらくピッツバーグではないかと」

「ピッツバーグか、どの辺りになる?」

「ペンシルバニア州ですから、五大湖地方とニューヨークの中間辺りになります」

「アメリカの工業と商業の中間地点か。なるほどな。それから石油の方は?」

「油田はかなり広範囲になるので特定の町というふうにはなかなか結びつきませんが、油井が多いのはテキサス、ルイジアナ、ミシシッピというメキシコ湾岸に沿った南部州です。町ということになるとダラス、ヒューストンやニューオリンズ辺りではないかと」

「なるほど、それは面白いな。よりによって南部なのか……」

東条首相は突然始まった赤坂宮と瀬島のやりとりについていけず、暫く赤坂宮の様子を伺っていた。

「交渉はいかがします」

「安く売ってくれるのなら買おうじゃないか。全く問題はないよ。この条約について僕の方では一切異論は差し挟まないから、君の政府のところでうまくまとめてやってくれ」

「は、確かに承りました。他に何かありますか。アメリカ側への要求などで」

「いや、今のところは何もない。もともと向こうが勝手に仕掛けて来たことだからね。アメリカの主要都市での民衆の動きはそうだな、一日一回ぐらい入れて欲しい」

「民衆の動き? 政府ではなくてですか?」

「うん、こちらが知りたいのはルーズベルトが選挙で気にする有権者の動向なんだよ」

「わかりました。在米公館に注意を払うよう通達を出させましょう。それでは私はこれにて失礼いたします」

東条首相は一礼すると部屋を辞していった。

「瀬島よ」

「はい、何か御用でしょうか」

「うむ、お前はアメリカに行け」

「アメリカですか? そこで何を」

「決まっている。ルーズベルトを倒す。それにはアメリカの国民を味方につけなければならない。軍事力よりもそっちの方が大きい。それでだ、まずジューコフの元へいけ。そこで必要な手足を調達しろ。あまり大人数だとかえって社会の目を集めすぎて動きづらいだろうからせいぜい二十人もいればいいだろう。ポイントはお前以外は全員白人にしておくことだな。有色人種の仲間はアメリカで調達したらいい。お前自身も英語を鍛える必要もあるだろう。アメリカ行きは半年後ぐらいかな。どうだ? やれるか?」

「天地神明に誓って」

「そんな空約束はやめておけ。失敗の元だ。いいか、今回は特に地味な活動が重要なんだ。決して功を焦るな。むしろ恥を掻きさらす覚悟をしておけ」

「は、はい。わかりました、殿下」

「うむ。で、早速だが、その軍服も大尉の肩章のことも忘れろよ。以後は軍属ではなく文民としてふるまえ。いいな」

「かしこまりました。あの、これはスパイをやれ、ということなんでしょうか?」

「スパイか、似てはいるがちょっと違う。お前は日本のために働くのでは無くアメリカ人のために働け。それが必ず日本のためになる」

「アメリカ人のため? ですか? は、はい……」

「とにかくまずジューコフのところでいろいろ勉強してこい。私がこんなことを言っていたと話せばジューコフなら意味は分かるはずだ。その後のことはまた別に誰かを報せに出す」

「報せですか? 手紙や電報ではなく?」

「ああ、これこそ極秘中の極秘だからな。誰かの目に絶対触れないのは頭の中の記憶だけだ。それからこれはお前以外のスタッフへの新たな課題として皆に伝えて置いてくれ。次のアメリカ大統領選挙で誰が勝つのかその行方を知りたいとな」

「大統領選挙、というと共和、民主両党の大統領候補選を探れということですか?」

「ああ、その通りだ。いいか、あの国の民主主義は我が国とは全く違う。先に国ありきという考え方は全く無い。つまりアメリカは選挙次第でどうにでも変わる国なんだ。だとすると今の指導者が何者か以前に、常にあの国の有権者の関心がどこに向いているか、何を気にするかを分かっていればな、こちらにとって都合のいい政権に仕立て上げることも可能だということだ。こっちの方が軍事的冒険よりもはるかに危険もすくない。それに食料でも石油でも鉄でも金でも何でも持ってる国だからなアメリカは。正攻法で攻めるのは愚の骨頂なんだよ」

「なるほど。確かに。では、ルーズベルトを倒すとおっしゃったのは、ルーズベルトを大統領職から外すということですか?」

「ま、それが一番控え目な目標だな」

「控え目な目標? それでは理想はもっと大きいと?」

「アメリカの世論に介入できるのは我が国だけじゃない。そもそも移民の作った国だ。元の国と繋がることは大きい。つまり我が国がいかに努力をしても思い通りにならないアメリカ政府という場合も当然ある。この場合、問題なのは政権が反日的、排日的であることじゃないんだ」

「は? 反日的政府でも構わないんですか?」

「ああ、問題なのは、我が国にどうしても必要な資源を全部アメリカが持っていて、日本は彼らに依存しないといけないということだ。そんな重要な資源の供給が全部合衆国大統領個人の思いのままになる。このことがまずいんだよ。つまり日本にとっての理想は、それらが分散してくれた方がいいというわけだ。鉄と石油、そして食料、この三つがバラバラになるだけでもかなり違う。金はあった方がいいが無くてもなんとかなる」

「ということはつまり……」

「アメリカの解体は無理でも、二つか三つに分裂させられたらいいだろうな。できればそのうちの一つは満州国みたいにしたいところだな。満州国の計画は実にうまくできている。よく考えたもんだよ。中国の最後の王朝の末裔を国王に据えた辺り配役も完璧だ。まあ別に日本の属国にしたいというわけじゃない。日本にとってずっと友人と呼べそうな国になってくれるだけでもいい。とにかくアメリカ大統領がどんなに反日的な人物になっても安心していられるような、別の権力で動く独立国にしたい。そういう意味では共和制ではなく君主がいる立憲君主制の方がいいな。外国の扇動で揺れ動く世論を気にせずに長いつきあいがしやすい」

「そんなこと、可能なんでしょうか?」

「それをどうやったらやれるかを考えるのが君の仕事だ」


赤坂離宮を出た瀬島は、そのまま京都へと向かった。

赤坂宮の話を聞かされ、どうしても会いたくなった人物がいたのである。

目指す相手は立命館大学で講師をやっていると聞いていた。

元関東軍参謀長石原莞爾。満州国を作った立役者である。陸大での学生時代、何度か話を聞く機会はあった。どこか赤坂宮に似て、他の軍人とは明らかに毛色の違う人物だという印象を持った。本来なら今頃幕府スタッフに入っているべき人間だと個人的には考えていた。

そうならなかったは、陸軍内部の派閥争いにある。いろいろあってこの異色の人物は長いものには巻かれないのである。それが主流派から反感を買った。もっとも当の本人はそんな批判など一向に意に介さず、かえってボロクソに主流派をけなしたのである。

そしてもっともけなされたのは、東条であり、板垣だったのである。特に東条は石原を蛇蝎の如く嫌っていることはかなり有名だった。政府に近いところに居場所が確保できるわけが無かった。

もし赤坂宮が板垣や東条を呼びつけ、中国戦線での蒋介石との戦争について、無能な作戦指揮と罵倒したことを瀬島が知っていたら、石原のことをもっと高く評価していたかもしれない。が、瀬島はそのことを知らず、単に政治的な識見が違う程度の反目と理解していたのである。

こうしてあからさまな報復人事で石原は中央から遠ざけられ、そして退役となった。が、満州国は言わば石原個人の作品であり、その才能を高く評価する声は至るところにあったのである。

赤坂宮がどこで満州国の建国ストーリーを聞いたのかは知らないが、いろいろと批判の元になっていても赤坂宮の目からは何かが見えたのだろう。赤坂宮が日本軍が過去実施した作戦についてあれだけ手放しで高く評価したのを見たのは初めてだったのである。

普通は日露戦争の日本海海戦や旅順攻撃作戦などほぼ万人が高く評価していたものでも、一向に感心した様子は示さない。反論や意見も言わなかったが、態度や物腰は明らかに平凡な作戦指導だと見下しているように見えたのである。

だから自分の中ではグレーに区分していた満州国建国作戦の立案者、石原莞爾の評価を見直したのだ。それに現役の頃は、近寄るだけでも多方面からいらぬ詮索を受ける恐れがあったが、退役した後なら、そういう気遣いもいらないだろうという気楽さが生まれたことも大きかった。

夜行に乗り翌朝京都駅に着くと駅近くで朝飯を食べ、まっすぐ立命館大学へとタクシーを走らせた。

別に平日なら間違いなく講義をやっているはずだから慌てる必要は無いのだが、気持ちとして、一刻も早く石原に会いたかったのである。

教務課の窓口で身分を伝え、石原の出勤状況を確認した。

「お待たせしました。石原先生は現在講義中です。午前中一杯の枠ですからお昼まで面会は難しいと思います」

「午後も講義ですか?」

「いえ、今日は午前中だけです」

「そうですか。昼までまだ一時間以上あるんですね。あの、その石原先生の講義、教室の後ろで聞かせてもらいながら待たせてもらうわけにはいきませんか?」

「規則上はまずいんですけど、まあ、幕府の方ですから、そういうわけにもいきまへんな。見逃しますよって、勝手に潜り込んでください。自己責任ってこって」

「場所は?」「三号館の二〇二教室ですな。そこを出て右に行った、左手の二番目の建物が三号館となっとりやす」

「あの、その講義はどういう内容なんですか?」

「授業のタイトルは、あ、これこれ、帝国の加工貿易の展望ですな。元軍人さんやから、こう戦争の話なんかと思ったら、この先生は経済のご専門みたいな、そんな講義ばっかりのようでんな。軍人さんにもいろいろいらはるようで」

教えてもらった教室を確かめ、一番後ろのドアを少し開け、中の様子を伺ってみる。予想に反してかなりの学生が集まっているようだ。素早くドアの隙間から中に入り、中腰で頭を低くして手近な角の席に座った。

角刈りにラフなシャツと短パン姿。十二月という季節感が全く無い、もう変なおじさん一歩手前の男が演壇の中央で声を張り上げている。

「……である。この粗鋼生産というのは、いろいろ調べてみると、その国の強さの指標となっていると言っていい。まあ統計データだけの話で具体的な因果関係がはっきりしているわけではないが、年間の粗鋼生産が一億トンを超えるか下回るかで世界の中での位置が決まる。ま、これぐらいは言ってもいいんじゃないかな。まあ鉄というのは地球上至るところに割と良くある金属で珍しくもなんともないもので、そういう意味から言うと我が国は非常に珍しい国ということになる。鉄鉱石が非常に少ないんだ。従って、我が国が世界の国と互していくためにはどうやってこの鉄鉱石を確保するかが、重要になるというわけだ。もっとも鉄鉱石だけあってもそれを粗鋼にするためには高い温度にしなけりゃならん。安い石炭、石油、そういうものが無いとダメということだな。クルマでも建物でも、日用品でも現代の文明というのは鉄が無いことには話にならん。電気モーターもエンジンも鉄があったから作れたんだからな。我が国は満州を抑え鉄資源を抑えたが、まだまだ粗鋼生産は全然伸びていないのはこういうこともあるからだ。故に足りない分はアメリカからくず鉄の輸入などをして凌いでおったのじゃが、これが最近止められてしもうた。要は我が国はアメリカとはとても戦える立場にはない。口でアメリカの排日運動を非難するのは簡単じゃが、本質から言えば争える相手ではない……」

瀬島は耳に届く石原の説明が、赤坂宮の認識と見事に符合していることに驚いていた。

軍人はこういうところから戦略を考えるのかと改めて自らの戦術や戦略理解の浅さを思い知ったのである。

それにしても退役した身とは言え、これだけ政府批判的な講義が良くやれるなと、気になり講堂の中をそれとなく見回してみる。

いた。

鳥打ち帽を深く被ったいかにもそれらしい二人組の男が奥に見えた。特高、特別高等警察か、なにかだろう。が、彼らの存在を他の学生は誰も気にしている様子は無く、皆熱心に石原の話に聞き入っていた。

結局、講義が終わるまで何事も起こらず、盛大な拍手で講義は終わった。

黒板に残っていたメモ書きを消し、講義資料を揃えていた壇上の石原の元へとすかさず瀬島は近づいた。

「石原閣下、お久しぶりでございます」

「はて、君はどこで会ったかな。どうも最近は人の名前が思い出せん」

「陸大でお話を伺いました、瀬島と申します」

「瀬島? 確か参謀本部へ行った主席の学生の名が瀬島だったか」

「は、その瀬島であります」

「そんなところに行った人間が今頃こんなところで何をしておる?」

「は、今日は閣下のお話を伺いたいと思いまして東京よりまいりました。あの、よろしければお時間を頂けないでしょうか?」

最初、石原は瀬島のことをどこか不審そうな目で見ていたが、講堂の後ろに居た例の鳥打ち帽の二人組がドアから外へ出て行くのを見定めてから返事をした。

「どうやらあっち方面とは無関係のようだな」

「特高ですか? なんで閣下を」

「心当たりならありすぎるほどあるがな。いろいろと本で書いたからそっち方面だろ。しかし妙だな」

「何がです?」

「うん、首相が東条になってからうるさいことを言わんようになった。近衛首相の時は、講義中に、講義中止だって騒がれてかなり苦労したんだが、最近はああやって黙って見てるだけ。すっかりおとなしくなった」

「そうですか。それは良かった」

「うん? 君には事情に心当たりがあるようだな。うん、面白そうだ。話相手になろうじゃないか。君、昼飯は?」

「いえ、まだ」

「じゃあ、メシを食いに行こう。話はそれからだ」

石原は瀬島を連れ、大学を出た。私鉄の駅に向かう通り沿いには商店が建ち並ぶ一画があり、どうやらそこの大衆食堂に行くつもりらしい。

「君は支那そばは好きか」

「あまり食べたことはありませんが、嫌いではないと思います」

「なら、それでいこう。わしは最近ちょっと凝ってる」

瀬島は日本本土であまり軒数の多くない支那そば屋に入ったことは一度しか無かった。満州の新京で食べたものはきっと支那そばのカテゴリーには入らなかったはずだ……。

幸いなことに大陸で食べたものよりはずっと日本人向けの優しい味になっていた支那そばで腹を膨らました後、二人はようやく話を始めた。

「君は参謀本部にいるのかね」

「いえ、それが配属直前にさらわれまして」

「ほう、さらわれた? 陸軍の中枢から人を掠えるとなると、例の幕府かね。大本営の替わりと言う」

「はい、そうです」

「それは面白いところに行ったな。で、君はそこで軍服も着ないで仕事をしているのか」

「いえ、実は昨日までは軍服を着ていたのですが、脱ぐように命令を受けまして」

「ほう、そんな命令を? それは征夷大将軍ってお人からなのか?」

「その通りです」

「大本営が消えてからすっかり軍のことも政府のこともわからんようになった。が、以前の勇ましい勢いが無くなったのと同時になにやら日本全体が落ち着いた感じがする。これは情報を隠蔽しているということなのか?」

「いえ、そのようなことは。ただ、以前と違って殿下が、軍の功績を安易に広めるなと厳命されまして」

「なにっ、それはどういうことだ」

「つまり軍人の忠誠心や気概が高まるのは悪いことではないが、功を焦って国の道筋を危うくする人間が沢山出る危険があると。必要な時に活躍すればそれでいいからと。臣民の生活に影響が及ぶ話ならどんどん知らせるが、影響が無い話なら軍人の話を広めて軍人がむやみに崇めたり奉られたりされないように気をつけろ、と。だいたいこんな感じです」

「面白い。いやそれはすごい。気に入った。それにしてもよく板垣や東条が黙ってそれを飲んだな。で、中国の日本軍はどうなったんだ?」

「ああ、それでしたら。詳しい事情は知りませんが、ある日を境に陸相も参謀総長も借りてきた猫のように殿下に従順になられまして。それで殿下の決定で中国に越境していた部隊はすべて撤収させました。その撤収指揮も板垣閣下、東条閣下が直々に行ったのです」

「なに、彼ら自身が納得してやったのか。信じられん」

「しかし事実です」

「これは驚いた。あの分からず屋どもが素直に自説を撤回したなどとは。あいつらはバカだが、少なくとも軍事理論を語らせたらあれをなかなか黙らせられる人間はいないと思うが。その殿下というのは、いったいどういう人なんじゃ?」

「私にも、いや誰に聞いても本当のところはご存じないようです。宮内庁の公式資料には簡単に孝明帝のご子息、つまり隠し子ということでしょうね、で明治帝とは異母兄弟に当たる方だという説明があるようですけど」

「はて、その話、つい最近、どこかで聞いたな。そうだ、京都帝大の学生がそんな話をしていた。三年ほど前、帝大の教授陣が公家さんの面倒をみなきゃいけないとかでまるまる一ヶ月の間、学生ほったらかしでその公家さんの面倒を見させられたとか。孝明帝の縁者と言うような話がそこに確かあったと思う。明治帝の異母兄弟という話は初耳だが。しかしいや待て、仮に同一人物だとしても解せぬのう」

「何がです?」

「いやその学生の話ではな、今まで山奥の祠で一人修行を続けていたので世事にはまったくうとかったという話で、世の中のことを本当に何も知らんかったらしい。誕生日を祝う習慣も、電灯も、鉄道も、江戸幕府とか日露戦争などの日本の歴史も、、ラジオもいやそれどころか、電気のスイッチのオンオフも分からなかったそうだ。ただその割に妙に物覚えは良くてあっと言う間にそれをまるまる覚えてしまう、妙な才能を持っていて、それで教授陣には好評だったらしい。世の中にはおかしな人間がいるもんだと、帝大の方では今でも語り草になっているという話だった。ま、いくらなんでも、これは全く別な人物のことなんだろうな。すまん、今のは忘れてくれ。それで、中国から軍を引き揚げたらいろいろと困ったんじゃないのか、鉄は満州ではまだほとんど生産できていなかったはずだが。中国の鉄は抑えたかったはずだろう」

「それも殿下の意向で西オーストラリアの鉄鉱床のすぐ近くに新たに製鉄工場を作る話をイギリス、オーストラリアと進めまして、このほど稼働開始したばかりです。ですから鉱物関係ではかなり安泰となりました」

「ほう、そうか。わしが参謀本部に居た頃とはもうだいぶ世の中変わってしまったんだな。それも話を聞いている限り、いい方向で。で、ドイツと結んだ三国同盟は生きているんだろ、それでよくイギリスが納得したもんだな」

「はあ、当初三国同盟が締結された直後、殿下はすぐ対英宣戦布告しろ、と言い出してまわりが慌てました」

「対英か? 対米ではなく?」

「それなら三国同盟をやった意味がある、とそう申されまして。が、まわりがいろいろとイギリスと日本との関係を説明した結果対英宣戦布告は取り下げられました。で、たぶんこの時に、三国同盟を空手形にするとお決めになられたのではないかと思います」

「最初からイギリスかドイツかの二択と考えておったということか、相当に厳しい考え方だな。なんだ、それじゃ松岡が吹聴していたような四カ国同盟話は全然一顧だにされていなかったと言っているようなもんじゃないか。文字通りピエロだな。するとドイツがソ連に攻め込んだからと言って日本がソ連に攻め込むということはないのか」

「おっしゃる通りです。ソ連をむしろイギリス並みに扱っています。公表はしていませんがソ連にはかなり援助もしているのですよ。イギリスからの依頼もあって。それに先だって近衛首相に首相を辞めるように説得した時には、ドイツは独ソ戦で致命的な失敗を犯した、よってソ連には勝てないから三国同盟は切り捨てる、とはっきりおっしゃられておりました」

「これは驚いた。知らぬは日本人ばかりなりか。しかし、全然間違っちゃいない。では対米関係は? 日独伊三国同盟と英仏の対ドイツ宣戦布告の時にアメリカからくず鉄の対日禁輸をくらったはずだが、それは変わらないのか?」

「ええ、アメリカに関しては驚くほど何も無かったですね。とくに交渉をしようともちかけたわけでもなく、抗議すると言ったわけでもなく何もしていなかったのです。ところが先週、東条首相のところに陛下宛の親書がルーズベルトから届いたようですよ。貿易協定を結ぼうという提案が書かれていたそうです。昨日、殿下が裁可されたので、今日あたり政府が発表すると思いますが」

「すごいな。その殿下のおかげで日本の国際社会での立場はすっかり様変わりしているじゃないか。しかしだとすると、お前さんがいまさらこんな老いぼれの話を聞きたいなどと言ってくるのがおかしいということになる」

「いや理由はあります。殿下が閣下のことを高く評価されていたからです」

「わしを? はて一度も面識はないはずだが」

「正確に言えば高く評価したのは、閣下ではなく閣下の作られた作戦ですね、満州国の建国プランですよ。誰が殿下に進講したのかは知りませんが、戦略として非常によくできていると絶賛されておられました」

「また古い話を持ち出したものだな」

「いやほんの数年前です」

「しかし他にもあるんだろう。絶賛した作戦なら」

「いえ、殿下が褒めたのを見たのはこれだけです。日中戦争についてはボロカスですね。日本海海戦も旅順攻略も全然話にならないみたいな感じの中で唯一満州国建国だけは見事だと言われてました」

「まあお世辞でも嬉しいがな。いったいどの辺りが?」

「詳しくは聞けなかったのですが、宣統帝溥儀を君主としたところを挙げていたのは耳にしました」

「なるほど。そういうことか。殿下というのは本当に日本人なのか疑わしくなるな。そういう見識を持っているとなると」

「日本人かどうかが疑わしい?」

「ああ、日本人は自分たちの目線から離れることが下手だ。外からどう見えるか、どんな印象になるかを想像するのが下手なんだよ。西洋人はディベートってのをやるだろ。あれは自分の信念とは真逆の立場でも論戦で相手をやっつけるゲームだからな、それをやりなれているから敵対する立場を考える訓練がよくできているんだ。日本人にはなかなかできない。板垣や東条なんか、ある意味典型的な日本人だ。まっすぐで裏表が無くて相手に腹を隠そうとしない。本心に素直すぎる行動をするから相手から読みやすいし、自分の理想を素直に現実の計画に落とし込む。だからいつも裏を掻かれる。蒋介石はさぞかし日本軍を相手にして楽しかっただろうよ。勝った勝ったと有頂天になった敵を広い大陸中あっちこっちと引きずり回していたんだから。膨大な資源を浪費させてな。世界の相手というのはみんな蒋介石みたいな連中だ。要は欺瞞だらけだ。表看板に書いてある通りに物事を進めている国なんかはほとんどない。局面局面でもっとも都合のいい大義名分を使っているだけだ。宣統帝溥儀はそういう存在なんだよ。満州国は事実上日本の軍隊が作り管理し守っている日本の属国だ。が、それを表に出すと侵略そのものになる。世界ってのはそういうゲーム盤みたいなもんだ。それは禁じ手だってな。禁じ手を冒せば制裁が待っているだけだ。本質がどうこうとか、理想社会はこうあるべきだ、なんてことは全く関係がないんだよ。元々満州の地は遊牧民の放牧場のような場所で定住民はほとんどいなかった。だから侵略という概念にそぐわない土地だったのだが、いくらそうは言っても日本が日本人のトップの国を造ったら、それは確実に侵略認定される。元の土地がどうであったとか、そんな説明で世界は納得するわけがない。だから大義名分を用意したのさ。君主を日本人ではないということにすると、表だった非難はできなくなるからな。宣統帝は滅亡していなければ清朝の皇帝であり、その清は元々満州辺りにいた遊牧民が中国に侵入して打ち立てた王朝だ。故地に王朝を立てたなら、誰も文句は言えない。つまり体裁が整うわけだ。世界からのツッコミどころはほとんど無かった。我ながらいい人選ができたと自負しているよ。むしろハワイ王朝を滅ぼして保護国にしてしまったアメリカの方が言い逃れができないくらい侵略的だろ。運河が欲しくて侵略したパナマや邪魔なスペインを追い出して分捕ったフィリピンの方じゃ、アメリカもだいぶ賢くなって、直轄領にはせずに、傀儡政権を作るやり方、満州国のマネをするようになったわけだが。それにしたって大義名分はイマイチだがな」

「ああ、そうだったのですか。今、閣下のお話を聞いて一つ理解できたことがあります。実は件のオーストラリアの製鉄所作りの日本代表チームのトップは帰順したソ連、いやロシア人なんです。なんで日本の代表なのに、そんな人物をわざわざ使うのだろうと不思議だったのですよ」

「なるほど、どうやら満州国建国プランをパクられたようだな。しかし、それはアングロサクソンからすると痛いところを突かれた感じだな」

「そんなにですか?」

「日本人を目の敵にする、という場合、連中が一番結束しやすいのは、人種が違うということだ。明治以来、これで日本は苦労してきた。ま、やむを得ん話ではある」

「そうか、白人が日本代表となると、彼らの結束が乱れるということですか」

「たぶんな。しかしよくそんなことまで頭が回るもんだ」

「自分は殿下からルーズベルトを倒す算段をつけろと言われております」

「なるほど。アメリカではなくルーズベルトと言ったか。まるで戦国武将だな、発想が」

「閣下もそう思われますか? 実は自分も殿下が時折り信長のように思えてならないのです。あまりにもいろいろとやることや考え方が似ているなと思うことが多くて」

「殿下は信長の生まれ変わりか。もしホントだったら面白いな。それでルーズベルトか。なるほど、そう繋がるのか」

「あの、何か分かったんですか? どうして信長とルーズベルトの話が繋がるんですか?」

「なんじゃ、お前さん、こっちには気がついておらんのか」

「え、ええ、残念ながら」

「信長はな、他の戦国大名のやった侵略とはちょっと違う侵略をやっていたとは思わないか?」

「は? 侵略の違いですか? 戦術とか武器とかのこと以外ですよね。侵略そのものの差、ちょっと思いつきません」

「わしが思うには、戦国大名のほとんどは土地は重視しても領民を力の根源として見ておらなんだ。信長は違う。領民を経済力として捉えていた。産出するモノ、人の数、そこで動くカネ、その全てが領土だった。だから侵略をすると言っても、狙いは経済力を組み入れることが目的であって、それが適うのなら敵方のものでもどんどん寝返らせて自分の配下に組み入れていった。その土地の領主を追い出すとか、領民を殺すとか、他の大名が占領地で真っ先にやっていたことはあんまりやっていない。むしろ無駄は避けていた。宗教絡みは例外だな。まあ、宗教が相手ではやむを得なかったのだろう。検地をやり始めたのも信長だ。検地をする、ということはその地主の権利を確定させる作業だからな。むしろ今までのその土地のボスレベルじゃなくて国のトップが直接その土地の権利を認定するんだからな。明らかに領民にとっては利益が大きい。簒奪者は国主に対する謀反人となるからな。だから信長に占領されることが領民に歓迎されたという面もあるんだよ。秀吉は信長のやり方を全国に広めただけだ。信長は領地を部下に分け与えるというのにもあまり積極的ではない。つまり現代風に言えば税収と領国経営は別と分けていたということだ。利休に目利きさせた茶器や茶碗を領土代わりのほうびとして部下に与えたのも、領国経営を簡単に論功報償としてやりとりすることの非合理性に気がついたからだろう。金銭や宝を与えれば配下は納得すると見切った信長は天才だよ。逆に言えば領民さえ手懐けてしまえば領主などどうでもいいと考えていたフシがある。だから信長の敵対者として名を残した大名は皆、領民をかわいがることでは定評のあった大名ばかりだろ。そうじゃない相手は信長と戦う以前に領民から見放されていたのさ。秀吉なんかはさらにそれを発展させたから、鳥取城攻めで領民から米を高額で買い付けなんかやったり、備中高松城攻めで堤防工事でその土地の領民をカネで雇ったりしている。もう戦さの次元が違うんだよ。まず領民を手懐けるのが先で武器を使うのは最後の最後でいいという発想さ。さて、この発想で選挙で大統領を選んでいるアメリカを見たらどうなる?」

「アメリカは鳥取城と同じ、そういうことですか」

「たぶんな。わしが殿下の立場なら、大統領と選挙民の間にくさびををどうやって打ち込むかを考えるところだな。民心の離反をどうやって作るか。ま、大抵はそこに何らかの矛盾とか妥協が山ほどあるはずだから、それをほじくっていくような作業になるだろう」

「ああ、そうだったんですか。なるほど。よくわかりました」

「うん、何がわかったんだね?」

「実は殿下から、お前は日本のために働くという意識を捨ててこれからはアメリカ人のために働くという意識を持て、と言われたんです。それが必ず日本のためになるからと。その意味が閣下のお話を聞いてよくわかりました」

「そんなことまで……。よくそんな戦国大名みたいなのが皇室の一族に隠されていたもんだな。だが安心した」

「はい、何がですか?」

「東条のバカが首相になったと聞いた時には、これは世界相手に大戦争を始めかねないなと正直覚悟していたんだよ。直情型のバカが突っ走ったら先は見えてる。が、上にそんなのがいると分かったら、もう全然心配する必要はないなってね。わしものんびり若い学生に昔の自慢話をしていられるってものだ。ところで君の方の要件はまだ聞いていないと思うが」

「いえ、もう先ほどのお話で伺いたいことはだいたいわかりましたから」

「そうか、あんなので良かったらいつでもまた顔を見せてくれ。君のところのボスは非常に興味深い」

こうして瀬島は石原との会談を終えた。

(一巻完 二巻に続く)

第一巻は、史実の昭和十六年十二月八日、つまり真珠湾攻撃の時点までを扱っています。

ここまでの執筆姿勢としては、できるだけ史実を変えずに、隙間を見つけて信長を割り込ませるというやり方でかなりノンフィクション要素多め、フィクション要素極小という形で書き進めました。

二巻以降は、フィクション要素が大幅に増えていきますのでご期待ください。

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[良い点] めちゃくちゃ面白い。 第一次、第二次世界大戦って学生時代覚えるために習ったが、詳しくどういう流れだったかなんてほとんど覚えていませんでしたが、これを読んで非常に勉強になりました。 [気に…
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