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星降る世界.9

次の日の朝。シロクマたちに防寒具をもらったアストリアたちはぽかぽかで、嬉しくなります。




「ありがとう!でもいいの?」

「いいの。よっぽど寒い時にしか着ないからな」




「あなたたち、そんな薄着じゃ凍死しちまうよ。ははは!」

いや、笑いごとではないんだけどと思いながら、防寒具を着るティシュとテノーペに子供たちか抱きつきます。


「お兄ちゃんもう行っちゃう?」

「うん。ごめんね。また遊ぼうね」

「うん。ばいばい」

「お兄ちゃん、また遊んでくれる?」

「うん。また遊ぼうね」

かわいく見つめて来るので、シロクマの子供たちは寂しいのを我慢してティシュから離れます。

ティシュも、寂しいのを我慢して手を降ります。




「ティシュって、子供に人気なんだね」

テノーペがそれを微笑ましく見てます。



「うん。子供とおじいちゃんおばあちゃんには、人気だよ」

アストリアは、にこにこしながらテノーペに話します。



「でも、女の子にはモテないんだ」

テイシュは苦笑いします。

「自分で言うなよ、ティシュ」

三人は、寂しさを降りきるように笑いながら、道を進んでいきます。


雪はしんしんと降っていましたがすこしづつ強くなっているようです。




凍れる道は、凍り姫の力で雪に埋もれることはありません。



そのかわり、雪は両側の壁に積み重なって高い壁になっています。


しばらく進んでいくと、シロペンギンたちが、立ち尽くしていました。




出会いと別れの繰り返し。

悲しみさえも凍りつくこの世界で、アストリアたちは、なにを心にかんじるのでしょうか?



「かっきごおり~」

「寒いなかで食べるから~」

「美味しいね~ペペン」



ペンギンたちは、かき氷を作って食べていました。

壁の雪を削って、かき氷器でいくつも作って楽しそうです。



「あの美味しそうだね。私にもくれるかな?」

「いやペン」

「えー!?なんで!?」

「だって、凍れる姫をいじめにいくんでしょ?」

「そんなことしないよ!」

「誰が、そんなこと言ったの?」

ティシュとテノーペは馬鹿なと思い否定します。

変な噂が広まっているのかと困ってしまいます。

そんなことする訳がないのに。


ペンギンはつんとしてかき氷を食べるばかり。


「魔女が言ったペン」

ペンギンたちの言い分にティシュはカッとします。

「君たちは、悪口を言う人のことを信じるのかな?」

ティシュの言葉にハッとするペンギンたち。



でも、この人たちは余所者で、流れ星を連れている。

魔女がなんて言ったか思い出しました。



「………あなた流れ星でしょ?」

「う、うん。そうだけど」

テノーペの返答にほらやっぱりと得意気に頷く女ペンギン。


そこで、アストリアはあることに気づきます。



つづく

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