星降る世界.8
そこは、雪景色。どこまでも続く雪の道を三人は歩いて行くのだか滑りやすく転んだりする。
歩きながら周りを見ていると雪だるまだけでなく、シロクマさんや白ペンギンもいて雪を喜んでいた。
「みんな、冷たいの好きだね?」
「アストリアだってかき氷好きだろ?」
「なるほど?」
「んー?かき氷?」
「かき氷は、氷にシロップをかけて食べるんだよ~!ひえひえで美味しいよ~」
かき氷を食べたことのないテノーペにアストリアはにまにまして説明する。
なんだか食べたくなっちゃったとアストリアは思うけど口にしないのは、ティシュに食いしん坊と思われるから。
しばらく歩いていると道の先にシロクマが現れました。
大きくて凄い迫力でもふもふ。そして子供たちを連れている。とても可愛い。
「貴様が、星降る少女か。おいおい。凍れる姫をいじめないだろうな?」
「うわっ!シロクマだよ~!」
「わっ!危ないよ、アストリア!」
「ははは~、アストリアは無邪気だな~」
すごい迫力で凄むシロクマに、ティシュはビビりながら止めるけどアストリアはもふもふしたくて抱きついてる。
テノーペは、呑気にそんなアストリアを眺めている。
「ぼ、ぼくたちがそんな真似をするわけないだろう?」
ティシュが、びびりながら答える。怒らせたら食べられる。
「ちょっと話しをするだけ。ね?」
アストリアのお願いに、シロクマも引き下がることにした。
小さい子を怖がらせてはいけないと思い直したから。
強面だけど子供には優しいのがシロクマだった。
「気をつけていくんだぞ」
シロクマは、道を譲ります。
「わーい!遊んで、遊んで!」
すると、シロクマの子供たちがやってきて、やたらとティシュにじゃれつくので遊んであげます。
「なんで僕だけ」
「いいじゃん。ティシュお兄ちゃんに遊んでもらおうね~」
「「は~い!」」
鬼ごっこや缶けり。雪合戦は、ティシュとテノーペの全敗でした。
雪の道を駆けるシロクマたちにはかないません。
でも、遊びは世界共通……いや、銀河共通で嬉しくもあります。
だって、子供たちは笑顔で楽しんでいるから。
シロクマは、微笑んで見ていました。
「凍れる姫は悪い人じゃないんだよ。みんな、誤解してるんだよ」
「そうなの?なら、尚更お話しするね」
屈託のないアストリアの笑顔を、シロクマは信じてみることにしたよ。
「今夜は遅いから泊まっていくといい」
「わ~い。寝床でみんなでお話ししてね!」
日も暮れて来たので、一晩止めてもらうことになりました。
シロクマの子供たちも嬉しそうでシロクマの親も嬉しそうだ。
たどり着いたそれは、かまくらで出来た大きなお家でした。
「まあまあ、いらっしゃい」
シロクマの奥さんも子供たちを抱きしめたあと、アストリアたちを歓迎して暖かいスープとサラダ。ステーキをだしてくれたので、喜んで食べました。
その後はアストリアの国のことや、テノーペとの出会いを話して上げると、子供たちは、興味津々に聞いています。
夜は、みんなでくっついて眠りました。
シロクマのもふもふさにアストリアは特に満足だ。
夜空では星空が静かに歌い眠りを誘うのでみんなうとうとと眠りの世界へ。
しかし、寝付けないテノーペはこっそり外に出て仲間の無事を祈った。
今はどの辺にいるのだろう。みんな願いを叶えたのかなと。
黙ってることは決して、悪いことではありません。
テノーペは手を差し伸べてくれたアストリアとティシュに話せないことがあった。
夜空の星たちのバラードは、優しくテノーペを癒してくれた。
悲しい気持ちも深い心の底に眠りについたので。
明日また、笑顔になれるために。
同じ星なので、想いを込めて歌います。
つづく