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星降る世界.6

そこは、まっしろな雪の世界。



地面を触ると冷たくて、ひえひえです。


「うーん。冷たい、寒い!」

アストリアは、ティシュと、ドタドタとこの辺を歩き回ります。

アストリアの故郷でも雪は降りますが、久々に見る雪は、珍しいのです。




雪を丸めたのをティシュにぶつけようとして投げたのですが、ティシュが避けて、テノーペに当たり飛び上がります。



「つめた!」


「テノーペ、雪、初めてなの?」


「うん。こんなに冷たいんだね」

テノーペは、星空を流れていたから知らなくて当然です。

白くて冷たい塊。物珍しげに見ています。

丸めてお団子を作ったりします。



「あっちに、家があるよ!」

それは、静かな村で色々な人々が暮らしていました。

古いレンガや、石材で出来た家です。

みんな雪かきして大変そうです。


人間族や亜人。獣人など。アストリアは、わくわくしました。

ファンタジー小説に出て来る人々がいるのだから、心踊ります。



「こ、これは凄い」

ティシュは、おっかなびっくり。初めて見るんだもん。



「世界は、広いなー」

テノーペは、ただただ珍しく辺りをきょろきょろしています。



もちろん、厚着をした村人たちも、アストリアたちを見て、珍しげに見ています。



「あんたら、どっから来なすった?」

狸っぽい獣人の人がたずねます。


「え?えへへ。あっちかなー?」

アストリアは、明後日の方角を指差します。

「ごまかすの下手か」

テイシュが、アストリアに小さく突っ込みます。

星空から来たとも話しても信じてもらえるかどうか。



「そうかそうか。シロザル共の縄張りを越えて来るなんて、お主等ちっこいのにすごいのー」

シロザルがなんなのか知りませんが、焚き火のある広場に案内してくれました。



村の広場は、キャンプファイアーみたいに火がともされて、暖かい。

そこで、話しをしていたクマみたいな人が声をかけてきました。

子供たちだけで、心配してくれてるのでしょう。




「私、アストリア」

「ぼ、僕はティシュです。こんにちわ」

「テノーペだよ~!」



「わしは、クマイタツ。それなりに呑気な村長だ」


「は、はあ……」

「あんたら、どこから来なすった?」

また聞かれてる。そう思いながらも、答えようとしたアストリアは、びっくりします。


「えーと、そ……もごもご!?」

アストリアが、宇宙からなんて言おうとしたから、ティシュは慌てた様子で、口を塞ぎます。


だって、宇宙から来たと行っても信じてはもらえないだろうからです。



「そっか。あっちの街からで―す!」

また、慌てたように別の方向を指差します。


「なんと!?あっちには森があって、凍り姫がおるのじゃぞ!?」


「凍り姫!?わぁ、素敵!」


「素敵なものか。凍り姫のせいで、この村近辺は、一年中雪が降っておるのじゃ」



だから、村中にかがり火があったり、キャンプファイアーがあったりして、暖めているのです。


寒いときは、寄り添って暖め合います。


凍り姫は、近づくだけで氷点下になってしまうからです。





「その凍り姫に会いに行ってみよっか?」

「や、止めなされ!凍らされますよ」

他の村人が、教えてくれます。


「ん?凍り姫のとこから来たのではないのか?」

「まあ、それはそれ。これはこれ」


「ここで、暖まっていようよ」

ティシュたちも、危ないから止めようと言いました。



「火を消せ~!」


「もみ消せ~!」


「あんな過去や、こんな過去ももみ消せ~!」

でも、そんなときです。雪だるまたちが村に駆けて来ました。

バケツを被った雪だるまや、怒ってる雪だるま。

うつむきかげんな雪だるまもいました。


雪だるまたちは、スキーやスノボー。

それか、ソリで滑ってきます。

なにが目的なのでしょうか?


「わお!雪だるまがしゃべってる!」

「ははは~!そうだね~!一緒に遊べるかな~?」

「二人とも呑気に感心してないで逃げるよ!」

ティシュは瞳をきらきらさせる二人を引っ張って建物へと隠れようとします。




つづく

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