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星降る世界.5

空を流れる帚星。暗い宇宙を照らしてどこへ行くのか。



どうして、本の中から星たちが飛び出して来たのか。



アストリアは、気になりました。

気になって夜もぐっすり眠れます。



「恥ずかしがり屋なんだよ。だから本の中に隠れたんだよ~」


「またまたー」


ティシュの冗談に、少し笑うようになったテノーペを見て、アストリアもにこにこして。




まわりの星たちもにこにこ笑います。




小さな星は、屑星。誰の目にも止まらないけれど、久しぶりににこにこしました。


だって人とお星さまが仲良くしてるんだから。



「あ、渡り鳥だ!やっほー!」

アストリアが手を振ると白い白鳥みたいな渡り鳥たちがやって来ます。


「おや。この辺に人間なんて珍しい」

「こんにちわお嬢さんとお兄さん」

「どうも。皆さんはどこからどこへ行くの?」

「僕らは星から星へ渡っているんだよ」

「今度は緑の星に行くんだ~!」

ハータくんのとこだとアストリアたちは思いました。

あの寂しそうな目線。その寂しさが少しでも拭えればいいなと思いました。


アストリアとティシュは渡り鳥の子供たちと追い駆けっこして遊びました。

渡り鳥の子供たちの笑顔を見てこの星空も笑顔が溢れているなと感じました。


「あ、そうだ。この星空には亡霊が出るから気をつけてな」

「ええー!?幽霊は嫌だな~!」

アストリアは幽霊が怖いです。触れないから。

みんなで遊園地へ行ってもお化け屋敷にだけは入りません。



「ばいば~い!また遊んでね!」

「いい明るさをありがとね~!」

渡り鳥たちは綺麗な列を成して飛んでいきます。次の星を求めて。

羽根が舞ってアストリアの頭につきます。


「えへへ。またね」

「さ、行こうか」

「オッケー」



しばらく行くと、星たちが川のように集まっている場所かありました。



「わー!あれ、天の川って、言うんでしょ?」


「本で読んだことある」

きらきら光る星は穏やかな川の流れみたい。


「織姫と彦星はどこどこ?」

アストリアは二人を探しますがどこにもいません。


「あれは、作り話しだよ~」

申し訳無さそうにテノーペが言うと、ティシュが指差します。



「ほら!あそこ!」


「わぁ!ラブラブ!」


「ええ!?」

テノーペが前に通りかかった時には織姫と彦星などいませんでした。



それが、今は架けられた橋の真ん中で、肩を寄せ合っているのです。

まさか存在するなんてと思いましたが、そういうこともあるさと。




「話しを聞いてみよう!」


「あ、邪魔しちゃ駄目だよ!」


アストリアが止める間もなく、テノーペは織姫と彦星に近づくと、織姫が嬉しそうにテノーペに手を振ります。


ティシュが追いつき、アストリアを止めます。



「さ、いくよ」

ティシュはテノーペを引っ張って進んでいくと白い惑星が見えて来ました。



それは、雲に覆われてどんな星かよくわかりません。




それでも、三人……いや、ティシュは緊張していましたが。

三人は、降りていきます。


「たっのしみだねー!」

「うん、そうだね~」

二人の呑気さに呆れるティシュでした。




白い惑星。随分お肌が白いのねと、アストリアは的外れなことを、考えながら。




つづく


いつもありがとうございます✨

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