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星降る世界.3

アストリアは、そちらの方へ飛んで行ってみると、倒れて気絶している人影がありました。

それは頭に葉っぱを乗せて緑のローブを身に纏う男の子でした。

緑の世界と馴染んでいますね。



「見ない服装だね。原住民かな?」


「もしも~し?なにをしてるのこんなとこで?」

アストリアががくがく揺さぶるとやがてその人はは目を覚ましました。






「…………心配だから、追いかけて来たんだよ」


「ありがとう!」

ティシュは、穏やかにそう言います。少し、照れているようでした。



「うう……人がいる?」

その子はぽやんと二人を見ていましたがやがて絶望したかのように二人から離れます。


「私はアストリア。こっちはティシュ。

あなた倒れていたのだけど大丈夫?」

「いや、アストリア。あの子放っておいてほしいみたいだから行こうよ」

「え~?でもぼっちは駄目だよ。心がこんがらがっちゃうよ?」

アストリアは学校でのことを思い出した。

それはクラスメイトの女の子がいつも一人だったから。静に本を読んでるだけなのにからかう他の子供たち。


みんな傍観者。アストリアはいくら注意しても止めてくれないどころか今度はアストリアをいじめようとしたのです。


そこへその女の子がキレて鉛筆でそのいじめっこの肩を刺したので大騒ぎ。


それでいじめはなくなりましたがその女の子は転校して行きました。


みんな女の子を不気味がる中でアストリアは感謝していました。

(きっといじめられそうになった私を助けてくれたんだよね)




アストリアはその男の子に根気よく話しかけるとその子はやがて観念したように名乗ります。


「僕はハータ……うう」

傷が痛いの顔をしかめます。アストリアは持参した傷薬をわたします。

「…僕が塗って上げるよ」

「ありがとう」

ティシュは、アストリアが不器用だからと傷薬を塗って包帯を巻いて上げました。

アストリアに巻かせたらぐるぐる巻きのミイラになってしまいます。


その日はそこで野宿にしました。

ハータくんの教えてくれた通り近くの森には見たことない果物があったのでそらを取って三人で食べたのです。

そしてカンテラの明かりを消すと寄り添って寝ました。



次の日の朝。ハータくんも動けるようになったので周辺を見て回りました。


あるのは、崩れた遺跡ばかり。昔の文明に二人は興味津々です。


「ここに人は住んでいないのか?」

「そうだね。僕が生まれるずっと前はあったみたいだけど。

人間は愚かな争いでお互いを滅ぼしたんだ」


「どういうこと?」

「……」

アストリアの問いにハータくんは寂しげに首を振るばかりです。


ハータくんは空に出て星空の滅びについて語って旅をしていたのだけど、信じてもらえず中にな石ころをぶつけてくるものまでいて、人々に絶望しました。

そのことを聞いたアストリアは泣いてくれたのでハータくんは驚いて少しなみだするのでした。

ティシュは、そんな二人にハンカチのかわりになるでっかい葉っぱをわたしました。



やがてまた夜が来て、星がきらめきます。

焚き火をして二人は、順番に寝ました。




次の日。二人は動物たちに囲まれていました。

あまり友好的ではありません。


「……君たちはまだ認められていないみたいだ」

ハータくんは動物たちを撫でながら喋ります。



「あ、あの!じゃあ仲良くしましょう?」

アストリアにとっては、初めての未知の種族との出会いです。

そしてハータくんのことを友達と思っています。



「……ごめんね二人とも。助けてくれたのに。

でもこの星の動物たちはまだ君たちを認めていないみたいなんだ」


「………そっか。それじゃあ仕方ないね」

「いいの、アストリア?」

「また来れるから」

にこりと微笑んでそう言うアストリアを見て苦笑するハータくん。


「アストリアは諦めが悪いからね。覚悟してなよ」

「なにそれ?ティシュ酷くな~い?」

「はは。分かった。またおいでね」

「そこ!受け入れるな!」

悲しい別れではありません。笑顔のお別れです。


二人は帚星に跨がるとふわりと浮き上がります。手を振るハータくんに手を振り返すと星空の旅を続けます。




つづく

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