SS2 約束を探して
早く以前の生活に戻るといいですね( ´ • ω • ` )
祝福の悪魔は彷徨う。
大事な約束を果たすために。
祝福の悪魔は歌う。
いつか会う未来の主に届くように。
祝福の悪魔は踊る。
今現在の状況に不満な自身の心を紛らわすために。
「何故……何故……何故だ!!」
祝福の悪魔は頭を抱え叫ぶ。
「羅針盤の方角は合っているのに何故辿り着けない!?」
行けども行けども樹海樹海。
街にもどこにも辿り着けない。
どこに行っても魔物ばかり。
どこに行っても竜ばかり。
本命の龍にも会えない…。
これは試練か、試練なのか……!?
アウィニー様からの試練なのか………!?
祝福の悪魔ハプスルディアは、極度の無自覚な方向音痴だった。
加えて、ハプスルディアの持つ羅針盤は磁石が狂っていた。
彼が目的地に辿り着く事は、不可能に近かった。
「あああああああっ、アウィニー様……」
膝をつき、手を上げ、天を仰ぐ。
届かないその手は誰に何を言われることもなく、すぐにだらりと降ろされた。
チチチッと、数羽の青い小鳥がハプスルディアの肩に止まった。
「これは、福幻鳥……幸せを運ぶ幸福な青い鳥。私とおそろいですね」
それに、幸せの鳥がやってくるなら、私が約束を果たすことができる日が近づいているということですね!!
幸先よくいきましょう!!
うふふうふふ、世界が青い!!
美しい!!
ああ、幸福、幸せだ!!
福幻鳥
幸せを運ぶ幸福な鳥と呼ばれている。
しかし、その羽の毛には幻覚作用がある。
幸福感を味わせる効果もあり、その間視界は青く染まる。
しかし、かかっている本人には全く自覚がなく、その青さすらも通常に見えてしまうため、誰にも対処不能。接していた時間の自乗の時間経過で治る。
状態異常無効貫通能力があるため、どんな生物もかかってしまう。
文字通り、仮初の幸せと幸福を齎す。
ハプスルディアは、仮初の幸せに浸っていた。
まだまだ道は長い。
この子が着くのはまだ時間がかかりそうですね。
ちゃんと目指してるのに何で着けないんだろう。
て言うか、あれ、この子今どこにいんの………。
作者ですら見失う子です。
見守ってやってください。
読んで下さりありがとうございました。
感想、ブクマお待ちしております。m(_ _)m




