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17~セルクル遺跡の岐路~・3

 そして一方のカカオ、クローテ、モカ、ガレの四人。


「そういや、こうやって別行動するのは初めてだな」


 そう言いながらカカオが視線を向けたのは壁……たぶんきっとその向こうにいるであろう、離れた仲間達のほう。


「カカオ兄ってば、メリーゼ姉が気になるの?」


 なんだかんだここまで一緒に来たメリーゼは傍にいる一番時間が長く、前線でカカオの背を守ることが多かった。

 そんな彼女がいないのは、どことなく心細いのではないか……からかいというより、鈍感なカカオに意識させる意図でモカはそう尋ねた。


 すると返ってきた言葉は、


「そりゃあ、あっちはこっちより一人少ないしなぁ。三人とも強ぇけど、人数がいないのはやっぱちょっとは不安要素だろ」


 案の定メリーゼ個人を気にかけるというよりも、この場にいない三人の心配で、モカに心底つまらなさそうな顔をさせた。


「カカオ兄ってさ、ホントさあ……」

「やめないかモカ。そもそも相手が悪いし状況も悪い」

挿絵(By みてみん)

 恋愛面では自分の気持ちにすら鈍感そうなカカオに、他の仲間にも多少なりとも危険のある状況で質問をしたモカが悪いだろう。

 クローテは言外にそう含めると、後ろをのしのしついてくるガレを見上げた。


「……次またどこかで崩落があったら、あっちのメンバーは事前に察知出来るかわからない」

「あ、そっか。さっき無事に避けられたのはふたりの耳が良かったからだもんな」


 クローテとガレはどちらも聖依獣の血を引いており、兎と猫でそれぞれ形の違う獣耳は普通の人間よりも多くの音を拾う。

 優れた聴力でいち早く危険に気付けるふたりが同じチームに固まってしまったのは、向こうにとってはあまり良くないことだろう。


「そ、そう言われるとちょっと心配でござるな……」

『そんなに道は長くないはずです。魔物に遭遇さえしなければ……』


 清き風花が何気なく言った言葉に「そうやってフラグを立てる……」とモカが唇を尖らせた。


 と、そこで細い通路は終わり、カカオ達は広い場所に出た。


『ここを抜ければ合流地点もあと少しです。それにマナスポットも……』

「……どうやら、言った通りになってしまったようだな」


 清き風花の案内を遮って、クローテが進み出る。

 鋭く細められた青藍の見つめる先には、遺跡に住み着いたのだろう魔物達が既にこちらを獲物と捉えていた。


「やば、フラグ回収って感じ……?」

「言葉には不思議な力が宿るものでござるよ。マンジュでは言霊といって……」

「ガレ、その話はあとでな! 来るぞっ!」


 カカオに言われるまでもなく、ガレは先手必勝とばかりに背に携えた身の丈ほどもあるブーメランを魔物めがけて投げつけるが、


「でやぁっ!」


 勢い良く飛んだそれは、瞬時に体を丸くした魔物の皮膚に硬質な音を立てて弾かれ、ガレの手元に戻ってきた。


「にゃんと!?」

「っ! 嘘だろ、硬ぇ……」


 突っ込んで戦鎚で一撃を与えたカカオも同様で、反動に驚きながら一旦飛び退く。


「どうやらあの魔物は物理防御が高いようだな。魔術で攻撃するから時間を稼いでくれ!」

「あ、ああ、わかった!」


 こういう時は、なるべく強力な術で。

 すぐさま詠唱を始めるクローテを護るように、三人が前に出た。

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