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6・おまけ

~コスチュームチェンジ!~


モカ「ブオルおじちゃん、かっくいー!」

メリーゼ「よく似合ってて素敵です」

ブオル「そうか? へへ、ありがとな♪」

モラセス「衣装ひとつで化けるものだな」

カカオ「これだったら騎士団の人間だってバレないし、安心して外をうろつけるな」

ブオル「そう、だな……」

モラセス「うむ、どこからどう見ても騎士らしくない。むしろそっちの方が似合ってるんじゃないか?」

ブオル「は、はは……」

クローテ「ブオル殿……」

ランシッド『わかってて言ってるよね、あの王様』

ブオル「いいんですわかってます。俺だって騎士団のかっちりした服は似合わないなって自分でも思ってますから……」

モカ「おじちゃん、どんまーい」

ブオル「はは、ありがとな……それにしてもホイップの奴、こんな服いつ用意したんだろ」

クローテ「二十年近く前らしいですが、私も詳しいことは……」

モラセス「む……?」

ブオル「どうしましたか?」

モラセス「……いや、なんでもない」



~モカの友達~


カカオ「モカにもダチがいたんだなあ」

モカ「カカオ兄、それさらっと失礼だよ?」

カカオ「あっ、わりぃ……んで、そのアンってどんな子なんだ?」

モカ「ボクのいっこ下でねぇ、パスティヤージュに住んでるの」

ブオル「パスティヤージュっていや、東大陸にある神子姫の里だな」

ランシッド『二十年前の仲間の一人、フィノがいる場所でもあるよ。当時は少女だったけど、今じゃすっかり綺麗な大人の女性になってるね』

モカ「アンはね、ボクの話を楽しそうに聞いてくれるんだ」

カカオ「そういうダチがいるのはいいことだな」

ブオル「しかしまあ、そんな子への手紙にブオル子さんの事を書いたのか……」

モカ「第一印象のインパクトはばっちりだよ、おじちゃん!」

ブオル「インパクトなんて求めてねえから!」



~英雄スタード~


ブオル「スタードが世界を救った英雄の一人かあ……なんか父ちゃん鼻が高いなあ」

スタード「そんなつもりはないというか、私はただ同行しただけですから」

モラセス「お前はすぐそういう物言いをする……もっと堂々と胸を張ればいい」

カカオ「ところでじいちゃん、なんか変わったニオイするなあ」

スタード「ニオイ?」

カカオ「なんていうか、優しくて穏やかな春風みたいないいニオイ……香水か、これ?」

スタード「!」

クローテ「やめないか、カカオ。犬じゃないんだぞ」

スタード「いや、いい。確か、ガトーの孫のカカオといったな」

カカオ「ん?」

スタード「君はいい感性をしている。その感覚を大事にしなさい」

カカオ「え……は、はあ……」

スタード「ふふふ」



~縁起でもない~


モラセス「おいスタード、さっきブオルを見て迎えがどうとかぬかしていたな」

スタード「はい?」

モラセス「気が早すぎるだろう」

スタード「ですが私は……」

モラセス「再三言っているはずだ。俺より先に逝くな、と」

カカオ「いくらなんでも縁起でもねーもんなあ」

モカ「確かに。ひいおじいちゃんよりはちょっと年下なんでしょ?」

スタード「そうは言っても……」

メリーゼ「言っても?」

スタード「モラセス様の家系はとんでもなく長寿でな……よほどのことがない限り、百歳前後とかザラなんだ」

カカオ「あっ」

メリーゼ「そ、それは……」

ランシッド『そういや俺もそうだったもんなー』

スタード「ただでさえ殺しても死ななそうなのに、そんな人について行ける訳がないでしょう」

モラセス「なんだ情けない。最初からそんな弱気でどうする」

ブオル「憎まれっ子何とやら……」

モラセス「何か言ったか?」

ブオル「いいえー」



~お見通し~


モカ「さっきのアレはしてやられちゃったよねー」

モラセス「結局俺達に本当にそんな癖があったのか?」

スタード「さて、どうでしょうね」

カカオ「あったかどうかはともかく、嘘がわかりやすかったのは事実だったな」

ランシッド『隠す気ないのかと思ったよね』

スタード「まあ、癖の話は嘘なのですが」

ブオル「えっ」

モラセス「なに?」

スタード「……と、言ったら?」

モラセス「おい、どっちなんだ」

スタード「さて、どうでしょうね。ふふふ」

カカオ「て、手玉に取られてる……」

ブオル「強くなったんだなあ、スタード……」



~仲間と共に~


クローテ「落ち着いたか、メリーゼ?」

メリーゼ「ええ……クローテ君、ありがとう」

カカオ「何かとんでもないもんが見えたみたいだけど、実現させなきゃただの杞憂に終わるんだからな」

モカ「おっ、カカオ兄そんな難しい言葉知ってたんだ」

カカオ「そりゃどういう意味だよ」

モカ「ま、そーゆー意味だよ」

カカオ「ぐぬぬ……」

メリーゼ「モカちゃんもカカオ君もありがとう。緊張を解してくれて」

カカオ「オ、オレは別になにも……けど、お前無駄に肩に力入れる癖あるから、解れたなら良かったんじゃねーの?」

モカ「素直に受け取っときなよ」

カカオ「うるせぇ」

メリーゼ「うふふ」

ブオル「青春だなぁ、甘酸っぱいなぁ……」

ランシッド『うんうん、“仲間”っていいよねえ!』

ブオル「なんでそこわざわざ仲間強調するんすか」

モカ「んー、パパのジェラシー?」

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