長文読解〜前編〜
ここまで問題を解いてきて、一つある違和感を感じ感じた。あの「あれ」がまだ来ていないのである。一回も。残り時間は後二十分。いつもならば一回はもうすでに来ているはずだ。二回来ていても不思議ではない。なのになぜか一回も来ないのだ。
私はいつも「あれ」が来るまでは時間がまだまだあると考えてテストを受けている。「あれ」は、何気に大事なものなのだ。もしかしたら来ないのかと本気で思っていたそのとき、ついに「あれ」が来た。
教室のドアが開く音がする。それから十秒ほどするとチョークで何かを書く音が聞こえた。さらに二十秒ほどするとチョークを置く音が聞こえた。
「はい、大問七の(9)が二つあったけど、下の奴は(10)に書き換えといてな。それ以外で何か質問は?」
やっと先生が来た。この学校のテストでは、それぞれの教科の担当の先生が各クラスを巡回して、問題の訂正を伝えたり質問を聞いたりするというシステムがある。ちなみにその巡回というのは一時間につき二回から三回ほどである。さっきも言ったが一回目の巡回がここまで遅かったのはかなり珍しい事だ。記録を更新したと言っても過言ではない。
そんな事はさて置き問題を解かなければ。いよいよ最後の関門、長文読解だ。
長文読解。それは、下手すると最後の問題まで到達することが出来ない可能性がある魔の問題である。全て英語で書かれているので普段日本語しか使わないほとんどの中学生にとっては単なる地獄でしかない。ファンタジーRPG風に言うとチート過ぎてどう攻略すれば良いのかが一切分からないラスボスの様なものだ。
一つだけならまだしも、それが三問ほどあるのだから読むだけでかなりの時間と気力を消費するのだ。しかも問題用紙の四分の一強が長文読解に費やされている。今回はどうやら三問あるらしい。とっとと終わらせよう。
大問十三 ジュンは買い物をしています。その時の会話を読んで後の問いに答えなさい。
とりあえず大体の日本語訳をしてみよう。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ジュン「すみません、1つお聞きしたい事があるのですがよろしいですか?」
店員「どうされましたか?」
ジュン「この店に万年筆はありますか?」
店員「はい、ございます。こちらはいかがでしょう」
ジュン「良いですね。でも高過ぎます。それより安いのはありませんか?」
店員「少々お待ち下さい。こちらはいかがでしょう。先程と同じメーカーの物です」
ジュン「他の色はありませんか? 僕は水色が好きです」
店員「すみません。水色のはありませんがこちらの青緑色のはいかがでしょう。とてもステキないくらです」
ジュン「おお、完璧です。いくらですか?」
店員「12,000円になります」
ジュン「了解です。それを買います」
店員「ありがとうございます」
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ジュン君めっちゃ店員さんと喋るじゃん。こんなに店員さんと喋る人ってあんまり見た事がないよ。だって私は買い物するときいつも何買うか決めてるから、お目当ての物発見したら速攻でレジに並ぶよ?
ジュン君ローマ字表記だったから、海外旅行中の出来事なのかなと思いきやまさかの日本国内の話。普通に円って出てきたし。あと万年筆っていつ使うの? 日常生活で使うことってあるの? しかも誰かのプレゼントなのかなと思っていたけど自分用。一万二千円って地味に高くない? 最初にそれよりも高いのを勧めた店員さんもある意味すごい。
突っ込むだけ突っ込んだので、問題に移ろう。
(1)「先程の」と言うのは、何を指しているか答えなさい。
「先程の」は最初に出てきた高い方の万年筆のことだよね。ならそのまま「高い方の万年筆」でいいか。
(2)なぜジュンは最初の万年筆を買わなかったのですか? 日本語で簡潔に説明しなさい。
これもちゃんと読んでいれば答えられる。「高かったから」だ。ジュン君も頑張ってお小遣いをやりくりしているのだろうな、多分。でもなんで一万二千円のにしたのだろうか? もっと安いやつはは無かったのかなぁ。
(3)この会話では何本の万年筆が出てきましたか? 算用数字で答えなさい。
いや普通は算用数字で書くだろう。英語のテストで漢数字使って答える人ってそんなにいないと思うけど。
えーっと出てきたのは高いやつと、色が気に入らなくて却下されたやつと、高評価だったやつだから……三本だな。
(4)ジュンが最後に出てきた万年筆を買おうとした理由を英語で書きなさい。(一文以上でも構いません)
あ、これ日本語で書こうとしてた。これ絶対に日本語で書いちゃう人が出てくると思う。英語にしたらこうなるか。
“Because it is cheaper than first one. And it is his favorite color.”
一文以上でもいいと書いてあったのに引っかかりを感じたので二文にしておいた。正直不安でしかないがあっていると信じよう。
(5)あなたならばどの万年筆が欲しいですか。その理由も一緒に書きなさい。
出た。地味に解答に困る問題。多分英語て書けってことだな。それっぽい感じで書いておこう。
“I want to third fountain pen. Because it color is the most beautiful of the three.”
この大問はこれで全部のようだ。残りはあと少し、それにしてもまだあるのか。
まさかの終わりませんでした。
次回は後編、そして今度こそ英語の陣完結です。