語順並び替え
あり得ないほど連続で起こるアクシデントに見舞われてもう大丈夫だろうと思った矢先、またしても悲劇が起こってしまった。そう、問題用紙を落としてしまったのである。この場合に取るべき行動はただ一つ。
私は無言で手を挙げた。
ここで自分でとってしまうと誰が何と言おうカンニング扱いになってしまう。なのでこのように手を挙げて先生にとってもらう必要がある。との学校のテストにおける鉄則である。
だが、先生は一向に来ない。本当に来ない。驚くほど気付いていない。無視されているのではないのだろうか? だんだん手が痺れてきた。もうかれこれ一分は経ったと思われる。なのに先生が来る気配は一向に無い。なんか虚しくなってきた。SNSのグループチャットで私が発言して以降誰も発言しなくなったとき並に虚しい。それから私はSNSでは積極的に発言をしなくなってしまった。
しかしこのまま放っておいたら逆に注意されてしまう。だがそうしないと問題を解く時間がなくなってしまう。もうイライラしてきた。こういうときに先生のことをウザく思う。
そんなことを考えているうちにやっと先生がこちらに気付き問題用紙をとってくれた。落としてから私の体内時計で二分後の出来事だった。ものすごく長い二分間であった。
さて、なんだかんだで大問九、内容はテスト第二の関門、語順並び替えだ。
語順並び替え、それは英語の問題でしか出てこない(と思われる)問題形式だ。中一のかなり初期の頃から登場し、それから二年経ったであろう今でも脅威の登場率を誇る。しかも授業内容が進み文が長くなるにつれじわじわ難易度が上がる地味に厄介な問題だ。
さらに、一文書かされたり記号問題になったり不要な語があったりと何気にバリエーションが豊富だ。
この問題では主に文法が理解できているかが問われてくる。なので文法がしっかりとわかっていれば、よっぽどパニックにならない限り、大体は普通に答えられる。早いうちにやってしまおう。
(1)アイは妹よりも速く走ることができます。
(than / can / Ai / her sister / faster / run / .)
今回はどうやら普通の(ベーシックな)タイプらしい。変わり種ではなくて少しホッとした。まあ普通に考えて姉が妹より速く走れるのは当たり前だな。私は七年下の従兄弟に圧倒的な差をつけられて負けているけど。
ドがつくほどの私の運動神経の悪さについては一旦蓋をするとして、そろそろ解答に移ろう。これは確か副詞の比較級だったはずだ。でも普通の比較級とそこまで変わらないので答えは、
“Ai can run faster than her sister.”
私は6Bの鉛筆で慎重に、慎重に、細心の注意を払いながら丁寧に書いた。
前から思ってたけど、アイって名前って英語の一人称と同じ言い方だよね。現地の人は間違えないのだろうか? もしかしてそのために三人称単数現在形があるのだろうか。少し納得した。
(2)彼女はこの五人の中で一番人気です。
(of / popular / is / the five / most / she / the / .)
こちらもいたって普通の最上級。でも五人の中で一番人気ってなんかのグループなのかな? でも人気の大小って少し生々しく感じる……。まあ答えは、
“She is the popular of the five.”
よし、これで完ぺ……いやmost が抜けていたから正しくは、
“She is the most popular of the five.”
危ない点を落とすところだっ……あ、解答欄にピリオド書いてあった。やばい、本当に点を落とすところだった。
ちなみに私は過去の語順並び替えでピリオドがあらかじめ書いてあったのに一切気が付かず、すべて普通に自分で書いていたことがある。
ピリオドが書かれていたのを知ったのは採点された答案用紙が返ってきてからのことだった。しかもすべて不正解になっていた。ピリオドを書いていたから。それさえなければあのテストは九十点台だったはずだ。先生はこういうところが地味に厳しいのである。こちらからするとありがた迷惑あるいは余計なお世話でしかない。
(3)何の教科が一番好きですか?
(do / the / subject / what /best / you / like / ? )
毎度お馴染みの疑問詞入りの問題か。疑問詞が入っていても問題文さえ見ていれば大丈夫だ。答えは“what subject ……あ、wが小文字のままだった。
“What subject do you like the best?”
この問題のポイントを一つだけ挙げるとしたらthe best を文の最後に持ってくるということだろうか。細かい理由はよく分からないけど。
(4)彼はたくさんの人に知られていました。
(many / was / known / by / people / he / .)
その人は今どうなったのだろうか? それにしてもこの文ってなんか一発屋のその後を表している感じがして仕方ない。それはさて置き答えは、
“He was known by many people.”
(5)私達の学校はあの学校と同じくらい古く無いです。
(as / school / old / not / is / our / that / as / one / .)
文章がまどろっこしいな。何故そこで同等比較を使う。そこはもう普通に比較級使えよ。大人の事情ってやつなのか?
単語は多いが、それでもやることは変わらない。答えは、
“Our school is not as old as that one.”
今回の語順並び替えは、タイプも文の内容もかなり普通だった。何か嫌な予感がする。果たして残りの問題も変なものではないと信じていよう。本当に大丈夫だよな?
だんだん短くなってきている……
次回は突っ込みが多い目になる予定です。多分。