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僕はトラウマを抱える。

いつも読んで頂きありがとうございます。

ちょっと変な、今までの自分の作品とはひと味違う恋愛作品です。

読んで頂ければ幸いです。


 高校2年の新学期、また憂鬱な季節が始まる。

 ボッチにとっては苦痛な数週間だ。


 ああ、ボッチと言っても僕は別にコミュ障ってわけじゃない、多分ね? 


 それでも僕はいつもボッチになる。いや、なってしまう。


 それはなぜか? 僕はある種の病気を持っている。まあ、病気と言っても身体はいたって健康だ。

 厳密に言うと病気ではないのかも知れない、病院には行ってないからそう判断された事はない。


 心の病気……僕は大きなトラウマを抱えている。でも誰かに何かをされたわけではない、虐められた事も……多分ない。

 自分の愚かな行為によってそのトラウマを抱えてしまった。自業自得なのである。


 僕はそのトラウマのせいで、今の今まで恋人はおろか友逹さえも作れなくなってしまった。

 高校2年、思春期真っ只中、そんなトラウマは、もう呪いと言っても良いのかも知れない。



####



「えっと……七瀬君、今日親睦会があるんだけど、来ない?」

 早速来た……新学期恒例行事、クラスメイトの親睦会……あ、七瀬って言うのは僕の名字だ。七瀬 遊馬(ななせ あすま)が僕の名前。


「あ、ごめん今日妹の買い物を頼まれていて」


「え? あ、でも、買い物なら……ちょっと顔出すだけでも駄目かな?」

 まあそうなるよね、そして僕はその答えを言わなきゃならない……しかもよりによって、クラスの女子に……


「いや、本当ごめん妹が待ってるんだ」


「あ、そうなんだ、何か急ぎの買い物?」

 ああ、言われてしまった……僕はまた……このクラスでもボッチ確定だな……


「うん、ナプキン」


「え?」


「生理用ナプキンを頼まれていて、妹は今お尻にタオルを引いているらしいから、急いで買って帰らないと行けないんだ」


「へーー…………、じゃ、じゃあしょうがないね…………」


「うん、ごめんね」

 ドン引きしているのが目に見えてわかった。彼女は僕から離れ女子の輪の中に入る……そして僕を皆一斉に見る。

 

 まあ……そうなるよね……今回は早かったな……昼までしか持たなかったか……


 でも……いずれこうなるんなら早い方がいい……僕はそう思う事にした。



####



 授業が終わり席を立つ、クラスの女子はもう誰も僕を相手にはしてくれない、男子は女子の顔色を伺い誰も話しかけて来ない。


 まあ、仕方ない、いつもの事いつもの事……


 僕は親睦会で集まっているクラスメイトの横をすり抜け、そそくさと教室を後にした。


 帰り道、妹に言われた通りドラッグストアに寄りそして生理用品コーナーに来る。

「えーーーどれ?」

 使った事も買った事もない……どれを買っていいかわからない……

 何かほんのりと良い匂いが漂う生理用品のコーナーで僕は考え込んでしまう。

 妹にラインを送るも返事は無い……仕方ない。


「すみません妹が生理なんですがどれを買えば良いんですか?」

 通りすがりの店員(男性)に聞くが、すみませんと謝られ他の店員(女性)を呼ん来ると言ってその場を後に、まあそうだよね、でも女の人だと色々問題が起きるんだけど……


 そう思いながら暫く待つと女性店員さんが来てくれる。

 

「えっと……妹さんの……ですか……年はおいくつですか?」


「中学2年ですね」


「そうですか……運動とかされるんでしたらこちらですが、後は寝る時とか量とかで選ぶんですけど……」

 若くて綺麗な店員さん、若干怪訝な顔だがキチンと対応してもらえ少し安心する。


「ああ、そうなんですか……運動はしないですね、不登校で引きこもりなので、あ、そういえば、なんか○○○が、かぶれるって言ってました」


「お、お客様!」


「あ、すみません」


「……か、かぶれにくいのはこの辺です!」


「すみません、それ……買って帰ります」


「あまり変な事言ってると……警察呼びますから……」

 店員さんはそう言いながらバックルームへ足早に去って言った……ああ、またか……でも呼ばれないで良かった。



 そう……これが僕の病気……僕は嘘がつけない、本当の事をそのまま言ってしまう。


 このトラウマのせいで……僕は、この病気のせいで嘘がつけない。このせいでいつもトラブル。


 そしてこのせいで、僕はこのトラウマ、この病気を患っているせいで、いつも一人でいた。




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是非とも宜しくお願い致します。m(_ _)m

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