君といた夏
この季節ーー
いつも君を思い出す。
あの夏の日々、君と過ごした短い夏の物語
初めて君と出逢ったのは初夏の少し汗ばむ6月中旬
君は嵐のように突然、僕の前へと現れた。
「夏目めぐみです。よろしくお願いします」
この暑い教室の中、ただ1人涼しそうな顔をしていた。
『じゃあ、空いてる席へ』なんて先生は僕の隣の空席を指差した。
君はゆっくりと席へと足を運び、僕の前で止まった。
「よろしくね」
なんて小首を傾げながら僕を見つめる大きく綺麗な瞳が時間を止まらせた。
僕は少し間を置いて
「よろしく。不動です」ってぶっきらぼうに答えた。