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key chain  作者: くちなし
1/1

日常

 何も分からず走っていた。手をひかれるまま、逃げるように。一歩前へ進むたびに大事なものが落ちていくようだった。周りには同じように、逃げて行く人々の影が見える。赤い夕陽が目に焼き付いて離れなかった。

見慣れていたはずの空が、風景が、色が、突然怖くなった。それでもただ、海を目指して走るだけだった。







 「アスカ、起きなさい!」

母からの声に目を覚ます。


「いつまで寝てるの!今日はお母さんのお手伝いをするんでしょ!」

大声で叫ばれると、起きたくなくなるものである。

「分かってる、今起きるから。あと少し......」


アスカが再び目を開けると、そこには母の姿はなかった。

急いで階段を降りて行く。朝の日差しが眩しかった。


「良い朝だなあ。」

着替えて外へ出て行く。母、イリスの後ろ姿に怯えつつ近づく。

「遅かったわね。アスカ」

イリスは前を向いたまま話かける。

「お母さんは、背中にも目がついてるのね。ところで手伝いってなに?どうせ片付けだろうけど。」

「よく分かったわね!でも今日はいつもと違うわよ。あなたに本の整理をしてほしいの。」

「本?おばあちゃんの部屋にあるアレ?時間かかりそう......」


「お、アスカ!おはよう!何してんだ?」

「トウマ!おはよう。暇そうね、どう?一緒に読書でもしない?」

トウマは走って逃げようとしたが、遅かった。

アスカは、通りすがりの少年を巻き込むことに成功した。



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