僕が君を護るから
「大丈夫だよ」って、君はいつも笑う。
大丈夫なんかじゃ無い癖に。
「辛い」って、独りで泣いた
涙の跡が頬に残ってる。
…苦しいよ。
君の事を護りたい。
ただ、君の傍に居て、君の事を護りたいだけなんだ。
…でも。
「…そっか。」
僕は臆病者で
君の寂しそうな笑顔の前で、いつも諦めてしまうんだ。
―ただ、君の傍に居たいんだ。
「偽善者だ」って、笑われても構わない。
そんなものには興味がない。
…ただ、君を護りたいだけなんだ。
―独りで抱え込むなよ。
―そんなことない。平気だよ。
―…そっか。
何で、僕はこんなにも弱いのだろう。
ただ、君を護りたいだけなのに。
ただ、君が大切なだけなのに。
…どうして、いつも君の寂しそうな笑顔の理由が訊けないんだろうか?
傍に居たいんだ。
独りで、泣いて欲しくないんだ。
独りで、苦しまないで欲しいんだ。
―…ただ、それだけなのに。
今日もまた、君が泣きそうな顔で微笑む。
―どうしたの?
喉まで出かかっている言葉は
今日も伝えられない。
―…ねぇ、君はまた。
こんな寂しい夜に、たった独りで苦しんでいるの?
「寂しい」って泣きながら。
「怖い」って震えながら。
…でも。
僕は君が大切だから。
傍に居たいから。護りたいから。
…君を、護るから。
「もう離さない」と呟いて。
夕暮れに融けていく君の腕を掴んで、思いきり引き寄せた。
―つかまえた。
君が幸せな未来へと歩いていけるように。
精一杯、僕も頑張るから。
「…君を護るから。」
僕の願いが届いたのなら
僕は、幸せだ。
感想、アドバイス等頂けましたら幸いです。
ここまでお付き合いくださり、誠にありがとうございました。