高4になってから、初めて「愛」に触れた男の話
### 高4になってから、初めて「愛」に触れた男の話
「愛」という言葉を、ずっと自分とは関係のないものだと思っていた。
それは否定していたというより、視界に入れていなかった、という方が正確だ。
高4。
年齢ではなく、精神的な成長段階としての「高4」だと自覚したとき、ようやく自分の立ち位置が見えた。周囲はもう先へ進んでいるのに、自分だけがどこかで止まっている感覚。仕事も生活も回っているが、何かが決定的に欠けている。
そんなとき、偶然「統合分離表」という考え方を知った。
人は「分離」の状態から始まり、「統合」へ向かう。
そして――**愛とは、統合側の要素がすべて揃って、初めて成立するもの**だと知った。
それは、衝撃だった。
同時に、納得でもあった。
自分が愛に無関心だった理由が、初めて言語化されたからだ。
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### 1.愛が見たくない段階
最初は、見たくなかった。
愛という言葉を聞くだけで、どこか居心地が悪くなる。
理由は単純だ。
自分の中に「愛を扱える準備」が何一つ整っていないことを、無意識で分かっていたからだ。
人を大切にする余裕もない。
自分を大切にする感覚すら曖昧。
責任、継続、覚悟――どれも重い。
だから、愛を「綺麗事」や「感情論」として切り捨てることで、自分を守っていた。
見なければ、苦しくならない。
見なければ、自分の未熟さとも向き合わずに済む。
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### 2.見ようとするが、向き合いたくない段階
しかし、「統合側全て揃って初めて愛」という言葉が、頭から離れなくなった。
愛を否定するのは簡単だ。
だが、それは自分が分離側にいることを認めたくないだけではないか、という疑念が湧き始める。
本を読む。
文章を見る。
だが、どれもどこか他人事だ。
頭では理解しようとする。
だが、心が拒否する。
見てはいるが、真正面から向き合う気はない。
この段階では、「分かった気になる」ことが最大の逃げ道になる。
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### 3.向き合おうとするが、無理な段階
ある瞬間、逃げきれなくなる。
誰かの言葉。
誰かの生き方。
あるいは、自分の孤独。
向き合おうとする。
だが、無理だと分かる。
愛について考えようとすると、胸の奥がざわつく。
過去の失敗、未熟さ、自己否定が一気に浮上する。
「自分には早すぎる」
「今じゃない」
そうやって、何度も引き返す。
ここで多くの男性は、「自分は愛に向いていない」と結論づけてしまう。
だが実際は、**まだ統合の準備段階にすら入っていないだけ**だ。
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### 4.向き合い方が分からない段階
逃げることも、完全に無視することもできなくなったとき、次に来るのは「分からなさ」だ。
向き合おうとは思う。
だが、どうやって?
感情を語る?
誰かを好きになる?
自己開示?
どれもピンとこない。
男性に多いのは、「正解の手順」を探そうとして迷子になることだ。
だが、愛にマニュアルはない。
ここで一度、自分の不器用さを受け入れる必要がある。
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### 5.少しずつ向き合い始める段階
この段階で初めて、視線が外から内へ向かう。
「自分は、何を怖がっているのか」
「何を失うのが嫌なのか」
愛そのものではなく、**自分自身との対話**が始まる。
大きな変化は起きない。
ただ、以前なら見ないふりをしていた感情に、少しだけ立ち止まるようになる。
それだけで十分だ。
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### 6.徐々に向き合えるようになる段階
感情を否定しなくなる。
未熟さを責めなくなる。
「今の自分は、ここにいる」
そう認められるようになる。
この段階では、愛はまだ完成形ではない。
だが、「向き合える土台」は確実に育っている。
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### 7.ノウハウを探すか、自分で見つけ出す段階
ここで初めて、二つの道が現れる。
本や理論から学ぶ道。
経験から掴む道。
どちらも正解だ。
大切なのは、「自分の頭で考え、自分の心で確かめる」ことだ。
借り物の答えでは、統合は起きない。
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### 8.少しずつ向上していく段階
失敗しても、壊れなくなる。
拒絶されても、自分を見失わなくなる。
愛が「賭け」ではなく、「関係性」だと分かってくる。
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### 9.自分の軸を探し出す段階
ここでようやく、「自分はどう在りたいか」を考え始める。
相手にどう思われるかより、
自分がどう在るか。
これは、愛以前に「生き方」の話だ。
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### 10.これが自分の軸だと掴む段階
最後に残るのは、静かな確信だ。
派手さはない。
だが、揺れない。
愛とは、相手を縛るものではない。
自分を偽るものでもない。
**統合された自分が、他者と関係を結ぶこと**。
それが、ようやく理解できた「愛」だった。




