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はーふ&はーふ  作者: 味噌猫


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14/25

違和感

翌日になり目が覚めてから身支度を済ませ、早い時間に宿を出る。


(今日は採取はやめて少し探索をしてみようか)


あまり人混みを好まず好奇心よりも警戒心のほうが勝っていたため、この町へ来てからは目的地と宿を往復する日々だった。


なので今日は改めて、元の世界に関係していそうな物や他の転生者の手がかりを探してみることにした。


(変わった物や不自然に突出した技術や知識でも見つかればいいけど)


いつもとは違う方向へ、薄暗い道や路地は避けて比較的広く歩きやすい道を選びながら歩いていく。


キョロキョロ見回しているのが目立つのか視線を集めてしまったり何か探し物をしているのかと勘違いされたりもした。


親切心で声をかけてくる人の中には冒険者や治療所の患者だった方も居たようだ。


(⋯ごめんなさい、人の顔と名前覚えるの苦手なんです⋯)


物語の主人公はどうしてああも完全記憶スキルが標準装備なのかと羨ましくて仕方がない。


色々と歩いてみたがやはり元の世界に繋がりそうな物は無く、人通りも増え始め結構な時間が経っていたので諦めてギルドの方へ方向転換した。





昼前くらいの時間にギルドへ入ると受付の並びもだいぶ落ち着いたようで女性職員の方が手を振ってくれている。


それに気付いた冒険者の方も挨拶をしてくれたので軽く頭を下げていつもの場所へ向かう。


「おはよう、早いわね。時間あるんだからたまにはあっちで話でもしてくればよかったのに」


「おはようございます、その⋯慣れてはきたんですけどまだちょっと恥ずかしくて」


「もう顔くらいは覚えてるでしょうに⋯取り引きとか治療が絡まないと結構人見知りよね」


苦笑しながら外套をかけて席に着く。


「仕事の時は作業と思えばそこまで気にならないんですけど、それ以外の時にいきなり詰めてこられるとかちょっと苦手で⋯」


「すぐこっちに逃げてきちゃうものね?」


ニヤニヤしながら聞いてくる。


「別に逃げてきてるわけじゃ⋯」


「まぁ逃避先が私の所ってのは悪い気はしないわね、それだけ気を許してくれてるって事だし?」


「違っ⋯」


「違うの?」


「⋯くは⋯ない、かも」


「あぁ、今日も私の妹が可愛い⋯」






「はい、処置は終わりです。もし後から痛みや違和感が出たらまた来てくださいね」


最後の患者を送り出してから看板を裏返す。


「しかし本当に切り替わるわよね、初めから流れを知っていたみたいだし⋯その歳で何かやってたの?」


「患者さんの対応ですか?見様見真似ですよ。記憶にあるお医者さんの真似事をしているだけです」


「見様見真似できるほどそんな丁寧な医者に⋯知れば知るほど良いところのご令嬢としか思えなくなってくるんだけど⋯」


「そんな事ないですよ、普通の家庭です」


(向こうの家庭と言えば⋯)


「リーゼさん、テレビとかエアコンって言葉聞いたことありませんか?」


「てれびにえあこん?⋯聞いた覚えはないわね」


「自動車やパソコンという言葉も覚えが無いですか?」


「うん、ないわね⋯探し物?」


「いえ⋯ボクの国の物の名前なんですけど、こちらの方でも知られてないかなって思っただけです」


「そうなのね、この辺りでは聞かないけど⋯他所の国なら広まっているかもしれないわね。どんなものなのか聞いてもいい?」


リーゼさんに簡単な見た目と仕組みを説明してみる、専門家では無いので動画やテレビで聞きかじった程度の知識を思い出しながら話していく。


「それでここの部分で⋯部分は⋯あれ?」


記憶の動画を思い出しながら説明をしていると突然流れが途切れ説明も止まる。


「どうしたの?」


(ここから⋯あれ?⋯なんで?)


「あ⋯いえ⋯ちょっと、⋯⋯忘れちゃったみたいです」


「あら、残念。思い出したらまた教えてね」


異変を悟られないよう話を終わらせてそれぞれ片付け作業に入る、手を動かしながら先程の事を思い出す。


(どういうことだ⋯多少は知っていたはずなのに⋯。始まりから途中までは問題なく思い出せるのに、突然場面が最後まで飛ぶ。思い出せないではなく、まるでそこだけ経験していないようで⋯知覚すると凄く気持ち悪い)


脳の病気だろうかと違和感と不気味さを覚え身体を確認するが、今受けている精神的な影響以外は特に問題は無いようだ。





宿の部屋に戻り記憶の引き出しを可能な限り漁り続けた結果、いくつかの記憶に同じ現象がみられた。


不安になりながらも状況を整理し予測をたてる。現象が見られるのは過去のものかつ自分の生活でほとんど使われることの無くなっていた部分が多い。


(これで単なる脳の障害でした、だったら恥ずかしいけど⋯ファンタジーなこちらで思い当たるのはあれしかない⋯)


この世界へ来た時の出現場所のおかしさと性別の反転、メニューらしきものへのアクセス不可と気味の悪い記憶の欠落。


「関係していそうなのは⋯初期化の中断か、あのエラーメッセージ?」


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