長い説明は飛ばす人
「これからお前さんには第二の人生を「スキップで」待って!?」
真っ白な空間と目の前に居るお爺さん。
出てきた言葉から即座に理解した。
(お約束のアレだ!)
「い⋯いきなりスキップを選ぶ魂は初めてじゃぞ⋯。とりあえず話を聞いてくれんかの」
「嫌ですよ、どうせ色々選んでアイテム貰って違う世界でひゃっほーいなんでしょう?早く選ばせてくださいよ」
「⋯随分詳しいの⋯。そうは言うが今魂の初期化中でぱーそなるでーた?と記憶を消して容量を空ける作業中なのじゃよ⋯」
「は?容量⋯?記憶って⋯ちょっちょっと待ってください!」
「いや待って欲しいのはわしの方でその間に話を「ストップ!ストッープ!とにかく初期化中止ぃー!」」
お爺さんは不満そうにタブレットのような物を操作する。
「やっと半分くらい終わったのに⋯時間かかったのに⋯」
「だからって勝手に⋯?あれ?⋯?自分の⋯え?⋯なんで⋯」
「ぱーそなるでーたの方は終わっておったぞい」
「ふざけんな!何で消す必要があるんだよ!」
お爺さんの眼前に詰め寄る。
「端末の容量が足りんのじゃ⋯」
「はぁ!?普通異世界物は記憶とか全部引き継いで行って色々チートするものなんじゃないの!?」
「そういうもんかのう⋯比較的新しい端末持ちの他の神はそうかも知れんが⋯わし⋯600年くらい機種変しとらんし⋯」
「機種変!?」
「じゃから作業は時間かかるし送り出す魂も初期化してやらんとスキルとか詰め込むスペースがないんじゃよ⋯」
「旧世代のスマホみたい⋯」
「初期化中に待たせとる時間で説明しておるんじゃ。ちゅーとりあるというやつじゃよ、最後までこなすと特典があるんじゃ」
「なんだそれを先に言ってくださいよ」
「わしに」
「貴方に!?」
「ポイントが付くんじゃ、これを貯めると性能の良い端末と交換できるんじゃよ。⋯他の神ときたらわしの端末が化石だの画面が小さいだのと馬鹿にしおって⋯」
「神同士でも機種やスペックでマウントとったりするんだ⋯」
「じゃから是非ちゅーとりあるを⋯」
「それ⋯長いんですか?それよりも早くキャラクリしたいんですが先にできませんか?」
「せっかちだのう⋯。まぁ順番が変わるだけじゃから別によいが⋯」
お爺さんがタブレットのような物を操作するとしばらくしてひと回り小さい端末が現れた。
(ちっさ⋯)
「これで好きな種族やスキルを選んでおくれ、容姿もある程度は設定できるぞい」
「おぉ、これこれ」
まずは種族から⋯人間からはじめ魔物等の人外まである。
さらに下に⋯下に⋯。
「ねぇ⋯タップ音消してないの?それとこれなんか反応鈍くてカクカクするんだけど⋯」
「最初は良かったんじゃがここしばらくそんな感じでのう⋯」
「うわ⋯使いにく⋯画面飛ぶし何か先行入力みたいになるんだけど⋯」
苦戦しながら色々設定していき銀髪赤目の少年吸血鬼に
「⋯ん?種族で細部が変わる?」
種族ごとに背の高さや体格にも補正があるようだ。
時々読み込みで待たされたりカクつきに耐えて色々見比べたがイライラしてきたのでやはり吸血鬼に。
アップロードボタンを押そうとすると性別ボタンもあったので切り替えてみる。
読み込みが入って銀髪赤目の可愛らしい女の子が表示される。
可愛らしく、こちらも悪くない。
再び男に切り替えを押すが反応が無く、何度か押すとようやく切り替わったのでアップロードして終了した。
スキルはポイント制でパッシブやアクティブ様々なモノがある。
とりあえずゲームで遊ぶ時はパッシブ重視な性格だったのでそちらを重点的に取得していく。
種族特性の弱点である日光耐性を最大に。
残ったポイントはどの程度かわからないけど錬金術や各魔法を1ずつとそれに関係するパッシブをいくつか取るとポイントは無くなっていた。
「ねえ、スキルって新しく取れたり1から2になったりとかできるの?」
「できるぞい。あくまで初期状態で所持しているというだけじゃから努力次第で成長も可能じゃ」
「じゃあこれでいいや」
次にステータス
ポイントは100 各最低値は5のようだ。
(吸血鬼の戦い方と言えば蝙蝠になったり霧になったり翻弄しながら魔法でってイメージだよね。
近接⋯殴り合うイメージは無いかなぁ)
筋力 5
体力 10
敏捷 40
魔力 40
運勢 5
「とりあえずこれで、当たらなければなんともないのだ!アップロードと」
アップロードを開始ししばらく見守っていると、進行中に妙な音と共にメッセージが表示される。
⋯だが文字化けしていて意味が分からない。
「アップロードが止まって変な警告みたいの出てきたけどどうすればいいの?ボタン2つあるけど崩れていて読めない」
「端末依存の文字かのう⋯?不安ならキャンセルでも押せばいいじゃろ」
「だからボタンも読めないんだって」
神様が自分の端末を操作して何かを確認している。
「あー左がOKで右がキャンセルじゃな、右のを押せば大丈夫じゃろ」
「本当に大丈夫なの⋯」
恐る恐る右のボタンを押すと警告が消えアップロードが再開される。
「大丈夫みたい」
「良かったの、それじゃ設定が終わったならわしの話を聞いてもらおうか」
「⋯忘れてたよ」
後回しにしていた説明が来てしまった。
「さっさと行きたいんで手短にお願いしますよ」
「本当にせっかちだのう」
お爺さんは居住まいを正し、演出なのか淡く後光が差しはじめた。
「こほん⋯お前さんには第二の人生を歩んでもらう事になる。混乱しておるじゃろうがこれはもう決まった事なのじゃ⋯。
これから行く世界は神々が競い合う盤面の中の一つの世界。
始まりは2000億年前⋯⋯わしの先先々代⋯「スキップしまーす」」
ボクの魂は新しい世界へ旅立った。




