旅立ち
アメリスはシトラの導きに従い、眠りから覚めた洞窟を一歩ずつ進んでいた。暗くて冷たい空間に光が差し込み始め、外の世界が徐々に見えてきた。洞窟の壁には様々な鉱物が輝いており、それぞれが微かな光を放っていた。アメリスはその光に引き寄せられながらも、なぜ自分がここにいるのかという疑問が心の奥にこびりついていた。
「ここ、本当に外に出られるのかな……」
アメリスは不安そうにシトラに尋ねた。シトラは元気よく振り返り、明るい声で答えた。「大丈夫!シトラがついてるからね。もう少し行けば、外の世界が見えるよ!」
シトラの言葉に少しだけ安心し、アメリスは再び前を見つめた。洞窟の中を進むにつれて、彼女は鉱物に触れるたびに何かを感じ取っていた。それは、記憶の断片のように彼女の中で何かを呼び起こす感覚だった。
突然、道をふさぐように岩が積み重なっている場所に出くわした。道が完全に閉ざされているように見えたが、アメリスは岩に近づいてみた。すると岩の隙間から淡い光が漏れていることに気づく。
「……どうしよう、これ、通れるのかな?」
シトラが小さく頷いた。「うん、考えてみて。アメリスなら何か方法が見つかるかもしれないよ!」
アメリスは岩の前に立ち、どうすればこの障害を乗り越えられるかを考え始めた。彼女の中に眠っていた力が少しずつ呼び起こされる感覚があり、手をかざすと目の前の鉱物がわずかに反応し、輝きを放ち始めた。驚いたアメリスは一度手を引っ込めたが、何かが自分の内側で動いているのを感じた。
「これって……」
彼女は再び手を伸ばし、今度は意識的に力を集中させた。すると岩が少しずつ動き始め道が開けた。
「やった!」シトラが嬉しそうに声を上げた。「アメリス、すごいよ!その力きっとこれからもっと役に立つよ!」
アメリスは安堵の表情を浮かべつつも、何か得体の知れない感覚に包まれていた。自分に何が起こっているのか、なぜこの力が突然現れたのか――答えが見つからないまま彼女はただ前に進むしかなかった。
洞窟を抜けた先には広がる大地が見えた。アメリスは目の前に広がる景色を見渡し、世界が想像以上に広大で、未知の冒険が待っていることを感じ取った。彼女の心に再び冒険への不安がよぎったが、同時に未知への期待感も生まれていた。
「さあ、これからどこへ行く?」シトラが明るく問いかけた。
アメリスは遠くに見える広大な景色を見つめながら、少し戸惑いながらも前へ進む決意をした。「まだわからないけど……何かが私を呼んでいる気がする。行ってみよう。」
鉱物の説明
アメジスト
紫色の美しい鉱物で、浄化や癒しの力を持つとされている。アメリスの力と共鳴し、彼女の記憶や力を引き出すきっかけとなる存在。