霧の中の戦い
その時、前方の茂みが突然揺れ、霧の中から黒い石をまとった鉱獣が姿を現した。鋭い爪と赤い目が光り、アメリスたちに敵意を向けて唸り声を上げる。
「何だ?」ラピスが身構え、アメリスもすぐに構えたが、まだ魔法に慣れていないアメリスは少し緊張した様子だ。
「アメリス、下れ。俺たちに任せろ!」ラピスはアメリスに指示を飛ばし、前に出る。
ルビスが手をかざし、ルビーの力で赤い光を放つ。小さな火の玉を生成し、鉱獣に向かって放つ。「スモール・フレア(小さな焔火)!」
火の玉が鉱獣に命中し、一瞬怯んだところを見逃さずにラピスが動く。
「ブルーシャード(青の結晶)!」
ラピスはラピスラズリの力を使い、青い結晶の破片を生成して鉱獣に向けて飛ばす。鋭い結晶が鉱獣の外殻に突き刺さり、黒い鉱獣の体に亀裂が入る。
その隙にルビスがエンバー・シールド(炎の盾)を展開し、燃え盛る炎で自分を守りながら、鉱獣の動きを封じる。鉱獣が動きを止めた瞬間、ラピスが「ブルーシャード」でとどめを刺し、鋭い青の結晶が鉱獣に突き刺さり、鉱獣は次第に結晶化して砕け散った。
鉱獣が砕け散り戦闘が終わったことを確認すると、アメリスが二人に駆け寄った。「ラピス、ルビス、大丈夫?二人ともすごい戦いだったね!」
アメリスは興奮した様子で二人の顔を見る。
ラピスが軽く笑って応える。「心配無用だアメリス。俺たちは無事さ。」
ルビスも微笑んで、「アメリス、ありがとう。あなたももっと魔法に慣れてきたら、きっと私たちと同じように戦えるようになるわよ」と励ますように言った。
シトラがその場に残った小さな結晶を見ると、結晶は黒い輝きを放っていた。「これは……ブラックオニキスの鉱獣だったんだね。」
ラピスが結晶をじっと見つめる。「この結晶、他の鉱具の材料にも使えそうだな。」
アメリスが微笑み返したその時、霧の向こうに建物の影が見え始めた。ラピスが遠くを指差し、「あれがクオリタスだな。やっと見えてきた。」
「もう少しで到着ね。」ルビスが期待に胸を膨らませながら前方を見据える。
ナビクリスタルの光が消え進むべき道がはっきりしてきたことで、アメリスたちは新たな冒険への期待とともに再び歩き出した。
ブラックオニキス
•ブラックオニキスは深い黒色で光沢を持つ鉱物で、古くから「守護の石」として知られている。
•黒色のため、エネルギーを吸収し、悪影響から持ち主を守る力があるとされている。特に防御やグラウンディング(安定と保護)に関連する伝説が多く存在する。
•不安を和らげ精神を落ち着かせる効果があるとされており、集中力を高めるためにも使われることが多い鉱物。また、持ち主の意志を強化し困難を乗り越える力を与えるとも信じられている。




