表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
兎の子  作者: みみず
2/2

公開処刑

あれは小学校4年生の時の話。

この頃になると男子・女子と互いの性を意識し始め、異性として接するようになったためか、男子は私の顔をからかわなくなったが、暴力女と嫌われていた。女子の間では、可愛い子がてっぺんで、次にスネ夫みたいなのがいて…と、カーストのようなものができ始めていた。私のような顔も変な暴力女は底辺だった。誰も私と友達になってくれなかった。全く楽しくない学年だった。


4年の担任は班分けをよくやった。この班分けの時間が私は大嫌いだった。


班分けのやり方はこうだ。

①まず班長を立候補で決める。(大体、お調子者の男子がなる。)

②班長は、副班長を指名する。(大体、各お調子者の大親友がなる。)

③各班で欲しい人を指名していく。他の班と被らなければ迎え入れることができる。被った場合はじやんけんで勝負。勝った班が獲得できる。

これを何巡もやり、班のメンバーを獲得していくのだ。


各班、班長・副班長は男子なので、男子の指名が何巡も続く。指名が重なり、じゃんけんバトルで盛り上がったりしていた。


男子の班分けが落ち着くと、女子の指名に入る。各班長の『お気に入り』が、まず選ばれていく。

次は『班の中の誰かのお気に入り』が選ばれていく。2巡目までは、女子の指名が被ることは、ほぼ無かった。

3巡目は、頭の良い子が選ばれていく。


だが、4巡目になると…

『残ってる人の中で、マシなヤツ』

になってくるのだ。

こうなると、指名が重なり、じやんけんになるのだが、さっきまでの楽しい雰囲気はどこへやら。真剣勝負に変わっていくのだ。

なぜなら、『あいつだけは取りたくない』からだ。みんな、私を自分の班に入れたくないのだ。じやんけんで負けて、私を取るとこになると、班の全員が『え〜。』『うそ〜。』と嘆き、露骨に嫌そうな顔をするのだ。


この一連の班分け作業により、

『私はクラスで1番の嫌われ者です』と、

毎回、公開処刑されていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ