公開処刑
あれは小学校4年生の時の話。
この頃になると男子・女子と互いの性を意識し始め、異性として接するようになったためか、男子は私の顔をからかわなくなったが、暴力女と嫌われていた。女子の間では、可愛い子がてっぺんで、次にスネ夫みたいなのがいて…と、カーストのようなものができ始めていた。私のような顔も変な暴力女は底辺だった。誰も私と友達になってくれなかった。全く楽しくない学年だった。
4年の担任は班分けをよくやった。この班分けの時間が私は大嫌いだった。
班分けのやり方はこうだ。
①まず班長を立候補で決める。(大体、お調子者の男子がなる。)
②班長は、副班長を指名する。(大体、各お調子者の大親友がなる。)
③各班で欲しい人を指名していく。他の班と被らなければ迎え入れることができる。被った場合はじやんけんで勝負。勝った班が獲得できる。
これを何巡もやり、班のメンバーを獲得していくのだ。
各班、班長・副班長は男子なので、男子の指名が何巡も続く。指名が重なり、じゃんけんバトルで盛り上がったりしていた。
男子の班分けが落ち着くと、女子の指名に入る。各班長の『お気に入り』が、まず選ばれていく。
次は『班の中の誰かのお気に入り』が選ばれていく。2巡目までは、女子の指名が被ることは、ほぼ無かった。
3巡目は、頭の良い子が選ばれていく。
だが、4巡目になると…
『残ってる人の中で、マシなヤツ』
になってくるのだ。
こうなると、指名が重なり、じやんけんになるのだが、さっきまでの楽しい雰囲気はどこへやら。真剣勝負に変わっていくのだ。
なぜなら、『あいつだけは取りたくない』からだ。みんな、私を自分の班に入れたくないのだ。じやんけんで負けて、私を取るとこになると、班の全員が『え〜。』『うそ〜。』と嘆き、露骨に嫌そうな顔をするのだ。
この一連の班分け作業により、
『私はクラスで1番の嫌われ者です』と、
毎回、公開処刑されていた。