ヒューストン
星空が好き。
月と団子を最短距離で結んで
ウサギに逢いにロケット飛ばした
ここはヒューストン 宇宙にいちばんちかい街
だけど愛しいきみとは はるか かなたに遠い街
週末まではゆくえをくらますって
置き手紙した太陽を
そっとしておいてやる天文台め
甘い顔するからつけあがるんだ
放物線をはずれ 衛星軌道にのれば
サドルから手を離してくれたって
きっとぼくらは翔べるのさ たどりついたら
明い星になってどこかの星座に加えてほしい
月とスッポン オッズの高さに賭けた
ウサギをぬいてゴールにころげる
沸くぜヒューストン 情けも知らぬリアリスト
寝癖のついたロマンティストがともに棲んでる街
翼がなけりゃ空など舞えないと
あおむけになる堕天使に
席をゆずってやるオペレータが
舐めたことするのも気に障るけど
双曲線を描き 理屈も屁理屈に歪む
ペダルから軋みあげる音がして
やがてぼくらが墜ちるなら せめて最期は
流れ星になって誰かの願いを叶えてみたい