時を重ねるごとに
帰り道
楽しそうに
横に広がって歩く
学生たち
それを避けるように
家路に急ぐ僕は
なにか一つでも
楽しいことがあったなら
何も叶えられず
何も手に入れられなかった
これまでに
思い出したくないことだらけのくせに
思い出したいことは
ほとんど無い
このほとんどさえ
強がりなんだ
そこから
ずっと
歩いてきた
耐えて
歯を食いしばって
歩いてきた
負けて
負けてたまるか
横に広がり
楽しそうに喋る学生たち
その輪に
入れず終いだった
あの日の僕
その惨めさは
苦しさは
辛さは
時を重ねるごとに
強い
強い
武器になる
終わらない
終わりじゃない
大丈夫
大丈夫
馬鹿みたいに時間をかけて
ようやく踏み出した一歩からの
地続きの未来だ
負けても 終わってもいない
大丈夫