27(おおおおんしゃを!)
挿絵の番号間違えて思いっきりエロ画像出てきたんだけど! 対策しろ運営! 当たり前のように表示すんな! ていうか、自分のIDで作品番号だけ変えても人のやつ表示されるんだね。それっておかしくない? 勝手に使われちゃうじゃん。
おおおんしゃを志望した理由はははははぁ!
失礼しました。ふぅ⋯⋯すーっ、はぁ〜〜〜⋯⋯
おおおんしゃをしししししししししぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ⋯⋯ぼぼぼっ!
すみません、取り乱してしまいまして⋯⋯
ふぅーっ!
御社は田中慎太郎と申しまして特技がうなぎのぼりの蒲焼でしてガクチカはおしぼりが温かかったことです!
⋯⋯よし、これだけ練習すれば完璧だろう。明日の面接に備えて今日は早めに寝よう。
ヒツジが1匹⋯⋯ヒツジが⋯⋯寝られん! もう1匹半数えてるのに全然眠くならない! これ考えたやつ誰だ! 詐欺師か! 詐欺師だろうなぁ! こんな自己暗示意味メェ〜〜〜〜!
寝られないと色んなこと考えちゃうんだよなぁ。明日ミカン何個食べようとか、鉛筆はひと口で食べた方がいいのかとか、ムシキング独り占めしたいなとか⋯⋯って明日面接じゃん!
早く寝ないとジャムおじさんみたいになって顔中蟻まみれになっちゃうよ!
蟻が1匹⋯⋯ヒツジが2匹⋯⋯よだれが3匹⋯⋯草が4匹⋯⋯キノコが5匹⋯⋯ってこれ干支じゃん! ヒツジじゃないと意味ないじゃん! ヒツジでも意味なかったけど!
陽の光が眩しく、私はしばらく目を閉じていた。
瞼の裏は赤く明るく、下瞼は妙に緑がかっていた。これは恐らく静脈だろう。知らんけど。
飛行機がおしっこをしながら飛んでいるよ。ピピーッてね。
ゴリラが家の中にいた。家の中には僕とお父さんとお母さん。ゴリラは玄関の近くの階段のところにいた。刺激しないようにと思った。
警察に電話をかけたら、すぐに来てくれると言った。
すぐにインターホンが鳴った。
『玄関の鍵を開けてください!』
ゴリラはまだ玄関の近くにいた。
「玄関ぶち破って来れませんか!」
『無理です!』
そんなんでゴリラに勝てるのかよと僕は思った。いったいどうすれば⋯⋯そう思っていると、ゴリラは階段を上り始めた。そりゃもうウホウホと。
今だ! と思った。お父さんは相変わらず奥の部屋でパソコンをやっていたし、お母さんは2時間前からトイレで用を足していた。
でも僕は違う、2人を助けられる状況にあるんだ。
僕はゴリラが2階に上りきったのを確認してから、玄関に向かった。
「ゴリラはどこですか! 鍵開けてください!」
「ゴリラは2階です! すぐに開けます!」
鍵に手をかけた瞬間、背中に鈍い痛みが走った。そしてすぐに、大きな手で顔を捕まれ、前が真っ暗になった。
そこで目を覚ました。最後の練習をしよう。
おおおんしゃを志望した理由はははははぁ!
ダメダメじゃないか! 1回寝たらリセットされるのなんとかなんないかな。
お御社お希望した志望は、生まれつき白黒だったからです! 以上!
よし、調子が整った。行こう!
コンコンコンコン
「どうぞー」
「しししししつれーいたします!」
「はは、緊張してますね。どうぞリラックスしてください」
リラックス出来るわけないだろ。
「お名前をお願いします」
「シンシンです!」
「?」
「おおおんしゃを志望した理由は、パンダです!」
「パンダは募集してないんだけどなぁ」
なに? おかしい⋯⋯確かにこの動物園の従業員募集のポスターにパンダの写真が載っていたはず⋯⋯
「僕はパンダですか?」
「知らないよ。次の人待ってるから帰ってくれる?」
「質問に答えてください」
「パンダです」
やった! 合格だ! 採用だ!
「ありがとうございます。それでは今日からよろしくお願いします」
「?」
僕はこうして動物園でパンダとして働くことになった。




