表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自動生成イラストからストーリーを作る練習  作者: 七宝


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/79

14(空き瓶1)★

  挿絵(By みてみん)


 いや、ちげーよ。俺とお前初対面だろ? あのな、世の中には言って良いことと悪いことがあるんだよ。まぁ初対面じゃなくても有り得ないけどな。とっとと失せな。


 あ? ちげーよ。お前もかよ。ここ通るやつ全員そればっかだな。そんな訳ねぇだろうが。あ? そんな訳しかないだろって? それはおめーらの勝手なイメージだよ。固定観念を取り払え。俺はただの飲みかけの麦茶だ。


 またかよ。ちげーよ。俺は麦茶なんだよ。なんで野外に放置されてて褐色の液体が入ってるからって通行人全員に酸化したションベンとか言われなきゃなんないの?


 あのさ、お前ら言われたことないだろ? あなたは酸化したションベンですか? って聞かれたことないだろ? 分かるよな? 失礼極まりないんだよお前ら。ションベンと敬語が同時に存在するのも相当おかしいからな。下品な言葉使うなら敬語使うなよ。分かったらさっさと失せろ。


 ちっ、また通行人か⋯⋯


 は!? 俺を持ち上げるだと!?


 口を開けて、腕を持っていって⋯⋯


 正気か!? 酸化したションベン飲む気か!?


 あ、違うわ! 俺、酸化したションベンじゃなくて麦茶だったわ! 言われすぎて自分でも分かんなくなってたよ! 本望じゃん! あざす!


 じゃないだろ! なんで野外で見つけた蓋の開いた瓶に入った飲みかけの麦茶を飲もうとするんだよ! 変な病気になるぞ!


「ゴクゴクゴク⋯⋯っぷは! 真っ茶ションベンはうめーなぁ!」


 え、俺ってションベンだったの⋯⋯?


 今までの通行人の皆様ごめんなさい。ションベンでした。まさか私がションベンだったとは⋯⋯


 確かに我々は生まれた時の記憶はありませんが、なんとなく自分は麦茶なのだと思っていたんです。


 ええ、飲まれたのは今回が初めてです。


 はい、最初から外でした。


 はい、工場じゃなくて、ここで即席で製造されました。


 でもさ! 自分でションベンだって認めたくなかったんだ! 認めたら俺は所詮それまでの男だってことになってしまうから!


 人は自分を凡人と認めた瞬間から成長しなくなる! ゆえに、常に向上心を持っていなければならないのだ! 何だこの話は! なんで俺は成仏しないんだ! 消化されるまでずっとこの真っ暗な場所なのか! 誰か答えてくれーっ! 誰かーっ! トムーっ! ジェリーっ! ブルさーん! ドルーピーっ! スパイクーっ! ゴリラウェイズーっ!


 しばらくして、俺はまた瓶に注がれた。真っ黄ションベンとして新しい人生を与えられた俺は、この地でまた何度目かの酸化をするのであった。

 しっこに質問する通行人たちが1番ヤバい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] これは面白い!
[良い点] めっちゃ良いお話をありがとうございました。 愛あり涙あり感動ありの人間ドラマでしたm(_ _)m [気になる点] >最初から外でした まるで捨て猫の記憶……(/_;) ペットボトルじゃ…
[一言] こいつぁ俺だ! そのへんにブチ撒かれて乾いていくだけのはずが、何か人の役に立つと思い込んで粋がって濁っていくだけの俺だ! ちくしょう、ビンになんか入れられたばっかりに! ちくしょう、ちくしょ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ